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立ち食いそば屋だけど人気は “佐野ラーメン”『駅そば大宮』のメニューが普通じゃない理由 / 立ち食いそば放浪記:第165回

2019年5月24日

時は金なりな現代社会。乗り換えの隙にツルッと食べられる駅そばは忙しい人にとっての強い味方だ。早い・安い・定番メニュー、駅そばと言えばこれだが、ちょっとおかしなことになっている店を発見した

それは先日のこと。大宮駅にある立ち食いそば屋『駅そば大宮』に立ち寄ったところ、メニューに大きくこう書かれていたのである。「人気商品 佐野ラーメン(税込500円)」と! え? ここ、そば屋だよね?

・漂うガチ感

佐野ラーメンと言えば栃木を代表するご当地ラーメンである。メニューにラーメンがある立ち食いそば屋は珍しくないが、佐野ラーメンとなるとどうだろうか? しかも、ここは埼玉である。謎が謎を呼ぶ。

だが、醤油ラーメンとは別に佐野ラーメンが存在するところにかなりガチっぽい空気感を感じた。気になったため、入店して注文してみたところ、すぐに運ばれてくるブツ。

どうやら醤油ベースのスープのようだ。佐野ラーメンの特徴の1つである平麺も再現されており、モチッとした食べ心地である。

チャーシューを食べてみると、口の中でトロけ、染み込んだスープとジューシーな豚の旨味が広がった。ウマイ。後味がスッキリしているため、毎日でも食べられそうな味である。

・なぜ佐野ラーメンなのか

だが、なぜに佐野ラーメンなのか。栃木でもないし、そもそもそば屋だし……その疑問は食べてみても分からない。そこで、店員さんに聞いてみることにした。メニューに佐野ラーメンを選んだ理由って何かあるんですか? 店の人が佐野市の出身者とか?

店員さんいえ、店と佐野市とは特に関係ありません。実は、以前JRのキャンペーンで『栃木』をテーマにしたものがありまして、駅の店舗が栃木に関するメニューなどを展開するものだったんですけど、その時に佐野ラーメンを出したら大盛況で。要望を多くいただいたのでレギュラーメニュー入りしました」

──なんと佐野市とは無関係なようだ。だが、確かにそんな要望が多く来ても不思議じゃないくらいにウマイ。私(中澤)も「毎日食べられそう」と思ったし。

・普通じゃないメニューの理由

ところでこの店、佐野ラーメン以外のメニューも少し変わっている。埼玉県の特産物を使ったかき揚げの乗った「さいたまそば(税込460円)」や、とろみある餡とゆばの「ゆばそば(税込550円)」なども面白い。定番メニューで固める駅そばが多い中、挑戦的なメニューを次々と出す理由は一体……?

店員さん「一番の理由は差別化です。駅そばって色んな店がいっぱいあって、競争が激しいので同じことをやってると埋もれちゃうんですよね」

──とのこと。もちろん、定番のメニューもあるが、オリジナリティーの裏にはそういった事情があるようだ。なんとなく、ターミナル駅の駅そばというだけでお客さんが入るイメージがあったが、そう言えば大宮駅だけでも3つ駅そばがある。オリジナルメニューには意外な駅そば事情が垣間見えた。

なお、新メニューを作る際には研究は欠かさないという。実際、佐野ラーメンを出す際にも、何店舗も佐野ラーメンの店を回り研究に研究を重ね開発したのだとか。試行錯誤が見えるそば屋の佐野ラーメン。大宮駅を利用する際は一杯食べてみてはいかがだろうか。

・今回紹介した店舗の情報

店名 駅そば大宮
住所 埼玉県さいたま市大宮区錦町630 JR大宮駅構内
営業時間 7:00~21:00
定休日 1月1日

Report:立ち食いそば評論家・中澤星児
Photo:Rocketnews24.

立ち食いそば屋だけど焼きそばが名物の店もあるぞ

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日本、〒330-0853 埼玉県さいたま市大宮区錦町630
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