行き過ぎた注意や対応は問題である。本来注意すべきことが伝わらないばかりか、相手に恐怖の感情を植え付けてしまう場合があるからだ。度を超せば、パワハラにもなりかねない。
しかし、注意される側にも注意されるだけの理由があることも。最近、JR北陸線で車掌が10代の男子学生の胸ぐらを掴む出来事があったそうだ。この車掌は後に学生に謝罪したようだが、ネット上では車掌を擁護する意見が相次いでいる。
・JR側の見解
福井新聞ONLINEによると、2017年3月11日、車掌は無人駅から乗車した学生に、車内で切符を確認しようとしたところ、学生はイヤホンで音楽を聞いていたという。
JR西日本金沢支社の広報室は、車掌への聞き取りで「寝たふり」「聞こえないふり」をしていたように見えたとして、イヤホンを外して声かけをしたらしい。そのうえで、乗車駅を聞いてもなかなか答えなかったとも話している。その後、車掌は胸ぐらを掴んで暴言を吐いたそうだ。
・学生の言い分
一方で学生の言い分としては、切符の有無を車掌に確認され、購入しようと「いくらっすか?」と尋ねたところ、車掌に胸ぐらをつかまれ「言葉遣いに気を付けろ」とにらみつけられたという。また、音楽を聴いていたイヤホンを引き抜かれたり、購入後に再び胸ぐらをつかまれ「こっちに来いや」と引っ張られたりしたのだとか。
ちなみに、学生は「いきなり胸ぐらをつかまれびっくりした。JRに乗るのが怖い。許せない」と述べているもよう。
・JRは行き過ぎと謝罪
双方の言い分に食い違う点はあるものの、車掌が学生の胸ぐらを掴んだという点は共通しているようだ。この件に関して、JRは行き過ぎた対応として謝罪し、再発防止に努めるとしている。また、車掌は学生に謝罪したらしい。
・ネットの声
なお、ネット上では以下のような声が挙がっている。
「車掌さん良くやったと思う」
「学生が悪いようにしか見えないけど」
「クソガキに鉄槌を下して何が悪いのだろうか」
「謝罪の必要無しでしょ」
「この乗客の態度も酷かったのでしょう」
「学生が払えばいいんだろと言ったように見えるけど」
「舐め腐った糞ガキやん」
……など。一方で、車掌の対応を「行き過ぎ」と指摘する声も少なくない。
はたして現場ではどのような状況だったのだろうか? 車掌が言うように、もし学生が乗車駅を告げることを渋り、寝たふりや聞こえないふりをしていたとしたら、「無賃乗車」をしようとしていると疑われても仕方がないと思うのだが……。現場の状況が気になるところだ。
参照元:福井新聞ONLINE、Yahoo! リアルタイム検索
執筆:佐藤英典
イラスト:Rocketnews24