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【たばこコラム】格安銘柄「エコー」が廃止されると聞いて久々に吸ってみた / 貧乏時代を支えてくれたエコーの思い出

2019年7月26日

JT(日本たばこ産業)は2019年10月以降、在庫分の販売をもって「エコー」「わかば」「ゴールデンバット」の3銘柄を廃止すると発表した。これらは「3級品」と呼ばれる銘柄で、他のものよりも税率が低く設定されている。その特別措置(旧3級品特別たばこ税率)が9月末で廃止となることで値上げを免れないため、銘柄廃止の判断に至ったとのこと。

ヘビースモーカーの私(佐藤)は、3銘柄のなかでもエコーに対する思い入れが強い。金のない時期に、随分このたばこに助けられたからだ。なくなると聞いて寂しい気持ちになり、久しぶりの1本くわえて火をつけてみた……。

・たばこを吸い始めたのは

少し古い話になるが、私がたばこを吸い始めた時の話をしよう。現在ヘビースモーカーの私がたばこを吸い始めたのは、意外と遅かった。同級生たちが早くから吸い始めていたのに対して、私は23歳までニコチンに依存する体質ではなかった。

23歳から吸い始めた時、先に吸っていた同級生たちが「お前は(たばこを)やめておけ」と忠告していたことを思い出す。吸ってる人間に吸うなと言われても実に説得力がなかったため、私はたばこをやめることなく今に至る。


・人生でもっとも金のなかった時期

その昔、解体業に従事していた時期はプラスチック製のたばこケースに常にエコーを忍ばせていた。今から20年以上前、当時の価格は150円だっただろうか。若き日の私はそこまでお金にゆとりがある訳でなく、エコーの存在はとても有難かった。

それからさらに約10年の歳月を経て、たばこを吸い始めたのと同じく、遅すぎる上京を果たした私は30歳を越えていた。30にもなれば生活は落ち着くのかと思ったら、一向にその兆しすら見えず。当サイトで仕事をするようになったばかりの頃は、人生最ジリ貧のまっただ中。


昔から貯金ができない性質で、なおかつ当時は外部ライターだったこともあって毎月カツカツの状態だった。ここでもやはりエコーが大活躍する。しかしながらこの時、1箱250円の時代。吸い始めた頃と比べて100円もアップしていた。


250円のエコーの助けが間に合わないこともしばしばであった。そんな時には灰皿にためたシケモク(吸い殻)をあさって、再び火をつけることも珍しくはなかった。


・久しぶりに吸ってみようか

さて、久しぶりに購入したエコーの価格は350円になっていた。じわじわと値上がりして、吸い始めた時の値段の倍以上になってしまっている。これも時代の流れか……。


封を切って1本取り出すと、フィルターに「echo」の文字。鼻に近づけて匂いを嗅ぐと、苦々しいたばこ葉の香り。この匂いを嗅いだら、なぜか親父のことを思い出す。私の親父もやはりヘビースモーカーでピースを吸っている。エコーを吸っている訳ではないのだが、強いたばこの匂いは親父の匂いであると記憶の奥底に刻み込まれているらしい。


・あの頃の味がするのか?

口にくわえておもむろに火をつけてみる。すっかりアイコスユーザーになってしまった私にとって、ライターを使うことも久しぶりだ。


深くゆっくりと吸い込む。あの頃と同じ味がするのだろうか?


そして、煙の感触をたしかめるように少しずつ少しずつゆっくりと吐き出す。すると……。


何だコレ!? めちゃくちゃキツイ!! そして全然美味くない!


という訳で、エコーはあの頃の苦々しい日々と変わらず、舌先がシビれるようなキツイ味だった。ちなみに今回廃止が決定した3銘柄は、リトルシガーに生まれ変わる予定とのことである。これでエコーとお別れじゃない! 新しく生まれ変わって、あの苦々しい味を引き継いでいくぞ!

参照元:産経新聞
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

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