池袋北口のとある名もなき道路際に、その名も「池袋北口路上美術館」という屋外アート空間がある。
ゴミ処理場に続く殺風景な歩道の壁にそって、豊島区の美しい桜を撮影したアマチュアカメラマンの優秀作品が「さくらフォトコンテスト入選作品」として、これでもか!と展示されているのだ。
私も心に傷を負うたび、つい見に行ってしまう癒やしのパワースポットなのだが、ずらり並んだ、思わずほっこりしてしまう美しい作品の数々──。それらに紛れて約一枚、色々な意味でおっかない作品が吊るされていたのだった!
・あなたの知らないブクロのトワイライト・ゾーン!
どんより曇った冬の午後、ギラギラと輝くネオン街の片隅に立ち、路上美術館のパネルを見上げる。
「桜花爛漫」「桜花爛々」「見守る駒桜」──。華々しいタイトルのついたサクラ写真に続き、突然ふと現れた一枚の異色作に、私は思わず息を飲んだ。
黒目がちな少年が、桜をバックにレンズに向かって妖しく微笑んでいるその写真。ところがである。少年の輪郭はなぜか半透明。心霊写真としか言いようのない、何とも言えぬ不穏な一枚。題して「呪怨」……。
・写真を取り替える予算に困っているらしかった
背筋がぞわぞわするこの作品、なんと「小・中学生の部・審査委員長特別賞」を受賞したものらしい。石原君おめでとう! こんなタイトルつけて応募する君の才能も凄いけど「見守る駒桜」の横にこれを配しちゃう主催者側も大した度量だ!
とはいえ、季節外れのこのサクラ写真、なんだかずいぶん前からあるような気もする。主催団体に電話で確認したところ,
「ああ、ずっと前からあのままですよ。できれば毎年取り替えたいんですけど予算が……ねえ。いつまで展示するかって? 分からないけど、当分同じじゃないですかねえ」
とのこと。皆さんも池袋に行くさいは、北口で「呪怨」を見るべし!
Report : クーロン黒沢
Photo : Rocketnews24.
▼池袋北口の殺風景な線路際の小径
▼人通りもまばらだが、そんな通りの壁をよく見ると……
▼ふむむ、こんな真冬にさくらフォトコンテストとは!
▼ほう、これはこれは
▼美しい。いや実に美しい!
▼ん? これは……
▼宜保先生! 宜保先生!
▼ひゃっ、ヒャァァァァァッ!