CDが売れなくなったと言われるこんな時代。テレビに出ていないからイマイチ一般の人まで知れ渡っていないが、実は日本武道館クラスのライブを超満員にしていたり、チケット入手が超困難なアーティストはいくらでもいる。今回ご紹介したい「レキシ」もまさにそうである。
特大のアフロヘアに妙にデカいサングラス、若干怪しい小太り型のボーカルが「縄文土器 弥生土器 どっちが好き?」なんて歌っていたら、「ふざけてる!」 と思う人も多いだろう。かく言う筆者も最初はただ「ウケる!」 としか思っていなかったのだが……。今ではレキシの良さを布教しながら全国行脚したいくらい、レキシにドハマりしているのだ。
・レキシが最高な理由
レキシは池田貴史(いけだ たかふみ)によるソロユニットである。それまではSUPER BUTTER DOGのキーボードを担当していたが、レキシとしては2007年にデビュー、これまで4枚のアルバムをリリースしているぞ。
2014年には日本武道館ライブを超満員にし、各地のフェスに引っ張りだこのレキシなのだが、その魅力はとても一言では表し切れない。それでもあえて絞り込むと「歌」と「ライブ」が最強にして最高! しかもオリジナリティがあふれ過ぎてて、同じジャンルがいない唯一無二の存在といえる。
・歌が最高
具体的に説明していこう。まず歌だが、レキシの歌詞は全て歴史にまつわる歌詞である。『狩りから稲作へ』『キラキラ武士』『墾田永年私財法』『年貢 for you』……などなど、「お堅い」とも「ふざけてる!」 とも取れる曲しか発表していない。
代表曲である『狩りから稲作へ』は、先述した「縄文土器 弥生土器 どっちが好き?」から始まる曲で、そのフレーズを聞いただけでは「完全にコミックバンドじゃん」と思ってしまうだろう。だがしかし……。これが違うのだ。結論から言うと、この曲は壮大な愛のストーリーである。
詳しくは動画を確認してほしいが、ざっくり言うと「縄文土器 =男」「弥生土器 =女」で、それまで狩猟に明け暮れていた男が、好きな女のために移住と狩りを捨て、1つの土地に定住する曲。レキシの曲は一見ふざけているのだが、聞けば聞くほど歴史の重みが加わり、「なんかこれメチャメチャいいこと言ってんじゃねーの?」と思えてくる不思議な魅力があるのだ。
・ライブが最高
次にライブだが、とにかくMCが抜群に面白い。純粋なMCの面白さは、マキシマムザホルモンと双璧だろう。そして脱線しまくるライブパフォーマンスが最高! レキシは通常のアーティストが6~7曲披露するところ、3曲ほどしか演奏しない。
なぜならMCが長めなこともあるが、歌う曲がイチイチ長くなるからだ。レキシは間奏の際、みんながよく知っているアーティストの曲をバリバリねじ込んでくる。気付けばごくごく自然に、安室奈美恵の『CAN YOU CELEBRATE?』やSEKAI NO OWARIの『Dragon Night』になっているのだ。ライブを経験しないとわからないだろうが、コレが超面白い。
しかも池ちゃん(池田貴史の愛称)は、他人の曲を自由に歌い始める。そして、それに瞬時に合わせるサポートメンバーたちのテクがハンパない! 毎回がある意味のゲリラライブであり、マジで予測不能な空間が待ち受けているのだ。
・マジで1回聴いてくれ!
長々と語ってしまったが、とにかく1度でいいから曲を聴いてほしい。ちなみに、椎名林檎・斉藤和義・サンボマスター・秦基博・持田香織……など、多くのアーティストとコラボしているから、そこから攻めていくのもアリだ。「知らないヤツはマジで損してる!」 と声を大にして言いたい、超絶オススメアーティスト・レキシ。本当に1回聴いてくれ!!
参照元:レキシオフィシャルサイト 、 Twitter @ekechang
執筆:P.K.サンジュン
▼『年貢 for you』は、秦基博、いとうせいこうとコラボ。
▼その他にも名曲ぞろいのレキシを見逃すな!
まもなく♪ pic.twitter.com/ZbCDPZUBAm
— レキシ 池田貴史 (@ekechang) May 24, 2015