2017年12月15日、世界中が待ちわびた映画「スター・ウォーズ / 最後のジェダイ」が公開される。もう間もなく、世界中にスター・ウォーズ旋風が巻き起こることになるだろう。
公開に先立ち主要キャストは世界各地でプロモーション活動の真っ最中だが、今回はルーク・スカイウォーカー役の「マーク・ハミル」に続き、ルーカスフィルムの現社長『キャスリーン・ケネディ』のインタビューをお届けしたい。
・大物中の大物
まずは、キャスリーン・ケネディをあまり知らない人のために、彼女の経歴をざっとご紹介しよう。2012年からルーカスフィルムの社長を務めるキャスリーン。日本での知名度はあまり高くないかもしれないが、ハリウッドでは誰もが知る大物中の大物である。
なぜなら彼女は「E.T.」「インディ・ジョーンズ」「ジュラシック・パーク」「シックス・センス」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」……などなど数々の有名作品に携わっており、彼女自身もアカデミー賞に8度もノミネートされているのだ。
特にスティーブン・スピルバーグ氏、ジョージ・ルーカス氏と縁が深く、両氏の作品の多くに彼女の名前がクレジットされている。今作『スター・ウォーズ / 最後のジェダイ』では製作も務める、“超現場主義のスーパーキャリアウーマン” だと思って間違いない。
それでは以下で、キャスリーン・ケネディへの単独インタビューをご覧いただこう。わりと真剣に「いつかルーカスフィルムに就職したい」と考えている記者が、面接のつもりでインタビューに臨んできたぞ。
・製作と製作総指揮の違いって?
──はじめまして。今日はマーク・ハミルとアダム・ドライバーにもインタビューをさせていただきましたが、実はあなたにお会いできることをとても楽しみにしていました
「フフフ。あなた2人にも同じことを言ったでしょ(笑)」
──おっとプレジデント、それはノーコメントで。では質問を始めさせていただきます
「OKよ」
──ではまず、あなたはこれまで “製作” もしくは “製作総指揮”として数多くの作品に携わっていますね。正直2つの違いがよくわからないのですが、何がどう違うのか教えていただいていいでしょうか?
「私は製作総指揮(エグゼクティブ・プロデューサー)より、製作(プロデューサー)として携わった作品の方が多いの。そして製作と製作総指揮の役割りは作品によって違うことが多いわ」
──ふむふむ
「例えば製作総指揮の場合、経済的な部分だけ、つまりスポンサーを集めたり資金繰りだけを担当することもあるの。ただ場合によっては社長を始め全てのスタッフを仕切ったり、クリエイティブに口を出すこともあるわ。だから一概にコレとは言えないのよね」
──なるほど
「製作はよりクリエイティブ寄りで、毎日現場に足を運んで撮影に立ち会ったり、様々な事案を決定するのに参加するの。私は製作総指揮より製作の方が好きね。なんとなく違いがわかるかしら?」
──ニュアンス的には掴めました。製作はクリエイティブな立場、製作総指揮はそれプラス経済面、場合によっては金銭面だけを担当する場合もあるといった感じでしょうか?
「ええ、間違ってないわ」
──フワッとしていたイメージがだいぶ鮮明になりました。ちなみに監督を決めたりする人事権があるのも製作総指揮なのですか?
「それは違うわ。監督は社長の立場として決定するの。もちろん様々な人と相談してね。それとウォルト・ディズニー・スタジオもあるから、そちらの人たちとも相談するわ」
──なるほど、あなたはいくつかの役割りを兼任しているわけですね
「そういうことになるわね」
・ルーカスフィルムで働きたい
──よくわかりました。では次にルーカスフィルム社長の立場としてお伺いします。実は、私(P.K.サンジュン)は就職できるならいつでも御社に入社したいのですが、ルーカスフィルムはどんな人材を求めているのでしょうか?
「ウフフ。じゃあ今日はオーディションね(笑)」
──はい、そのつもりで来ております
「そうね、ルーカスフィルムが求める職種は本当に多いの。映画だけじゃなくマーケティング、広告、出版、商品開発、ライセンス、アニメーション、そしてILM(特殊効果)、数えきれないくらい多くのセクションがあるわ」
──ふむふむ
「ILMのオフィスはサンフランシスコ、ロンドン、バンクーバー、シンガポールにあるの。ルーカスフィルムでどんな仕事をしたいかで、色々な可能性があるわ」
──まあ、多いですよね。では社長としてルーカスフィルムの全社員に持っていて欲しいことや心がけていて欲しいことはありますか?
「とにかく “ものすごい熱意” が欲しいわ」
──私、熱意だけはメチャメチャあります! 超ド級です!!
「フフフ。じゃあ入社できるかもしれないわね(笑)」
──ただ、日本にはルーカスフィルムのオフィスがありませんよね……
「ぜひあって欲しいわ。日本オフィスを開いてくれてもいいわよ(笑)」
──マジですか! そういうこと言われたらマジで勝手にオフィス開いちゃいますよ? では、日本人がルーカスフィルムに就職するにあたって、例えば英語など必要なスキルはありますか?
「経験豊富な人材がいいわね。それと専門知識を持った人。例えばストーリーを語るのが上手だったり、多くの映画を撮っていたり、出版の経験が豊富だったり。もちろん、エンジニアや一般的なビジネスでもいいわ。とにかく経験豊富で専門知識がある人ね」
──なるほど。ちなみに年齢は関係ありませんか?
「もちろん。全く関係ないわ」
──本気で希望が出てきました。では最後に、いつかルーカスフィルムに就職したいと考えている日本のファンにメッセージをお願いします
「熱意がある人は大歓迎よ。ルーカスフィルムは多くの才能を欲していて、出来る限り多く取り入れたいと思っているの。いつか機会があったら一緒に仕事をしましょう」
──ちなみに私は娘の名前が “レイ” なんです
「それはファンタスティックね。映画にインスパイアされたのかしら?」
──もちろんです。フォースの覚醒のレイから取りました。これで熱意はクリアってことでいいでしょうか?
「そこは合格ね。面接に来るのを待っているわ(笑)」
いかがだろうか? おそらくキャスリーンが日本向けに語った史上初の「ルーカスフィルムに就職する方法」だが、マジでやる気が出て来た人も多いのではないだろうか? 整理すると「経験」と「専門知識」、そして「熱意」が必要不可欠なようだ。
今作では社長としてはもちろんのこと、製作としても参加しているキャスリーン。『スター・ウォーズ / 最後のジェダイ』は2017年12月15日に公開だ。
参考リンク:スター・ウォーズ / 最後のジェダイ
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
▼予告編はこちら。
https://youtu.be/z9zxunCma0g
▼この写真を持って、いつかルーカスフィルムの面接に行く。