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「北九州夜景観賞クルーズ」でダイナミックな工場夜景を海上から満喫 / 景色はまるでSF映画の未来都市のようだったぞ!

2018年11月8日

ネット上で “修羅の国” と呼ばれている福岡県北九州市は、どことなくデンジャーなイメージが先行している一方「住みたい田舎ランキング」で1位にも輝くギャップある地域だ。最近さらに「日本新三大夜景都市」にも選出されたらしい……個性が豊か過ぎるだろ。

そんなわけで今回は、北九州市の夜景に注目してみた。毎週土・日に運航している「夜景観賞クルーズ」に乗り込み、船上からギラギラに輝く工場夜景を眺めてきたのだが……結論から言うと最高だ。さすが全国屈指の工場地帯、寒さを吹き飛ばすほどの大・大・大迫力だったゾ!

・工場夜景コース

関門汽船株式会社が運営している「北九州夜景観賞定期クルーズ」は、小倉港発「工場夜景観賞コース(約110分)」と門司港発「関門夜景 + 工場夜景コース(約90分)」の2コースがある。料金は大人2500円で、基本的には乗船1週間前までの予約が必要とのことだった。

筆者が選んだのは、小倉港18時30分発の夜景観賞コース。乗船日当日、JR小倉駅の新幹線口(北口)から15分ほど歩いて小倉港へ。チョイ冷えるのが気になるが、船も夜景も楽しみだ。港に到着すると……お、意外と人が多い。待合室がパンパンじゃないか。スゴイ人気だな。

乗船開始は出発の15分前。パパッと乗船手続きを済ませて「がんりう号」に乗り込む。平べったい「がんりう号」は、2階がオープンデッキで1階が客席。夜景をバッチリ楽しむなら2階、寒さに耐えられなくなったら1階に避難ということか。OK、流れは理解した。ただ……

まさか……とは思ったが、どうやら全員同じ作戦のようだ。出発前になると、オープンデッキに乗船客が大集合。ザッと数えて50人はいる。これだけ見ず知らずの人が小さな船のデッキ上に集まると「特殊部隊が極秘訓練を行うために無人島に向かう」みたいな雰囲気になるな。クルーズ前に韓国映画『シルミド』が頭をよぎるとは……。

・夜景を満喫

それはさておき、いざ出発ッ! 出発アナウンスの後に、ドドドドド―ッと鳴り響くエンジン音。ロマンあふれる約2時間の船旅がスタートした。想像以上のスピードでグングン港から離れて行く……海から眺める街の明かりもキレイだな~。めっちゃ寒いけど。

さあ、出発して早々に姿を現したのは、新日鐵住金八幡製鉄所小倉地区に建つ205mの「北九州アイアンツリー」。週末にLED投光器でライトアップされている巨大煙突は、工場夜景クルーズの主役的存在だ。徐々に迫って来る巨大煙突の迫力……マジでたまらんです。

また、ツアーに同行している「工場夜景ナビゲーター」の解説もわかりやすい。なんでも北九州市は、海岸線のほとんどが工場で占められているため、工場夜景を最も満喫できるのは “海上から” だという。なるほど、贅沢な景色だな。

つづいて船が向かったのは、北九州工業地域のド真ん中、洞海湾(どうかいわん)にかかる真っ赤な吊り橋「若戸大橋」だ。正直、寒さはもう限界を超えているが “橋のくぐり抜け” はクルージングの醍醐味。1階客室への避難は……まだだッ! 橋のくぐり抜け最高ォォオオオッ!!


そして船は折り返し地点へ。前半戦の主役が北九州アイアンツリーなら、後半戦の主役は三菱ケミカルの黒崎事業所だろう。3本の赤白煙突は八幡(黒崎)エリアの象徴。煙突からモクモク上がる真っ白い煙は、真っ暗な夜空を自由に泳いでいるようにも見える。


さて、そろそろ本気で体が冷えたから客室へ……と思ったらやはりッ! すでに、ほぼ全員が船内でのんびり夜景を楽しんでいた。わかる。ガチガチのフル装備でない限り、2時間外は絶対に無理。季節にもよるが、想像以上の寒さなので対策は忘るべからず。とは言え


日本有数の大規模工場群が海上から味わえるクルーズは、予約してでも「行く価値アリ」と言える。まるでSF映画のワンシーンのようなギラギラ夜景は、老若男女問わず、1度味わったらハマるはずだ。料金も比較的割安なので、少しでも興味があればぜひ体験してみてくれ!

参考リンク:関門汽船株式会社「夜景観賞定期クルーズ」
Report:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.

▼徐々に迫ってくる感じがたまらん!

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