2018年9月16日をもって引退した安室奈美恵さん。特に90年代においてはカリスマ的存在で、彼女がオリジナルとなった流行は数知れない。文句なしに平成を象徴するビッグなアーティストだ。
そんな安室さんの引退に伴いって開催された、彼女の軌跡をたどる展示会『namie amuro Final Space』。そこで販売されたグッズに、まさかの盗作疑惑が発生している。
・デンマークの老舗文具を模倣?
問題となったグッズは『namie amuro Final Space』にて「フローティングペン」として販売されたボールペン。現在はすでに販売を終了しているが、会場以外でもセブンネットにて税込み1000円で販売されていたようだ。
そして盗作を訴えているのは「有限会社レトロバンク」だ。こちらデンマークの老舗文具メーカー「エスケセン」の輸入代理店。レトロバンクは1月7日に、公式Twitterにて以下のような投稿をしている。
「安室奈美恵さん namie amuro Final Space で “フローティングペン” という名称で販売の商品について
多数お問合せを頂いております
エスケセン フローティングペンの14964型と形、内部構造、社名ロゴの刻印が一致した模倣品で同社商品ではありません
正規品はMADE IN DENMARKの刻印が有ります」
投稿にはエスケセンのフローティングペンと、問題の安室奈美恵さんのペンを比較した画像も。同様の告知は会社のHPでも見ることができるが、どれくらい似ているのだろうか?
……ほぼ一緒やん!
外見での違いはグリップ部分の色とロゴだけという一致具合。ツイートに寄せられたリプライを見るに、正規品とグッズの間でパーツの交換までできることから、型をとって複製した疑惑すらもたれている。これはアカン……やっちまったヤツや……。
ちなみに、本物のエスケセン製フローティングペンは透明な部分にオイルが入っている。そのオイルの中を、ゆっくりとイラストが動くようになっているのが特徴だ。現物が無いので確認できないが、安室さんのグッズもこの機構を有しているのだろうか?
・企画・製造した会社の対応に批判
なお問題のペンを企画・製造したのは「Decorations」という都内にオフィスを構える会社。公式HPには、本件についての「お知らせ」が掲載されている。
すでにレトロバンクによる注意喚起のツイートは拡散されてバズりつつあるが、そこで火に油を注ぐように問題視されているのが「お知らせ」のなかの以下の一文だ。
「『namie amuro Final Space』で販売されたフローティングペンについて、デンマーク エスケセン社製の商品ではなく、弊社が企画製造したオリジナルの商品となります」
ここまで似てる商品を作っておいて、この主張はいかがなものだろうか。そりゃあまあ、透明な部分に入っている文字の色やら配置やらはオリジナルかもしれないが……。
なんにせよ、意図的にエスケセンのフロートペンを真似たものを発注したなら論外。仮に、物凄い偶然でここまで一致するものを作ってしまったのだとしても、発覚してなお「オリジナル」という表現は真摯さを欠くと思う。すでに代理店側は弁護士に対応を任せているそうだ。
単純な盗作でも問題だが、本件は安室奈美恵さんのファンの思い出にも泥を塗るような事態。是非とも「Decorations」側にはしっかりとした良識ある対応を期待したいところだ。
参照元:Twitter @retrobank、レトロバンク、Decorations
執筆:江川資具