最近の回転ずし業界は “4強” なんて言われている。スシロー、くら寿司、はま寿司、かっぱ寿司……どの店もそれぞれ良さがあるとは思うが、総合力で頭1つ……どころか6つくらい飛び抜けているのは「スシロー」ではなかろうか? 近い将来、スシローが “1強” になっても何ら不思議ではない。
さて、第2回目となる「チェーン店で10万円使えるのか企画」通称『10万円食べるもんズ』はそのスシローに挑戦した。ぶっちゃけ、前回のサイゼリヤよりも遥かに勝ち目はある……と思ったのだが。男たちとスシローの激闘の様子は、以下でご確認いただきたい。
・スシローマスターの教え
企業理念の「うまいすしを、腹一杯。うまいすしで、心も一杯」の通り、いつでも安くて美味しい寿司が食べられるスシロー。特にコスパの良さは折り紙付きで、1皿100円のマグロなどは “軽い奇跡” と呼んでも差し支えないだろう。
普通に考えれば、そのスシローで10万円使うことは不可能である。なにせ普段であればお腹いっぱい食べても2000円ほどで済んでしまうのだから。今回の挑戦者は4名。1人2万5000円の壁は果てしなく高い……かと思いきや、編集部の “スシローマスター” こと中澤に秘策があるという。
「普通にやったら無理ですよ。でも1貫で300円の皿ばっかり攻めたらいけるんじゃないですかね? しかも300円の皿も何種類かあるから、ずっと同じものを食べ続ける必要がないんですよ。寿司なんて味が変わればいくらでも食えるでしょ?」
なんという説得力──。確かに前回挑戦したサイゼリヤなら「ミラノ風ドリア」は299円、1貫300円の寿司なんてボーナスステージにさえ思えてくる。さらに中澤はこう教えてくれた。
「1貫で300円の皿は、ジャンボホタテ・国産ウナギ・生ウニなんかがありますけど、やっぱろ大トロでしょうね、あと炙り大トロ。2つとも口に入れた瞬間に溶けちゃうので、噛む力も必要ないでしょう。この2つを軸にすればイケる気がするな~」
なんだか勝てる気がしてきた……! 普段は2000円そこそこしか行かないスシローだが、滅多に300円の皿には手も出さないし、ほぼ2貫1皿の寿司しか食べていない。男4人が本気で「1貫300円の寿司」を平らげていったら……スシローの背中が見えてきた。
・まさかのアクシデント
というわけで、都内のスシローにやってきたのは、中澤・あひるねこ・Yoshio、そして私、P.K.サンジュンの4名。いずれも劣らぬスシロー大好きっ子たちばかりで、全員がこの日のためにコンディションを整えてきた。10万円は当然として「ネタ切れで閉店」まで追い込むくらいの勢いだ。
しかも今回お邪魔したスシローは都内のやや高いスシローで、1皿300円ではなく320円だというではないか。……これは朗報! たかが20円、されど20円。積み上げていけばこの20円の差が結果に大きく影響するかもしれない。大トロと炙り大トロの品切れ待ったなしや!
ところが──。
店内に足を踏み入れた瞬間、全員があまりの衝撃に絶句した。なんと入口付近のポスターに、
「大トロほぼ半額 \(^o^)/」
……と記されていたのだ。な、なんということでしょう! これはスシローが行っていたキャンペーンで、我々はまんまとその最中にスシローに足を踏み入れてしまったのだ。こんなに嬉しくない半額キャンペーンがかつてあっただろうか? 勝手に気前よくしてんじゃねー! ハメやがったなスシロォォォオオオオオオ!!
作戦の方向転換を余儀なくされる中、始まってしまったスシローとの超真剣バトル。果たして男たちは10万円の壁を打ち破ったかのか? 意外なほど食べ続けられたまさかのネタとは? 気になる続きは後半へGOだ!
参考リンク:スシロー
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
【大食い検証】スシローで10万円分食べられるのか? 男4人で挑戦した結果… / 第2回「10万円食べるもんズ」(後半)
・320円攻め
1貫で320円が稼げる予定だった「大トロ」と「炙り大トロ」が使えなくなった4人に更なる悲劇が襲う。この日は「ジャンボホタテ」と「生ウニ」が品切れで、結局1貫320円のメニューは「国産うなぎ」と「炙りきんき」、そしてローストビーフが乗った「大トロ & みすじ」の3品しかなかったのだ。
本来であれば7種類をローテーションで食べ続ける予定であったが、一気に半分以下の3種類とはハッキリ言って想定外。だが320円の皿を食べ続けていくことが10万円への近道であることに変わりなく、当初の予定通り1貫320円の皿を攻め続けることにした。
そして「大トロ & みすじ」「国産うなぎ」「炙りきんき」と、そのどれもがウマい! さすがスシローさんや!! イケる……このウマさならイケる! 4人が同時に1貫を口に放り込むだけで一気に1280円が加算されるのだ。我々は爆速で食べ続けた。
……と言いたいところだったが、タッチパネルから注文しても寿司がなかなか出てこない。比較的空いている時間ではあったものの、高級食材の4皿攻めに戸惑ったのか我々は「1貫食べる → 待ちぼうけ → 1貫食べる → 待ちぼうけ」をしばし繰り返した。
おそらく調理場も高級食材の4皿ラッシュに驚いたのだろう。「アラブの石油王でも来たのか?」もしくは「食い逃げか?」と噂していたに違いない。庶民丸出しのおっさん4名が1番高い皿しか注文しないのだ、私ならコッソリと警察に通報する。
・170円ネタ解禁
さて、3つのネタの中でも最も食べ続けられたのは、意外にも「国産うなぎ」であった。特に中澤とYoshioは国産うなぎを軸に皿を積み上げていく。国産だけあって泥臭さもなく、温められたうなぎは香ばしさも手伝いスルスルと胃の中に吸い込まれていった。
私とあひるねこは「大トロ & みすじ」「炙りきんき」をメインに食べ続けていく。量的なことを考えればローストビーフは邪魔であったが、それでもウマいことは間違いない。気付けば我々のペースも落ち着き、そろそろ3つのネタに飽き始めた頃、誰かがこう囁いた。
「他のネタも食べた方がいっぱい食べられるんじゃね?」
……と。そう、寿司の醍醐味はバラエティ豊かなネタのラインナップにある。お腹いっぱい云々は置いておいて「あのネタが食べたい」「あっちのネタも食べたい」「いやあのネタだって食べたい」と、好きなネタを選べるからこそ寿司はいくらでも、そして笑顔でいつまでも食べ続けられるのだ。
というわけで、ここからは1貫170円の皿も解禁して皿を積み上げていく。特に評判が良かったのは「ひらめの昆布〆」で、淡泊な味わいと大葉の清涼感が相まって無限に食べ続けられそうだ。男どものペースが一気に上がる。だがしかし──。
開始から1時間30分が過ぎようとしたとき
男たちの
手が止まった。
逆にフライドポテトで口直しする「FP作戦」や、りんごジュースで一気に風味を変える「アップルリフレッシュ」などを駆使し、ひたすら食べ続けた結果……! 気になるお会計はというと……!!
3万6514円ッッッッ!!!!!!!!!!!
全ッ然行ってNEEEEEEEEEEE!!!!!!
皿の数にすると123皿、サイドメニューも合わせれば135皿を平らげたが、10万円の壁は想像以上に高かった。金額的にみれば普段の4倍くらいは使えた計算だが、まさか5万円にも届かないとは……スシローのコスパの良さを再確認すると共に、今回は負けを認めざるを得ない。
激闘を終えた今、可能であれば食べる前の我々に教えてあげたい……「あんまりスシローなめんなよ?」と。
というわけで、通算成績0勝2敗となってしまった10万円食べるもんズ。それでも我々が挑戦をやめることはないだろう。なぜなら我々は、10万円分食べるためだけに結成された奇跡のユニット「10万円食べるもんズ」だからだ──。
参考リンク:スシロー
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
▼俺たちは後ろを振り返らない──。
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