いつの時代も理想と現実の間にはギャップがあるものだ。例えば、私(中澤)は現在ライターをやっているが、ライターになる前に持っていたイメージと全然やっていることが違う。こんなつもりじゃなかったんだけどな……いくら理想の仕事につけたとしても、そう思う人も多いはず。
この度、社会人に「勤務先企業の満足度」などを聞いた調査データが興味深い。2016年から2018年入社の1148人を対象に行われたこのアンケート。新卒に戻るなら入社したい会社のランキングが2019年卒学生と全然違うのである。
・65.6%が「ギャップあり」
いくら調べてリアルに想定したとしても、やってみなければ分からないのが仕事というものだ。就職・転職サービスの『株式会社ディスコ』が行ったこのアンケートでは、そんな理想と現実のギャップが見て取れる。
例えば、勤務先企業への満足度では入社決定時、「満足度100%」の人が全体で 16% いたのに 3% までダウンしており「満足度50%以下」が激増している。入社後のギャップになると、実に 65.6% の人が「ギャップがあった」と回答。
「入社前に伝えられていた以上に、風通しのよい環境だった」など良いギャップをあげる人もいるが、以下のような辛さを吐露している人も。
「人が少なすぎて、1年目が任されるには多すぎる仕事量、重たすぎる仕事内容に驚きました。もっと緩いイメージがあった」
「働いている人のタイプが、入社前に会った社員とは違った」
「お客さまの役に⽴つ仕事がしたいと思って入社したが、8割ぐらいは社内の仕事のように感じる」
──あるよね。あるある。そのためか、転職意向の調査項目では、約半数が転職について動いたり考えたりをしているようだ。詳細はサイトでご確認いただければと思う。
そんな若干の現実を知った人達が選ぶ「もう一度大学生として就職活動をする場合、就職したいと思う企業」は以下の通り。
1位 トヨタ自動車
2位 ソニー
3位 資生堂
4位 東日本旅客鉄道(JR東日本)
4位 花王
6位 全日本空輸(ANA)
7位 サントリーグループ
8位 味の素
9位 日立製作所
10位 東海旅客鉄道
10位 パナソニック
──2019年卒学生で人気1位の『日本航空(JAL)』2位『伊藤忠商事(みずほグループ)』4位『三菱UFJ銀行』などが軒並み10位圏外へ! かわりに『トヨタ自動車』『ソニー』『資生堂』が大きく順位を上げている。2019年卒学生のランキングと全然違うなあ。これが理想と現実……か?
もうすぐ入社式の人には辛い現実となってしまうかもしれない本アンケート。だが、逆に言うと、そのギャップはみんなが感じていることとも言える。ある意味、洗礼、登竜門なのかもしれない。
……と、そう考えるとちょっとは気も楽にならないだろうか。とにもかくにも新しい船出だ。鬱にならない程度に頑張ろうじゃないか諸君。
参照元:元「キャリタス就活学生モニター」若手社員のキャリア満足度調査(PDF)
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.