ロケットニュース24

【検証】いつもより明るい金星が「2月中なら昼間でも観測できる」というのは本当か? 実際に観測してみたら……マジで見えたーッ!!

2017年2月23日

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夕暮れ時や明け方しかその姿を観測することができない星々の中のレアキャラ・金星。だが、実は「輝きナンバースリー」の実力者。そう、太陽と月の次に明るいのだ!

去る2017年2月17日、そんな金星が最大光度のピークを迎えたのをご存じだろうか? その明るさは1等星のおよそ170倍と言われ、なんでも2月中は昼間でも見える明るさを誇っているのだとか。……ホントかよ!? ということで、実際に観測してきたゾ!

・もともと金星は1等星の100倍明るい星

地球の1つ内側を公転している金星。2月中は地球と太陽の間を通過する時期で、地球との距離が近いうえ、太陽に照らされた部分が見える状態にあるという。しかも、もともと金星は1等星の100倍明るい「マイナス4等級」の星として有名なのだが、さらに明るい170倍が今! 日中でも見えるとすれば、かなりの存在感を放っているに違いない。

・自宅のベランダで観測

居ても立ってもいられなくなった私(りょう)は、自宅のベランダから金星の観測を開始。時刻は午後1時半ごろ。雲1つない青空をくまなく探して、わずか20秒。

……こ、これはッ!!

目に飛び込んできたのは、空にポッカリ浮かぶ惑星。あれが金星か!! なるほどさすがは1等星の170倍、望遠鏡を使用せずとも、肉眼でハッキリ見えるほど鮮明だぜ……と思いながら国立天文台に確認してみたところ、これは “月” であることが判明した。

しかし、同じく国立天文台は「たしかに今の時期、金星は日中でも観測可能だが、よほど視力が良くなければ難しい」とも言っている。視力の件は、メガネで1.2あるから大丈夫だろう。こうなったらもう……何が何でも “日中の金星” を見てやるぞ!

・地上202メートルの絶景が無料で楽しめる東京都庁

ということで向かったのは、東京都庁の45階、見晴らしの良い展望室だ。空を見上げたら高層ビルが視界に入る新宿でも、地上202メートルの高さからなら邪魔するものは何もないと考えたからだ。ちなみにここは入室無料。いつも多くの観光客で賑わっている。

国立天文台が教えてくれたのは、「金星が見えるのは西南西の高い位置、時刻は夕方16時半ごろから」なる情報。しかし、その予定時刻は太陽がまぶし過ぎて金星を確認できなかったため、太陽の光が弱まる日没ギリギリまで待つことにした。

17時を過ぎ、ようやく水平線に太陽が沈んでいく。空にオレンジ色の温かい光を届けるその光景は、1日の疲れを癒すようで文句ナシに美しい。こんな景色が無料で味わえるとは……東京都庁あなどりがたし! 思わず時間を忘れて、目を奪われてしまった。

そんなこんなで日没直前の17時15分ごろ、ついにその時は訪れた。眼下に広がる街並みに影が落ち、空がうす暗くなる中、西南西の高い位置を見上げると……

雲ひとつない空に小さな白い点を発見! サイズは針を通す穴以下で、視線を少しズラしただけでも見失うほど小さいが、確かにぼんやりと光って見えるあの星は……間違いない! 金星だーーーッ!! まだ空が明るいのに、マジで金星が見えちゃった!

まだ他の星たちが姿を現さない中、たった1つだけ輝いている金星。正直、この時間はまだ目立つほどの光ではなかったが、日が沈む前の昼間でも、確かに金星は観測できたのである! おそらく完全なる日没後は、“1等星の170倍” の輝きが見えるのだろう。

なお、金星はこの後さらに地球に近づき、3月25日に地球と太陽と一直線に並ぶ「内合」を迎える。その時期、金星を観測することはできないので、興味のある人は2月中のうちにチェックしよう。ひときわ輝く光に感動するかもしれないぞ。

参照元:国立天文台ウェザーニュース東京都庁展望室
Report:りょう
Photo:Rocketnews24.

▼日没前は太陽がまぶしくて金星が見つけられない

▼諦めかけた、その時! あ、あれは……

▼空に白い点があるのをお分かりいただけるだろうか?

▼金星発見!!

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