ロケットニュース24

【好きだ】ネットで彼女募集したら「カナダ人」からメールが来たので会いに行ったらこうなった

2018年1月30日


寒い。48年ぶりに東京都心の気温が氷点下4度まで下がるなど、今年の冬の寒さは記録的である。早く来いや春!!!!!!

そんな祈りが届いたのか、以前ロケットニュース24で私(中澤)がおこなった彼女募集に応募があった。カナダ人から。すでに応募は締め切っているのだが、これは冬将軍の贈り物か!? というわけで会いに行ってみることにした。

・2年前の春

彼女募集の記事は、今から2年前、2016年の春に公開されている。自分で思い出す意味でも、当時私が出した条件を今一度振り返りたい。

・対象年齢25~36歳(年齢はあんまり関係ないですが)
・お互いの趣味嗜好を許容できる
・僕に過度な期待をしていない
・僕がいなくても一人で生きていける
・精神的に不安定すぎない
・ある程度話さなくても気まずくない
・多少のエキセントリックさを持っている

──改めて見直してみると、「過度な期待をしていない」とか「一人で生きていける」とか条件じゃないだろそれ! っていうか、「多少のエキセントリックさを持っている」ってどういうこと? 自分でも意味不明である。

・送られてきたメール

それはさて置き、応募してきたのは、東京在住・カナダ人のアリさん。メールの内容は以下の感じだった。

「はじめまして! アリです。カナダ出身です。今日本でライターをしています。東京に住んでいます。英語は私の母語です。だから日本語で苦労しています。毎週日本語クラスがあります。So, sorry for my awkward writing」

──日本語で苦労しているとは書いているものの結構イケてる! 実は、外国の方からの応募は今回だけではないのだが、私の英語力の低さのせいか会えた試しがないのだ。一番勉強していた時期に英検の準3級に落ちるくらいだからなあ……。

特にリスニングは苦手で、ネイティブな発音の英単語が聞き取れない。でも、向こうも日本に住んでいて応募してきてるわけだし、英語音痴もOKなのかもしれない。しかも、アリさんはどうやら私と同じくアニメやゲームが好きな様子。とりあえず、会ってみよう。というわけで、メールを返信してみた。日本語で

・返信してみた

中澤「彼女募集にご連絡いただきありがとうございます! 中澤です。ぜひ1度お会いしたいのですが、ご都合のよろしい日はありますでしょうか?」

──さあ、どう出る!? アリさん! 返事が返って来たのは翌日。日本語だった。

アリ「お返事ありがとうございます! 来週土曜日はお暇ですか?」

──話も展開も急流滑りのように早い。とんとん拍子すぎて不安になるくらいだ。というわけで返す刀で以下のような返信を送った。

中澤「来週土曜日OKです! アリさんは、どこか行きたいところとかありますか?」

──初対面の外国の女性をどこに連れて行ったらいいか分からなかった。だって、浅草とか有名なスポットは外国の人行ってそうだし……そもそも自分がよく知らないし! すると、アリさんから速攻で返信が!!

アリ「美術館? 映画? どこもいいですよ。中澤さん何をしたいですか?」

──映画は『Fate/stay night[Heaven’s Feel]』が見たいが、さすがに字幕なしの日本語映画は厳しいかもしれない。実写となると、今見たい映画は思いつかないし……結局、以下の返信を送った。

中澤「カフェでお茶でもしましょう」

──というわけで、アリさんとカフェで会うことに。あああ、どんな女性なんだろう。もう明日会いたい! いや、今すぐ会いたい!! っていうか、アリさんは本当に来てくれるのか? キーボードを打つ指がふわふわ宙を舞う。もう殺してくれ。そんなこんなでやって来た土曜日は次ページで!

Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

【実録】ネットで彼女募集したら「カナダ人」からメールが来たので会いに行ったらこうなった(その2)


あっという間に約束の土曜日。アリさん指定のカフェ『Fuglen Tokyo』に向かった。代々木公園のすぐ近くにあるこのカフェは、アリさん曰く「海外の旅行者の間では有名なカフェ」なのだという。

大通りから路地を少し入ったところにある小さい店で、普通の1戸建て住宅の1階を改造した感じだ。とても世界的に有名な店には見えないが、確かに客は色んな人種の外国人で占められている。なんだか裏ステージを見た気分だ。

コーヒーを注文して外の椅子で一服していると、アリさんからLINEで電話が。電話に出たところ、目の前の道に立っていた女性が「セイジ?」と控えめに声をあげた。スマートフォンから同じ声が聞こえる。ということは……

アリさんキター! 彼女は、166cmの私より少し身長が低い小柄な女性だった。Hi! ナイス・トゥ・ミーチュー!!

勢いであいさつした私だったが、ヤヴァイ。その次の言葉が全く出てこない……。こういう時は、まず、何を言えばいいんだろうか。そもそも、日本人女性相手でもトークがウマイとは言い難い私が、それを英語に変換するって無理ゲーじゃね?

しかも、アリさんは英語でなんか話しかけてきてるけど、何言ってるのか全然わからない(白目)。とりあえず、アリさんが日本語があんまり堪能ではないことと、コーヒーを買いに行くことだけは身振り手振りでわかった。奢りたいけど「奢るよ」って英語でなんて言うんだ?

そんなことを考えているうちに、コーヒーを買って戻って来るアリさん。これはあかん……! そこで、文明の利器iPhoneを駆使することにした。

聞き取れない発音はiPhoneに打ってもらい、こちらの気持ちは日本語と身振り手振りも交えつつ、単語をiPhoneで調べながら伝える。たとえ神が人類の言語を別けようと、我々は越えてみせる! 人種の壁を!!

アリさんが付き合ってくれたことが幸いして、人となりがぼんやり見えてきた。インドア派で、好きなアニメは『サイコパス』『未来日記』『エルフェンリート』と結構オタク。そのため、「趣味が合うかも」とメールを送ったらしい。英語わからなくてもなんとかなるもんだなあ……と、その時



突然、iPhoneの画面が真っ暗に


ハ? 何コレ? 電源ボタンを押してもうんともすんとも言わない。まさかまさかまさか……

ギャーーーーーーー! iPhoneの充電がなくなってるゥゥゥウウウ!? 絶対絶命。バベルの塔は崩壊し、イカロスの翼は溶けてしまった。これが神に挑んだ者の末路か……

いや、まだだ! コーヒーがすでになくなっていることに気づいた私は、アリさんと代々木公園を散歩することにした。そして、途中のファミリーマートでモバイルバッテリーを購入。フハハハ! 勝ったな!!

──代々木公園の散歩、超楽しかった


最後にアリさんは「今日は楽しかった」と日本語で言ってくれ、私は「Today was very fun」と伝えた。もし、アリさんが思っていることがスムーズに理解できたら、それはとても素敵なことだ。

だが、今日の楽しさは、言葉が伝わらないからこそ飾りのない純粋なものだった気がする。ひょっとしたら私たちはそういったものを探して旅をしているのかもしれないね。澄んだ空気にぽっかりと冷たく光るお月様。今夜も月が綺麗ですね。

Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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