最近では、都会から地方への移住を選択する人も増えている。総務省が地方への移住を促進するためのサイト「全国移住ナビ」を開設するなど、その流れは徐々に加速していきそうだ。
そんな中、気になるのが青森県弘前市が公開している動画「連続移住小説 ヒロとサキ」である。一見、朝ドラ風のタイトルだが、ヒロとサキ……ヒロサキ……弘前!
・下北沢から弘前市に移住
「連続移住小説 ヒロとサキ」の第1話が公開されたのは2015年のこと。その後、話数を重ね、3月28日に第4話と第5話が公開された。
登場するのは、東京・下北沢から弘前市に移住したカップル。笑いもないし、驚くような事件も起こらない。そこに描かれているのは、弘前市で暮らす二人の日常の小さな幸せである。
・弘前市でほのぼの生活
第1話は、現代美術アーティスト・ヒロとパン職人・サキの別れの場面から始まる。下北沢で3年半、一緒に暮らしてきたが、サキは「空気と水のおいしいところでパンを作りたい」と故郷である弘前市へ戻ることを決意。別れた後、サキからの手紙をブックカフェで読むヒロ。「弘前で待っています」の言葉を目にして、ヒロも弘前市への移住を決める。
第2話では、弘前市で新生活をスタートさせた二人の姿が描かれる。アップルパイを作るサキが「ヒロー! ヒロー!」とヒロを呼ぶと、創作活動中のヒロから「サキー!」と返事がある。「ヒロー!」、「サキー!」の掛け合いがしばらく続き……ラブラブか(笑)。
第3話の舞台は、移住してから1年後の弘前市の街中。こだわりの雑貨店やカフェ、バーなどが並び、UターンやIターンのオーナーも多くて個性豊か。少しずつ知り合いが増えて、地域に馴染んでいる様子だ。
そして待ちに待った新作の第4話では、「弘前ねぷたまつり」の準備に参加するヒロの姿が描かれている。勇壮なねぷた作りは、ほかの地域ではなかなか体験できないだろう。
第5話では、なんとヒロとサキに子どもが誕生。サキは「こぎん刺し」にハマっているようで、子どものためによだれかけを制作する。ヒロは子どもと一緒に子育て支援センターへ。地域のママさんたちにも受け入れられていて、なんて幸せそうなんだ!
・都市でも田舎でもある弘前市
下北沢住民もビックリのオシャレ感が漂う「連続移住小説 ヒロとサキ」。数々の有名企業のCMなどを手掛けてきたトクマルシューゴさんによる音楽も素敵である。
ところで、弘前市ってどんなところなのだろうか。人口約17万5千人の弘前市は、都市型生活も田舎暮らしも、どちらも楽しめる街。「弘前ねぷたまつり」が有名で、町内会やいろんな団体ごとに集まってねぷたを作るのが毎年の恒例行事である。
第4話に出てくるように、市内各所に「ねぷた小屋」が建てられて、みんなで集まってねぷたの製作をし、その後みんなで酒を飲む……というのが夜な夜な繰り広げられるらしい。
第5話で出てきた津軽地方に伝わる刺し子技法「こぎん刺し」も、近ごろ女性の間で人気を集めている。
布にこぎん糸で幾何学模様などをチクチクと刺しながら刺繍していくというものだ。毎年、弘前市にて、全国から「こぎん刺し」ファンが集まるイベント「こぎんフェス」が開催されるらしい。
弘前市の魅力は、ほかにもたくさんある。「全国移住ナビ」や弘前市の公式サイトで詳しく紹介されているので、そちらも要チェックだ!