時々、私(佐藤)は自分のことを「天才ではないのか?」と、自ら問いかけたくなる。というのも、誰も思いつかない斬新な発想にたどり着くことがよくあるからだ。たとえば、近年でいえば、「エアコンを着る」という発想。まさしく天才的な発想と言わざるを得ないだろう。
関東地方に台風が直撃しているそのさなかに、私はヒラめいた! 傘を進化させる方法を。それは、「傘を持つ」というわずらわしさから、完全に解放される超画期的な手段である。
・肩ブレラを使用
用いるのは折り畳み傘と、傘用のホルダー「肩ブレラ」だ。肩ブレラは本来、傘の柄を持たずに、肩に固定する器具である。
これでも十分に便利なのだが、肩に固定するため、結局手を取られていることには変わりない。さらにその上を行く発想をヒラめいたのだ。ちなみに肩ブレラは、折り畳み傘以外を固定することはできない。しかも、柄の取れないタイプの折り畳み傘でもダメなので、注意して欲しい。
・ジョイントはしっかり締める
さて、傘と肩ブレラを合体させたら準備完了だ。ジョイント部分の締め付けが甘いと、グラグラするので気を付けよう。
そして、ここからが真の進化系アプローチだ。まず傘を開いたら……。
それを頭に乗せる! 肩ブレラを円形にして、帽子のように被ってしまうのだ。すると、どうだろう……。
完全に手ぶら! パーフェクトに手ぶら!! 傘の束縛から完ぺきに両手が解放されているじゃないか! 素晴らしい!! 素晴らしいぞ、天才的発想だ!
・なぜ傘は進化しなかったのか?
人類は長らく雨と戦い続けてきた。恵みの雨は外出を阻み、場合によっては行動を激しく制限する。それにもかかわらず、傘は進化してこなかった。インターネットやスマホの普及で、どこにも出かけずに買い物ができるというのに、傘だけはまったく前へと進んでこなかったのだ!
なぜだ! 天候を操ることまでは望まない。しかし、せめて雨具が一歩でも二歩でも前進していいじゃないか! たとえ宇宙へと人類が飛び立とうとも、傘さえも進化できずに何がテクノロジーだ!! 何がサイエンスだ!!
しかし……、それももう昨日までのことだ。たった1人の天才により、傘の歴史は劇的に変わることになるだろう。その天才とは……、私だ。私の起こした革命はまさに金メダル級! オリンピック閉会式に出席してもおかしくないレベルである! 私はこれを『KASA』と名付けたい!!
・唯一の弱点
だが、この天才の発想にもひとつだけ弱点がある。強風に耐えられるかどうか……。ためしに進化系傘を装着して、全力疾走してみたところ……。
10メートルも走らないうちに、外れてしまった。
いずれにしても、この発明が傘の進化に大きく貢献したのは間違いない。この先の進化は、次世代に任せるとしよう。次なる天才よ、後は頼んだぞ……。
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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