2019年5月6日の深夜から7日未明にかけて、みずがめ座η(エータ)流星群がピークを迎える。平成最後の天体イベントとなった先日のこと座流星群は、月がまぶしすぎて観測難易度が高めだった。

しかし今回は月が出ていないため好条件。GW最終日に令和最初の流星群ということで、注目度も高いのではないだろうか。ということで、本流星群について詳しくお伝えするぞ!

・ピークは23時で見ごろは午前2時半

ウェザーニュースによると、活動がピークとなるのは23時ごろ。しかし国立天文台によると、最も見ごろとなるのは日の出の2時間半から1時間半ほど前とのこと。

日の出の時刻は北海道だと午前4時半ごろで、沖縄だと午前5時50分ごろ。詳細な時刻については観測地点によって変化するため、自分のいる場所の日の出の時刻を調べてほしい。ちなみに東京を観測地点とした場合、国立天文台的には午前2時から3時ごろが見ごろとなる。

ピークが23時なのに、見ごろが午前2時からなのはなぜ? と思う方もいらっしゃるだろう。これは流星群の放射点となるみずがめ座が、それくらいの時刻にならなければ昇ってこないから。

・みずがめ座の位置は

国立天文台がおススメする日の出の2時間半前には、ちょうどみずがめ座の放射点が東の空のかなり低いところに顔を出している。同じ方向の高いところにデネブ・ベガ・アルタイルが輝いているので、ベガとアルタイルの間の地平線付近を捜してみるといいだろう。

時間と共に放射点はどんどん高く昇ってくるのだが、昇りきる前に空が白み始めてしまう。そうなると明けの明星こと金星と、やたらと光っている木星くらいしか見えなくなるからそれまでが勝負だ。

・「η」とは

ところで、みずがめ座η流星群の「η」が一体何なのか気にならないだろうか? これはギリシャ文字の小文字。ギリシャと縁遠い生活をしていてもα(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)はご存知だろう。その流れで7番目に来るのが η(エータ)

星に関して時折これらのギリシャ文字がついているのは、バイエル符号という恒星の命名法によるもの。今回の場合は、みずがめ座を構成する星の一つ「みずがめ座η星」を示している。そしてみずがめ座η流星群は、放射点がこの「みずがめ座η星」付近にあるのだ。

ちなみにバイエル符号について一つ。それっぽい名前と、ギリシャ文字のなんだか専門的な雰囲気のせいでスゴい符号に思えるかもしれないこの命名法。実は符号をつける順がかなりガバガバなシロモノ。

一応明るい順なのだが、なにぶん400年以上前に決められたものなため、α星が1番じゃないのはよくあること。それどころかα星が無い場合もある始末。今回メインのみずがめ座も、一番明るいのはβ星で、α星は2番目。明るい順とは一体。

・気になる天気は

最後は観測条件について。流星群観測において最も対処が困難な障害は月の光と天気。しかし月の光に関しては、冒頭で述べたとおり今回は問題にならない。なぜなら月はここしばらく朝活に励んでいて、朝6時半ごろにならないと地平線から出てこないから。

残る懸念材料は天気のみ! 気象庁の週間天気予報によると……残念ながら東北から大阪あたりにかけては曇ってしまうそうだ。晴れる北海道や中国、九州地方にお住まいの方は、ぜひ観測してみよう!

そして6日の時点で曇りの地域にお住まいの皆さんも、まだあきらめないでほしい。今回の流星群は比較的長い期間にわたって流れ星を期待できる。そのため、全国的に晴れる7日から8日あたりに観測できるかもしれないぞ!

参照元:国立天文台ウェザーニュース気象庁
執筆:江川資具
Photo:Wikimedia Commons