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【南極冒険25日目】南極では時計がなくても時間を推測することができる? 使うのは○○の向きと××の角度

2017年12月13日

荻田泰永(おぎたやすなが)氏が南極点無補給単独徒歩の冒険を開始して、25日がすぎた。全行程約50日の予定であったということはつまり、半分の日程を終了したことになる。目的地までの道のりはもうすぐ中間地点、日程は今日で半分。彼は今、まさに折り返し地点にいる。

・荻田氏からの定期連絡(日本時間 12月12日)

現在地:南緯 83度54分 西経 80度23分
この日の移動距離:27.9km
標高:1307m
天候:晴れ
気温:マイナス17度

・顔つきが変わっている

荻田氏から送られた写真は、テントからひょっこりと顔を出す彼の姿だ。冒険前には穏やかな人となりがうかがえたのだが、25日間誰に会うこともなく、ひたすらソリをひく彼の顔つきは、野性味を帯びているように見える。どことなく研ぎ澄まされた感じに見えるのは、気のせいではないはずだ。

・どうやって方位をとっているのか?

そんな彼の行く先は真南である。果てしなく続く白一色の世界のなかで、どうやって正確に方位をとっているのだろうか? GPSも持ち合わせているそうなのだが、ナビとしては使っていないという。では一体どうやって?

「日々正確に南を目指してナビゲーションをしている方法はと言うと、時間と太陽の位置、足元の風紋、方位磁針などです」

さらに驚くことに、時計を見なくても時間を推測できるそうだ。その方法は、足元の風紋の向き影の角度。これだけで大まかな時間がわかるそうである。彼の感性が研ぎ澄まされているのは、たしかなようだ。


・お悩み相談の回答

では、荻田氏のTwitterに寄せられた「お悩み相談」の回答を紹介しよう。


相談「毎日の更新楽しみに拝見してます。食糧、燃料、テントなどを積んで引いているそりは、最初は何kgあったんですか?」

荻田「正確には計測できてないのですが、100kgは越えてます」


相談「荻田さんのような未知の世界にどんどん突き進んで行く行動力が欲しいです。未知の世界に突き進む原動力は何ですか?」

荻田「ジッとしていると腐っていくような感じがして、その瞬間に感じる『自分への怒り』、でしょうか。なぜ怒りを覚えるのか? それは自分への自信があるからであり、なぜ自分への自信があるのかと言えば、それは自分を愛せているからであり、なぜ自分を愛せるかと言えば、自分を愛してくれている存在を知っているから。親であり、家族であり、友達であり」


※南極お悩み相談
荻田氏のTwitter(@ogitayasunaga )をフォローして、「#南極お悩み相談」をつけて相談を投稿すると、荻田氏が相談に答えてくれるかも! 相談内容は日本の事務局から荻田氏に伝えられるぞ。南極大陸を歩き続ける荻田氏に、何でも相談してみよう!

協力:荻田泰永南極遠征事務局
Photo:荻田泰永, used with permission.
執筆:佐藤英典
★こちらもどうぞ → 荻田氏の「南極冒険

▼残りの距離は700kmを切った。日程的には約半分。ここから標高は高くなっていく


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