2017年7月29日、映画『東京喰種 トーキョーグール』が公開される。週間ヤングジャンプで連載されている同名人気コミックの実写化作品だ。あの世界観を、一体どのように映像化するのか? 原作ファンなら大いに気になるところだろう。
先日行われたマスコミ向けの試写会にて、一足早く映画を見ることができたため、今回はそのレビューをお送りしたい。あくまで原作読者目線で、どれくらい原作のキャラを再現できていたか、という点を語っていこうと思うぞ。原作を読んでいることを前提に書いていくので、未読の人は気を付けてくれ!
・再現度が超高い
漫画を実写化すると、「イメージと違う」とファンから叩かれてしまうのが恒例行事になっている昨今。芸能人コスプレ大会でも見せられているようで、私(あひるねこ)も良い印象を持っていない。では『東京喰種 トーキョーグール』の場合はどうなのか? 結論から書くと、これがハンパない原作再現度だったのだ!
・カネキについて
カネキを演じた窪田正孝さんは、原作者の石田スイ先生が推薦しただけあってマジでカネキ。少々背が高すぎる気もしたが、初期のカネキの繊細でちょっと頼りない雰囲気がよく出ている。と思いきや、狂気じみた “イッちゃってる” 表情も鬼気迫っており、何よりカネキ役への深い思い入れがスクリーンから伝わってきたのが良かった。
・トーカについて
この映画を見るにあたり、どうしても気になってしまうのがトーカ役を演じた清水富美加さんだろう。「幸福の科学」への出家騒動が上映中もチラついてしまうのではないか? という不安もあったが、結果的に見ている最中はまったく無問題。ツンツンぶりも含め、完璧にトーカちゃんだったから安心せよ。
個人的に違和感を感じるキャラはほぼいなかった本作。全キャラについてそれぞれ触れたいところだが、それだと数ページに及んでしまい誰も読んでくれなくなるので、ここからはザザッとその印象を投下していくぞ!
・原作そのまんまなキャラたち
とりわけ再現度が高いと思ったのは、西尾先輩、四方さん、亜門の3人。西尾先輩はそのルックスから意外と弱いところまでパーフェクト。亜門はもうちょいガタイよくてもいい気がするけど、原作に負けないくらい魅力的だった。蒼井優さん演じるリゼは、カネキの顔を舐め回すシーンが異様にエロいので見逃すな! あとヒナミちゃんが天使。
ウタさんに関してはもっとイケメンにしろという声が聞こえてきそうだが、話し方や立ち振る舞いがウタっぽいので実際に見れば印象は変わるだろう。そして私がもっとも驚いたのが、大泉洋さん演じる真戸上等である。
・真戸さんが凄い
最初にビジュアルが公開された時は、髪型を含めコスプレ感が強すぎるだろと思ったものの、始まってみれば完全に真戸さんなのだ。おそらく映画を見た人全員がそう感じるはず。他のCCG職員たちが普通のスーツ姿なので、どうしても違和感が出そうなところを全然アリにしてしまう。大泉さんの高い演技力がそれを可能にしているのだ。
・“食べる” という行為
全体的に、アクションシーンよりも日常シーンにこそ作品の魅力が詰まっていたように思う。特に “食べる” シーンはかなりエグく描かれており、原作ファン的にもヌルさは感じないはずだ。同時に、喰種の悲しみをもまた食べるという行為そのものにあって、トーカが手作り弁当を頑張って食べるシーンにはグッとくるものがあった。
・次回作に期待すること
現時点では、続編が制作されるかどうかは不明だ。しかし、もし作られる場合は、私の好きなキャラである月山がどうなるのかが気になるところ。アニメ版の声優を務めた宮野真守さんが最高すぎたため、いっそのこと実写版もお願いしてみてはいかがだろうか?
・原作ファンも納得
映画『東京喰種 トーキョーグール』は、そのキャラクターの再現度という点において、漫画の実写化作品として非常に優秀だと言えよう。原作へのリスペクトを感じる仕上がりになっているため、原作レイプはやめて! という人も安心して見に行っていいと思うぞ。
参考リンク:映画『東京喰種 トーキョーグール』
Report:あひるねこ
Photo:©2017「東京喰種」製作委員会
▼2017年7月29日公開だ