1981年以来、日本人最大の死因である、がん。昔に比べ「治らない病気ではない」という話も聞くが、いまだに特効薬は開発されていない。最悪の場合は生命までも奪っていく恐ろしい病気で、毎年80万人近くの人が、新たにがんと診断されているという。
そんな、がん患者の生存率を高める目的で2016年1月から運用開始される『全国がん登録』をご存じだろうか? 詳細は後述するが、全国がん登録PRキャンペーンサイトにアップされている動画が、あまりにも感動的なのでご紹介したい。
・『全国がん登録』とは
まずは『全国がん登録』について説明しよう。全国がん登録は、これまで都道府県がそれぞれの自治体内で集めていた がん患者のデータを、2016年1月から国のデータベースで一元管理するシステムのこと。これにより他県に移動した場合などに、より正しい情報で素早い治療が可能になるという。
今回ご紹介したいのは『全国がん登録』をPRするために開設された、キャンペーンサイトにアップされている動画である。その内容は「がん患者が家族や知人に感謝の気持ちをサプライズで伝える」というものだ。
・動画制作のきっかけ
制作のきっかけは、がん患者の多くが「闘病中に支えてくれている家族や知人に、上手に感謝を伝えられぬまま過ごしている」という話を、国立がんセンターの職員が耳にしたことだという。それならばと、がん患者と職員で企画されたのが、映画館でのサプライズである。
映画鑑賞のつもりで連れ出された がん患者の家族や知人たちだが、上映されるのは映画ではなく「がん患者からの感謝のメッセージ」という、シンプルといえばシンプルなサプライズであるが、これが涙なしには見られないほど感動的なのだ。詳しくは動画を確認してほしい。
・「自分だけは大丈夫」と思わないこと
私事で恐縮だが、筆者は母をガンで亡くしている。がんを患った母は基本的には穏やかであったが、いつもどこかで「家族に迷惑をかけている自分」に苛立っていた。「ありがとう」と言いつつも「ありがとうしか言えない自分」にも、不甲斐なさや やり切れなさを感じていたんだろうな、と今では思う。
がんは早期発見できれば、治らない病気ではない。「自分だけは大丈夫」と思わずに、定期的な健診をオススメしたい。また、がん患者の家族は『全国がん登録』を覚えておいて損はないだろう。
参照元:YouTube 、 全国がん登録PRキャンペーンサイト「サンキューバトン」
執筆:P.K.サンジュン