水道の蛇口をひねればいつでも水が出るなんて、そんな保証はあるのだろうか? ペヤングを開けたら中に絶対ソースが入ってるなんて、そんな保証はあるのだろうか? 何事も油断は禁物。万が一に備えるべきである。
そこで今回は、水道が利用不能かつ、ペヤングにソース等が入っていない場合を想定し、それでもペヤングが食べたくなったらどうすべきなのかを真剣に考えてみたい。私(あひるねこ)が思うに、これはつまり究極の「エコ焼きそば」作りに繋がるはずである。
・お台場の海水
水道が使えないなら、海水を使えばいいじゃない。というわけで、お台場海浜公園にやって来た。ここで空のペットボトルに海水を汲み、その水を使ってペヤングを作ろうと思う。
平日の昼間で寒かったこともあり、浜辺にはほぼ誰もいない。こんなお台場は初めて見た気がする。虚しくならなかったと言えば嘘になるが、すべてはペヤングのためだ。
一人、波打ち際に佇みながら……
なんとか東京湾の海水をゲット。
これ以上お台場に用はないため、そのまま会社へと戻った。滞在時間はわずか15分だった。
──翌日
冷蔵庫に保管しておいたペットボトルを取り出すと、これは初めから分かっていたことではあるが、 なかなかに汚い。砂が沈殿しており、水中には謎の黒い物体が浮いている。何だこれ。
さすがにこのままでは使えないので、今回は『クリンスイ』という市販の浄水器を経由させようと思う。これは15物質を除去できるという優れもので、以前しょう油をろ過しようとした際には大変お世話になった。
言うまでもないが、水道水用である。「温泉水や井戸水など異物を多く含む水には使えない」とあるので、おそらく海水も同様だろう。だから、決して真似しないでくれ。約束だ。
・予想以上に……
さて、『クリンスイ』に注いだ海水は、なんというか全体的にくすんだ色をしている。こんな水を浄水器に入れていいのだろうか?
と思いきや、フィルターを通って出てきた海水を見てみると……
めっちゃキレイ。
なんて透明な水だろうか。これは一気に勝算が出てきた。お次はろ過した海水を鍋に移し、沸騰させる。
ここで、一連の過程を眺めているうちに、なぜかテンションが上がってしまった Yoshioに試飲してもらったところ……
「すげえ! 普通に食塩水!!」
お台場の海水を飲んで喜んでいた。
・エコペヤング
さあ、次は沸騰した海水をペヤングに注ぐぞ。その際、ソース・かやく・ふりかけはすべて取り除く。確実に入っているという保証なんてどこにもないのだ。
──3分後
ついに完成したペヤングは、意外にもかなり真っ当な仕上がりだった。ソースも何もかかっていないのに、嫌な磯臭さはまるでしない。まさに究極の「エコペヤング」である。
・東京湾の味を知る男
せっかくなので、過去にお台場の海水で茹でたパスタを食べたことがある和才に試食してもらおうと思う。もう4年以上前の出来事だ。きっと懐かしい気持ちになってくれるに違いない。
完成したエコペヤングを和才に手渡すと……
4年前に食べた、磯臭さと生臭さが混ざった駄パスタの味を思い出したのだろう。引きつったような笑みを浮かべている。
しかし、このエコペヤング。味は本物である。どうか食べてみて欲しい。
おそるおそる麺を口に運ぶ和才。と、その時。
和才の手が止まった。
「しょッッッぱ!」
・ソースいらず
そう、東京湾の海水で作ったエコペヤングは、嫌な臭いがほぼしないどころか、ソースも何もかけていないのに十分な塩気をまとっていたのだ。少々塩分が強すぎるじゃじゃ馬な一面もあるが、それが逆に麺本来の甘さを引き立ててせている。和才の顔に、再び笑顔が灯った。
・お試しあれ
水道が使えない。ペヤングを開けたらソースも何も入っていない。そんな極限状態であっても、工夫次第で状況を打破できる。そして、ペヤングを食べることができる──。ありがとうお台場、ありがとう東京湾。エコペヤング、覚えておいて損はないだろう。
参考リンク:Amazon「クリンスイ ポット型浄水器」
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
▼和才が海水で茹でたパスタを食べた記事はこちら。