日本のマムシを漬け込んだマムシ酒や、メキシコの虫が入ったテキーラ、メスカルなど、世界には生物を入れて作った酒が存在する。そんななか、イギリスでアリのエキスが入ったジンが登場し、大きな話題を呼んでいる。
筆者はマムシ酒やメスカルも飲んだことはないが、アリが入ったジンの味はなんとなく想像がつく。というのも田舎育ちなため、子供の頃ふざけてアリを食べたことがあるのだが、意外に「マズくない!」と驚いた記憶があるからだ。それでは、シトラス風味でメチャウマだという、アリのエキスと共に蒸留されたジンについて紹介したい。
・アリのエキスが入った「Anty Gin」が登場!!
アリのエキスがたっぷり入ったジンの名は、ズバリ「Anty Gin:アンティー・ジン」。Antは英語で “アリ” を意味するため、そのまんまのネーミングである。英ケント州の森で捕ったヨーロッパヤマアカアリを使用したジンは、ケンブリッジ蒸留酒製造所とデンマークの「Nordic Food Lab:ノルディック・フードラボ」のコラボによって生み出された。
・蟻酸とアルコールが混ざるとシトラス風味に!
アリは敵を攻撃する時に腹から蟻酸(ぎさん)を発射するが、この蟻酸がアルコールと混ざると、シトラスのような香りを発するという。さらに、そこへアリが分泌するフェロモンが加わると、独特の旨みが生まれるとのことで、Anty Ginを試飲した人は「レモンやグレープフルーツのような柑橘類系の味がする」との感想を述べている。
・50ミリリットルで3万6000円!!
さてAnty Ginの作り方だが、森で捕まえた6000匹のアリをアルコールに入れ蒸留させ、ブルガリア産西洋ネズやイラクサから抽出した香料成分を加えで出来上がり! アリも含めて100パーセント天然の素材で作られているというから、かなり本格的である。
そして、62匹のアリがボトルに入った50ミリリットルのジンは、お値段300ドル(約3万6000円)!! 50ミリリットルでこの価格はかなり高額だが、99本のみの限定生産ということなので、興味があるという人は飲んでみる価値があるかもしれない。
海外のサバイバル番組で、アリを食べて栄養分を補っているシーンを見たことがあるが、アリだけでなく多くの昆虫は高タンパクであることが知られている。マムシ酒も精力剤として飲まれているだけに、AntyGinの効果も案外あなどれないのではないだろうか。
参照元:Twitter @antygin、The Daily Meal、The Cambridge Distillery(英語)
執筆:Nekolas
▼アリのエキスが入った「Anty Gin」はこちら!
Anty Gin bottle no. 1 fronting! Dressed up, posing for a press photo! pic.twitter.com/24owkaQHS5
— Anty Gin (@antygin) March 6, 2015