爽やかな5月の風が頬をなでる。早くも1年の3分の1が終わってしまったと考えると、ちょっと憂鬱だが、同時に夏の足音にもワクワクする季節。緑に染まり始めた街路樹の葉は夏を呼ぶようだ。
ところで、夏と言えば野外フェス。朝から晩まで何組ものミュージシャンが登場する大舞台は、バンドマンの憧れだ。売れないバンドマンを10年くらい続けている私(中澤)は、夏が来るたびに思う。野外フェス超出てェェェエエエ! というわけで、『ロック・イン・ジャパン』の予選に応募してみたぞ。
・邦楽ロックの祭典『ロック・イン・ジャパン』
毎年、8月に開催される日本最大級の夏フェスが『ロック・イン・ジャパン(ROCK IN JAPAN FESTIVAL)』だ。国営ひたち海浜公園(茨城県ひたちなか市)に特設された野外ステージで4日間開催されるこのフェス。邦楽バンドを中心に若手から大物まで200組くらいのミュージシャンが行うライブは、真夏の太陽にも負けない熱気である。
・2016年は取材で参加
去年2016年は、取材で参加した私。見渡す限り人の海だった「GRASS STAGE」で、ラストに登場したTHE YELLOW MONKEYのライブは今でもまぶたの裏に焼きついている。真っ暗な中、大合唱が響き渡った名曲『JAM』は、生で聴くことをとっくに諦めた曲だった。フェスならではの感動。一体感。
・胸のチリチリ
だが、フェスの終わりを告げる花火が打ちあがった時、感動とは別の胸をチリチリ焦がすような想いにも駆られた。かつて同じステージに立ったバンドが、今日の夏フェスにも何組か呼ばれている。
向こうは完全に私のことなど忘れてるだろうけど、そのステージは見ることができなかった……胸のチリチリが痛いから。夏フェスは夢なのだ。客としてもバンドマンとしても。というわけで、私がやっているバンド・フリサトで予選の『RO JACK2017』に参加してみることにした。
・『RO JACK2017』とは
通常、出演者はフェス側がブッキングをしているが、『ロック・イン・ジャパン』には少数のオーディション枠があり、勝ち抜けばフェスのステージに立つことができる。それが『RO JACK』だ。オーディションには全国から応募が殺到し、その倍率は100倍~250倍くらい。非常に狭き門である。
オーディションは4月上旬からスタートし、7月中旬まで続くこのオーディション。スケジュールは以下の通り。
・スケジュール
4月上旬~下旬 予選(RO JACK製作委員会による選考で、予選通過アーティストを決定)
↓
4月下旬~5月中旬 リスナー投票(選考を通過したアーティストがサイト上にアップされ、一般リスナーが投票し、投票の結果とRO JACK製作委員会の推薦を合わせて選考)
↓
5月中旬~6月下旬 入賞選考(都内某所で、入賞アーティスト選考用のライブ映像を収録し、サイト上に公開したライブ映像を参考にした上で、2回目のリスナー投票)
↓
6月下旬~7月中旬 優勝選考(サイト上に公開した2曲目の楽曲を参考にした上で、3回目のリスナー投票)
選出は全て、投票の結果とRO JACK製作委員会の推薦を合わせて行われる。また、入賞アーティストには20万円、優勝アーティストには100万円の賞金があるが、ハッキリ言って金とかどうでもいい。多分参加者全員そう思ってると思う。個人的には寄付してもいいくらいだ。
ともかく、現在オーディションはリスナー投票中。フリサトを含む666組のアーティストが1次予選を通過して、サイト上で視聴が可能になっている。なお、投票の締め切りは5月8日18時まで。はたして『ROCK IN JAPAN FESTIVAL2017』への道を切り開くのはどのバンドなのか。バンドマンの夏はすでに始まっている!
参照元:RO JACK2017
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.