ロケットニュース24

【コラム】坂上忍の前でおしっこを漏らした時の話

2017年2月28日

sakagami1

今や「昼の顔」になりつつある、タレントの坂上忍さん49歳。しかしフジテレビ系『バイキング』を見るたびに、私(羽鳥)は “あの日” のことを思い出す。

あれは今から30年以上も前のこと。私は渋谷NHKのスタジオ内、それもテレビ収録の本番中、視界の隅に坂上忍をとらえながら、豪快におしっこを漏らしたのだ。

・15歳の坂上忍

その当時、NHKには『どんなモンダイQてれび』なるクイズ番組があった。そして、ひょんなことから同番組を観覧できるチャンスが舞い込んできたのだ。収録当日、NHKに向かったのは、私と姉と、熱狂的な女子プロレスファンの母だった。

母は、同番組の回答者ゲストとして呼ばれていた女子プロレスラー「ミミ萩原」に注目していた。決して母はミミファンではなく、どちらかといえばジャガー横田、もしくはデビル雅美ファンだったが、「女子プロだから」という理由でミミに注目。

姉は誰に注目していたのか不明だし、そんなことどうでも良いのだが、残る幼稚園生の私は、“クールでニヒルなお兄さん” 的オーラが漂う坂上忍に注目した。たぶん今から34年ほど前の話なので、坂上忍も15歳あたり。カッコイイ人だな……と思った。

・ど〜んQ〜\(^O^)/

ほどなくして収録が始まった。私が座っていたのは観覧席の一番前。まさに「かぶりつき」の特等席だ。すぐ目の前には、NHKアナウンサーの中村克洋。そして坂上&ミミの他には、キレイな女優の佐倉しおり、あとは視聴者代表の島野善一君がいた。

収録まもなく、みんなで声をあわせ、ポーズ付きで「ど〜んQ〜!」との掛け声。何度も何度も、ど〜んQ〜!! なんだか楽しくなってきた! ど〜んQ〜! ど〜んQ〜……

──と、ふと気づいたら、私はおしっこをもらしていた。

今にして思うと、あまりにも「ど〜んQ〜!」に熱中しすぎて、尿意すら忘れていたのかもしれない。ともかく、私が座っているベンチの下には、見事な水たまりができていた。しかし、母はもちろん、スタジオ内の誰も気づいていない……(と思う)。

もはや「ど〜んQ〜!」なんて言ってる場合ではない。坂上忍もどうでもいい。なんとかしないと……と考えた末、私は “証拠隠滅” を決意した。幼稚園生ながら、「滞りなく進む収録に水をさしてはならない」と思ったのだ。話の続きは次ページへ。

Report:GO羽鳥
イラスト:マミヤ狂四郎
Photo:RocketNews24.

証拠隠滅するためには、どうにかしておしっこを消さなければならない。だが、屈みながらハンカチやティッシュで床をフキフキしたら間違いなく怪しまれる。誰かに気付かれて番組が中断したら……と考えると、私はうかつに身動きがとれなくなった。

さて、どうしたものか……。なんなら「どうやっておしっこを消すか」をQ(問題)にして、坂上忍らに答えてもらいたかった。おそらくスタジオ内で、もっとも頭をフル回転させているのはこの私。ポクポクポクポク……そして……ついに、ひらめいた!!

蒸発。それしかないと。もちろん幼稚園生なので「じょうはつ」なんて言葉は知らないが、照明ガンガンでメチャクチャ暑くなっているスタジオ内の温度を逆手に取り、床に広がるおしっこを乾かして、あとかたもなく証拠を隠滅しようと画策したのだ。天才か。

すぐに行動に移した。まずはクレープみたいな要領で、おしっこを靴底で “広く広く” 慣らした。上半身は固定させ、あたかも「どんQ」を楽しんでいるような表情を維持しながら、下半身だけをフル回転させ、慣らしに慣らして慣らしまくった。

たまに「よいしょ」と座りなおすフリをして、ベンチ下のおしっこをチラ確認。よーし、いいぞいいぞ……確実に「水たまり」ではなくなっている。「なぜか床が濡れている」くらいになっている。もっともっと広げれば、わりと短時間で消える……!

ということで、隠滅作戦は「後方へ勢力拡大」へと進行。薄く伸ばしたおしっこを、できるだけ後ろへ、後ろへ……蹴り込むように、1mmでも、薄〜く、後方へ……と、もんじゃ焼きのように伸ばしに伸ばして伸ばしまくった。

──と、その時!

後方に座るギャルらの声が聞こえたが、私は「坂上忍の回答に注目しています顔」をし続けた。しかしその間も、足だけは猛烈フル回転。それと同時に、全神経も足元に集中させていたので、このあたりの記憶は「おしっこ隠滅」しか覚えていない。

そんな努力(迷惑)の甲斐あって、収録が終りを迎える頃には、ものの見事におしっこは消えていた。完璧に蒸発したのである。それよりなにより驚いたのは、グジョグジョに濡れていたズボンも乾いていたこと。それほどスタジオ内は暑かったのだ。

後日。ビデオ(ベータ)に録画しておいた同番組を確認すると、チラチラ小刻みに謎の動きをする幼稚園児が画面の端に映っていた。私の名前は羽鳥だが、その姿はまるで……水中では脚を必死に動かしつつも、優雅に水面にうかぶ白鳥のようだった。

Report:GO羽鳥
イラスト:マミヤ狂四郎
Photo:RocketNews24.

モバイルバージョンを終了