私(佐藤)の、迷惑LINEアカウントとの孤独な戦いは続いている。誰に期待される訳でもなく、また相手が人間さえもわからない。この戦いを「孤独」と言わずして、何を「孤独」というのか? これは私自身が、自らに課した業(カルマ)のようなものだ。
前フリはこのくらいにしておいて、以前私は自分のスタンプだけで、迷惑LINEとのトークに挑んだことがある。もしも有名人のスタンプを送っていれば、良好な反応を得られるのではないのか? そう思い、私が尊敬する安田大サーカスのクロちゃんのスタンプだけでトークに挑んだ! その結果……。
・人妻美早紀ちゃん
速攻でトークが終わってしまった。超売れっ子のクロちゃんのスタンプなのに、なぜトークが続かなかったのか? 不思議でたまらない。
トークに至るまでの流れはこうだ。いつものようにフリーメールに「LINE」の公式を装った迷惑メールが届く。
そこに記されているIDを、警戒心ゼロでID検索にかける。すると「美早紀」と称するアカウントを発見するに至った。
・最初は好感触
友達追加したところ、秒速でスタンプが飛んできたので、こちらも秒速でクロちゃんスタンプで返す。
クロちゃんのスタンプが返ってきた時点で、「こいつやべえヤツじゃ?」と思って欲しかったのだが、1発目は華麗にスルーされてしまった。この後、美早紀ちゃんは迷惑LINEのあるあるな言葉を投げかけてくる。
美早紀 「こんにちわ♪ みさきです。歳は29で悩み多き人妻です 仕事は事務業をしてます♪ 人妻だと仲良くしてもらえないですか? もしも大丈夫ならどこに住んでいるのかとか気になるので教えてほしいです♪ 返事楽しみに待たせてもらいます」
なるほど、美早紀ちゃんは割と物分かりの良い大人の女性という設定のようだ。『どこ住み』の質問に関しても、「もしも大丈夫なら」と断りを入れてくるあたりに好感が持てる。
・急に風当りが強くなった……
即刻答えてやりたいところだが、今回はクロちゃんスタンプ1本で行くことを決めているので、照れた表情のクロちゃんが「困ったな」と言っているスタンプで返しておく。
可愛らしいクロちゃんの照れ顔が、良い印象を与えるのかと思ったら……。
美早紀 「どこすみですか?」
あれ? なんかドライな返事じゃない? さっきは大丈夫ならって言ってたのに、今は「サッサと答えろ」と、苛立っているようにさえ見える。なんで?
なんとなく、このままではトークが終わってしまう気がしたので、続けざまにクロちゃんスタンプを投下!
この後、美早紀ちゃんが答えてくれることは2度となかった……。なんなのーーーッ! おわり。
Report:佐藤英典
Screenshot:iOS「LINE」