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どんな事情があっても「ペットを捨ててはいけない」と痛感するメモ

2016年5月13日

ペットだって愛する家族。きっと多くの人が胸を張って、そう言うだろう。しかし中には、動物たちの命を最後まで面倒見ることが出来ない、あるいは見ない人々も存在する。その背景には、人それぞれの事情があるのかもしれない。

けれども、決してペットを捨ててはならない。今回は、そのことがよく分かる出来事をお伝えしたい。

・保護施設の前に残されていた空き箱とメモ

2016年4月中旬、米コネチカット州の動物保護団体「The Little Guild」で起こった出来事だ。ある朝、ボランティアが施設の前に置かれた段ボール箱に気が付いた。でも中は空っぽで、10ドル札とエサ、1枚のメモが入っているだけだったそうだ。メモには、次のようなことが書かれていたという。

「この猫は、バルという名前です。こんなふうにしてこの子を置いていくことを、本当に本当に申し訳なく思います。私たちは、もうバルの面倒を見ることは出来ません。バルの飼い主は突然亡くなってしまい、私が面倒を見ていました。でも、もう限界なんです」

その後には、せめてもの気持ちとしてお金とエサを残していくと続いている。とてもひっ迫しており、箱を置いていった人物の気持ちが痛々しく伝わってくる。しかし、そこに猫はいない。ひっかき傷と共に箱が壊れていたことから、無理矢理逃げ出した可能性が高いと見られている。

・バルを探すも、発見できず

団体はすぐにバルの捜索を開始。周辺に捕獲機を仕掛け、近隣住民にも協力を仰いだそう。だがバルの見た目などが全く分からないので、団体側も「探しようがない」と途方に暮れている様子だ。

団体は空き箱とメモの写真を Facebook 上で公開し、捨てていった人物に対して、バルの情報を提供するように呼びかけている。また同時に「どんな事情があっても、動物の遺棄は犯罪だ」とも訴えている。4月29日の時点では、まだバルは発見されていないという。

・「幸せになって」と捨てても……

「幸せになってほしい」と願ってペットを捨てたとしても、このような悲劇は起こる。事情があって手放さなければならない場合でも、関わった以上、ちゃんとした手順を踏んで責任を取ることが大切なようだ。

この件を報じた海外メディア『The Dodo』も、「諦める前にあらゆる手を尽くしてほしい」と述べている。

・自分が倒れたとき、ペットはどうなる?

また今回のケースの「飼い主が亡くなり、残されたペットのお世話をしていた人も限界に達してしまった」という部分も、無視することは出来ない。日本でも高齢者の飼い主が亡くなった後に、引き取り手のない犬や猫が取り残されるケースが増えていると聞くからだ。

人生は突然どうなるか分からないし、誰だっていつかはこの世を去る。そのとき自分の飼っている動物がどうなるか、誰もがじっくり考える必要があるのではないだろうか?

参照元:The Dodo(英語)、Facebook[1][2]Yomiuri Online
執筆:小千谷サチ

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