2015年6月1日21時30分頃、中国湖北省を流れる長江(揚子江)で起きた客船沈没事故。この事故で海に投げ出された450名以上の大半は、依然として行方不明のままだ。
現在、必死の救助と事故原因の究明が急がれているなか、事故直前の船の様子をとらえた映像が存在することがわかった。
・監視カメラの映像
今回、映像を公開したのは水運会社「江蘇物潤船聯公司」だ。映像は監視カメラがとらえたもので、撮影された時間は6月1日20時50分頃である。
映像には、甲板と船外の様子が映し出されているが、画面向かって左上をご覧いただきたい。撮影している船から100メートルほど先に、4階建ての客船が走る様子が映っているのだ。当日の航路から、専門家はこの船こそ「東方之星」であると指摘している。
・事故発生40分前の映像か
「東方之星」が監視システムから消息を絶ったのは6月1日21時28分49秒。カメラの映像は同日20時50分頃。ちょうど事故が発生する40分前の映像ということになる。
映像がモノクロなので断言はできないが、ときどき雷のような強い閃光が走っている。また風も強く、雨粒のようなものが飛ぶ光景も確認できる。「東方之星」は突然起きた竜巻によって転覆したという説もあるが、やはり原因は天候なのだろうか。
・大きな前触れなく沈没か?
この映像がとらえた “最後の姿” に、大きな異常は感じられない。また救助された乗客の証言からも、転覆から沈没までかなり短い時間であったことが見てとれる。
事故翌日の6月2日には、李克強首相も現場入りし、現在必死の救助活動が行われている。一人でも多くの人命が助かることを祈ると共に、事故原因の究明が待たれるところである。