野球ファンが待ちに待ったプロ野球ペナントレースが、2016年3月25日に開幕する。これまでパ・リーグを中心に今シーズンの展望をお知らせしてきたが、今回からはセ・リーグにも目を向けたい。その第1弾として、昨年5位に終わった中日ドラゴンズをお届けしよう。
・暗黒時代突入?
山本昌・谷繁・和田・小笠原など、長くチームを支えたベテラン勢が引退し、若返り真っ最中の中日ドラゴンズ。昨シーズンは4月こそ調子が良かったものの、5月以降は借金生活に突入し、そのまま5位でフィニッシュとなった。中日ファンが「暗黒時代」と嘆くのも頷ける。
投手陣は何といってもエース吉見の離脱が痛かった。今季は開幕から計算できそうだが、シーズンフル稼働というわけにはいかなそうだ。吉見がどれくらいの頻度で投げられるのか? 吉見の復活がそのままチーム成績に直結するだけにファンは気になるところだろう。
・吉見と浅尾の復活待ち
吉見に次ぐのが大野と若松。大野はある程度の計算ができそうだが、若松はプロ2年目ということもあり相手チームもかなり対策を練ってくるに違いない。山井や八木などのベテランと、助っ人のバルデスやネイラーが、若松の負担を軽くしたいところだ。
リリーフ陣も盤石とは言い難い。岡田・又吉・田島あたりは頑張っているが、流れを一気に引き戻す、もしくは食い止められるような絶対的存在にはなっていない。怪我の影響で厳しいかもしれないが、浅尾がかつての輝きを取り戻せれば勝利の方程式も出来てくるだろう。
・平田と高橋周が本格化しないとヤバい
野手も投手陣と同じく課題が多い。本来であれば、今頃球界を代表するバッターになっているハズの選手たちが、ことごとく本格化していないのは深刻だ。特に平田と高橋周の2人の責任は重く、この2人はレギュラーを取るレベルではなくタイトル争いに食い込まなくてはならない。
さらにいえば、福田・遠藤・亀沢あたりの中堅たちから、確固たるレギュラーが出てきていないのが問題だ。平田や高橋周を含む中堅たちが、森野・荒木・藤井などのベテラン勢を追い出すくらいのブレイクをしないと、暗黒時代に終止符は打たれないだろう。
・中堅たちの覚醒に期待
また、谷繁が抜けた後の正捕手争いも、しばらく時間がかかりそう。杉山がマスクを被る機会が多くなりそうだが、桂やルーキーの木下にもチャンスは十分にある。とはいえ、誰も決め手に欠けるから、監督は頭を悩ませそうだ。
結論からいうと、今シーズンも厳しい戦いを強いられそうな中日ドラゴンズ。投手と野手両方に、核となる選手がいないのが現状だ。ルーキーや新外国人に期待するのもいいが、上位進出には中堅たちの覚醒と、吉見・浅尾の復活が必須である。
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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