その昔、いわゆる「フィッシング詐欺」が多用していたのは電子メールだ。今でも昔と変わらず、知り合いや有名人を騙る迷惑メールは存在しているものの、一頃よりも下火になった。
ではフィッシング系の手口がなくなったのかというと、そうではない。現在は主戦場がTwitterに移り、ハッシュタグ検索の仕組みを逆手にとって、怪しいアカウントがバンバン蔓延(はびこ)っているのでだ。そのやり口についてお伝えしたいと思う。
・裏垢を装う
Twittrerで複数のアカウントを使い分けているという人もいるだろう。親しい友達や家族、会社の人が見ても問題ない「表向きのアカウント」と、それとは別に個人的な趣味やSNS上での付き合いのために使う「裏アカウント」。その裏アカウントであるかのように装って投稿を繰り返す “怪しいアカウント” が多数存在する。
Twitterで、あるハッシュタグで検索を行うと、その怪しいアカウントが山のようにヒットするのだ。さらに驚くのは、わざわざLINEのIDやQRコードを投稿している。
オッサンの私(佐藤)でも、引くほど卑猥な内容や、出会いを匂わせる内容を投稿したうえで、QRコードの画像を添付しているのだ。どう考えても怪しい! まともな思考をしている人間であれば、そんなことをする訳がない。それをやってくるのは、インチキ課金制サイトや詐欺まがいの手口を使う業者と見て間違いないだろう。
・LINEに誘導をかける
その実態を確かめてみるために、QRコードからLINEアカウントを検索し、友達登録してみた。
「なちゅ」という名前のユーザーが見つかり、友達追加するとすぐに自動返信と思われるメッセージが返ってきた。
なちゅ「友だち登録うれし~!! ありがとう♡ 写メ撮れたらおくるね♡ ■■■な動画はここで流してるから見に来てー♡ ■■■■■■■■■■■■(URL(1)) ■■■■■■■■■■■■(URL(2))」
・さらに出会い系アプリへと誘導
記載されている2つのURL。1つ目のURLにアクセスすると、出会い系アプリへと誘導された。
ちなみにこのアプリ、サクラを徹底的に排除するという「サクラ徹底宣言」を記載している。しかし「排除」が書かれていない「サクラ徹底宣言」では、まるでサクラに徹しているように見えるではないか……。
低評価のレビューを見ると、サクラしかいないとの声が相次いでいる。やはりサクラに徹底しているようだ……。
2つ目のURLにアクセスすると、こちらも出会い系アプリ。まさか2つの異なるアプリに誘導をかけてくるとは、それ自体が斬新な手法と言わざるを得ないだろう。
・気を付けよう
とにかく現在Twitterは、これらの怪しい業者のアカウントが無数に存在し、無尽蔵にいかがわしい内容を投稿して、多くの人を騙そうとしている。あまり良く知らない人からDMが来た際には、むやみに開いたり記載されているURLにアクセスしないように、十分に注意して欲しい。
Report:迷惑LINE評論家・佐藤英典
Screenshot:iOS「Twitter」、「LINE」