世界は私たちの想像以上に広い。資産、IQ、格闘技、ギターの速弾きなどなど、どんな分野においても探せば上には上がいるものだ。それと同時に下には下もいる。世界を知る旅人たちが口を揃えて「汚い」と言うのがインドだ。ガンジス川は全然聖なる川じゃないとか。
そんなインド好きも恐れおののくゴミ部屋が東京に存在するという……っていうか、私(中澤)の部屋だ。足の踏み場がないどころか、そろそろ寝る場所がなくなりそうな状況は何とかしなければいけない。そこで、ロボット掃除機の『ルンバ』に来てもらったら驚愕の結果に! 『ルンバ』さんマジスゲーーーーーーー!!
・旅人も驚く汚い部屋
ある日、いつもコラボ連載しているGetNaviから私宛てにルンバが送られてきた。確かに以前、「部屋が汚い」と話したことはあったが、GetNaviがそんな気を使ってくれるとは。
自分の部屋が異常であることを知るキッカケになったのは、世界を旅するのが好きな友達のK君が来た日のことだった。当時、中国で働きながら、暇を作ってはアジアを回っていたK君は部屋を一瞥(いちべつ)して言った。「いろんなところに行った俺でも、こんな汚い部屋は初めて見た。お前は世界中どこでも生きていける」と。
その時は、冗談で大げさに言ってるだけかと思った。床が見えないほど紙とかペットボトルが散乱してるし、その中から賞味期限切れの調味料や食材が発掘されることはあるけど、余裕で住めてるわけだし。
・世界レベルで汚いことが発覚
だがしかし、先日、アフリカをはじめ世界中を飛び回るロケットニュース24の編集長・GO羽鳥が家に来た時……事件は起こった。まずは、その時の彼のリアクションを以下に記したい。
GO羽鳥「ちょっ……嘘でしょお!? マジ……だって入れないもん! ちょっと待って(笑)入れないよココ? ウッソォ! ヤヴァイよ……何だここぉ……ええ~嘘ぉ~ん……爆破でもしたの?」
──くねくね恐れおののくGO羽鳥。その口調は完全にオカマだ。私の部屋が汚すぎてGO羽鳥がオカマになってしまった……。彼いわく、「インド・ニューデリーの安宿より汚い。っていうか、比べるのはインドに失礼なレベル」とのこと。世界を知る人物2人の証言。どうやら本当に世界レベルで汚いようだ。これはなんとかしなければ。
・『ルンバ』と汚部屋の一騎打ち
そこで、GetNaviから送られてきたロボット掃除機の『ルンバ』に頼ってみることにした。はたして、『ルンバ』はこのゴミ部屋を片付けることができるのか!? 衝撃の対決の結果は次ページで!
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
・【衝撃】インドの安宿より汚いゴミ部屋に「ルンバ」が来たらこうなった!(その2)
アフリカ、インドなど世界の酸いも甘いもかみ分けた強者(つわもの)2人がドン引きしたゴミ部屋。だが、ロボットの『ルンバ』ならこの惨状も感情なく淡々と片付けてくれるに違いない。むしろ、この部屋は餌の宝庫のはず。さあ、『ルンバ』よ! 思う存分食いまくれ!! 部屋に『ルンバ』を放してみたところ……
な、なんてこった! 『ルンバ』が動けないだと!? ゴミにぶつかっては方向転換を繰り返し、まるで40cm四方ほどの空間に縛られているかのようである。状況を理解できず不自由そうにガタガタする『ルンバ』。
・『ルンバ』を走らせるためにゴミ排除
健気にも掃除を続けようとするその姿を見ていると、なんだかかわいそうになってきた。そうだよな。お前だって自由に走りたいよな。感情がないとか言ってごめんよ。
よし! ここは私が頑張ろうじゃないか。必ずお前を走らせてみせるぞ! というわけで、営業のシノミヤとGO羽鳥の力を借りつつ、『ルンバ』の行く手を阻むゴミを排除することに。
・生まれ変わる部屋
しかし、改めて見ると荒れ方が近所のゴミ捨て場以上である。本当にここに人は住んでいるのか? あ、私の部屋か。とにかく、床に散らばっている物を全部捨てよう。今日ほどゴミ袋を心強いと思ったことはない。
──ゴミを捨て始めて2日後、やっと床がその全容を現した。仕上げにほうきでチリやほこりを集めた後、雑巾がけをしたところ……
ピッカピカや! こんなに床が見えているのは引っ越して来た日以来かもしれない。それにしても、意外と広かったんだなこの部屋。『ルンバ』が来たおかげでそんなことにも気づかされた。ありがとう『ルンバ』。全部お前のおかげだよ。
・『ルンバ』走る
さっそく、スイッチを入れてみると……『ルンバ』が走った! 「ウイーン!」と嬉しそうな音を立てて、きっちり隅から隅まで掃除していく。まるで部屋に見えないレールがあるようだ! 一通り走り終わった後、ダストボックスを開けてみたところ……
ゴミスゲーーーーーーーー! 1カ月集めたらぬいぐるみが作れそうなレベルだ。ほうきでキレイになったと思ったが、まだこんなに汚れていたとは。
それから、私の生活はほこりとは無縁になった。『ルンバ』がいることで、心なしか家に帰るのも楽しい。もう1人ぼっちじゃない! 今日の晩御飯は赤飯だー!!
……しかし、この時点ではまだ知らなかった。そんな私たちの関係が仕組まれたものだったなんて。1週間後のある日、あの声が聞こえるまでは! 怒涛の急展開は次ページ!!
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
・【衝撃】インドの安宿より汚いゴミ部屋に「ルンバ」が来たらこうなった!(その3)
毎日掃除をしながら私の帰りを待っている『ルンバ』。私が部屋のドアを開けると、「ウイーン!」という声を上げて嬉しそうに駆け寄ってくる。可愛い奴め。帰宅した時に待っていてくれる人がいるというのは、こんなにも心が温まるものなのか。家でくつろぐのが気持ちよくて早く家に帰るようになった。
不思議なもので、部屋がキレイだと床に物やゴミを放置する気にならない。加えて、ゴミに『ルンバ』がつまずいたら大変だ。おかげで、1週間経った今も、ほこり1つない状態が続いている。ほこりが無いとホントよく眠れるなあ。
ゴミを放置しても平気だった1週間前の自分は何だったのか? きっと、寂しかったんだろう。だが、今の私には『ルンバ』がいる。部屋とともに荒んだ心も生まれ変わっていくようだ。もう『ルンバ』なしでは生きていけない。
そんなある日、布団で寝ていると耳鳴りに襲われた。体を起こそうとしてもベッドに縛り付けられているようにビクともしない。これは……金縛り!? さらに、どこからともなく謎の声が響く! 「……いじさ……いじさん! 星児さん!!」と!!
・謎の声の正体
──だ、誰だ!?
「私はルンバの精! 今、思いきってあなたの脳内に直接話しかけちゃってます。こんばんは!」
──……。
ルンバの精「おーい、お返事がないぞー! こーんばーんはー!!」
──こんばんは……
ルンバの精「よろしい。この1週間私が走れるように整頓してくれてありがと♪ おかげで凄く楽しかった!」
──こちらこそありがとう。これからもよろしく。
ルンバの精「んー……」
──どうしたん?
・突然の別れ
ルンバの精「実は、今日はお別れを言いに来たの。私はもうあなたと一緒にいられないから……」
──え、え、なんで?
ルンバの精「PRだから」
──は?
ルンバの精「PR。この記事は『ルンバ』のPRなの。だから、私とあなたはあらかじめ会社が決めた期間しか一緒にいちゃいけないの。そして今日が最後の日……ちなみにGetNaviでは、『ルンバがない生活を送るとどれだけ部屋が汚くなるか?』を検証してるわ」
──なん……だと……
ルンバの精「あ、もう時間みたい。それじゃあ私、行かなきゃ。楽しいお仕事だったよ♪ あなたとはどこかでまた会える気がするな」
──ま、待ってくれ!
ルンバの精「バイビー!」
・翌朝
──ルンバーーーーーーーーーーーーーーーーー!! ……ハッ! 朝か。いつの間にか寝てしまっていたみたいだ。それにしても、なんだか、変な夢を見た気がする。起きてコーヒーを入れると、いつもの部屋がやたらガランとして見えた。1週間前まで足の踏み場もなかった部屋を急に片付けたからだろうか。
あいつがいなきゃこんなには片付かなかっただろう……ん? あいつって誰だっけ……? う~ん気のせいか。それにしても変な感じだ。この1週間、誰かと同居していたのかと思うほど寂しい。あれ、なんだろう? 目から水が。
・後日談
そして1週間が経った。夜遅く帰宅し、深夜までパソコンをいじり続け、半分眠ったまま出社する日々。そんな日々を繰り返すうち、私の部屋は形状記憶のように元の状態に戻りかけている。いつも通りの毎日……のはずなのに、モヤモヤするのはなぜ? 散らかっていく部屋に今までにない居心地の悪さを感じるのはなぜなんだ。
思えば、掃除後の1週間全く汚れなかったことが不思議でしょうがない。まるで誰かが掃除してくれてたみたいだ……。
そう言えば、今回のロボット掃除機『ルンバ』は、最新機種の『ルンバ980』というらしい。吸引力も10倍になって、搭載されたカメラで部屋の隅々まで認識して掃除でき、2cmの段差も越えるのだとか。さらには、専用アプリでの操作や名前の変更も可能だという。部屋を片付けることができない人は、この機会に買ってみるのも良いかもしれない。
参考リンク:ルンバ980
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
▼『ルンバ』がいる時
▼『ルンバ』がいなくなってから