2月14日とは何の日か。それは、ふんどしの日であり、かつ第1回箱根駅伝が開催された日で、さらに将棋棋士の羽生善治名人が史上初の七冠独占を達成した記念すべき日。断じて男女がくんずほぐれる日ではないことは、読者諸兄姉なら当然ご存知のことだろう。
しかし、だがしかし!! 現実には、バレンタインという名のもとにキャッキャウフフとする風潮もあり、全くもってけしからん!
そんなけしからん風習を見直すべく日本でも「うまい棒買占め大作戦」が展開されたが、お隣・中国のバレンタイン破壊工作はかなり大掛かりであった。なんとネットユーザーが力を合わせて映画館の奇数番号シートをみんなで買占め! 映画館デートを阻止しようというのだ。
・奇数席を買い占めてデートを阻止せよ!
ことの発端は、2014年のバレンタインデー直前。彼女なしの自称オタクの中国青年が、 クラウドファウンディングサイトで “カップルしねしね団” を名乗り、 “映画館の奇数番号席を買い占めて、隣同士で座れないようにしよう” とで呼びかけたのがきっかけだ。
その結果、ネット上でアツい注目を浴び、上海のオシャレタウンにある映画館のゴールデンタイムな上映回の「奇数番号席」を買い占めることに成功。イチャイチャと映画を見るというデートプランを見事に阻止したという話だ。
ネットの海に散らばったネットユーザーが、「バレンタインを破壊」というひとつの目的のために集結したのである。まるで梁山泊に集結した『水滸伝』の英雄のようではないか! 実にアツいと伝説になったわけだが、その活動が2015年もポツポツ発動したようである。
・2015年も各地で募集
2015年の「奇数番号席買占め大作戦」は、昨年ほどの規模ではないものの、すでに募集がかかっている。単純に買占めを呼びかけるものから、たとえば山東省で募集されているものを見ると資金を集めてチケットを買占め、さらに余ったら福祉関係に寄付をするという心意気を見せている。お前らいい奴すぎだろ……っ!?
これらの大作戦について中国ネットユーザーはどう思っているのだろうか。ネット上には以下のようなコメントをしている。
・中国ネットユーザーの声
「すばらしいじゃないか」
「私も参加したい」
「病気かよ、気にしすぎ」
「恋人なしは外に出るべきじゃないと思う。つらすぎ」
「私は面白いと思うけど……」
「今年はどこで募集してるの?」
「お前らは映画館を押さえろ。俺はホテルを押さえる」
・新たな出会いが期待できるという声も
カップルには迷惑な話かもしれないが、この活動はただの嫌がらせではない。中国メディアやネットユーザーからは「新たな出会いが期待できるかも」という声も見受けられるのだ。
そう、実際に映画館に行けば恋人のいない男女がうじゃうじゃいるはず。しかも、集まったのは志を同じくした同志じゃないか。もう一人じゃない。多くを語らずとも、互いの心はわかっているだろう。もしかしたら新しい友達ができるかもしれないし、うまくすればカップル成立なんて展開が待っているかもしれないというのだ!
な……なるほど! まさに一石二鳥というわけですな!! 果たして今年もラブラブカップルの映画デートを阻止できるのか? 気になるところである。
参照元:蕭内網、新華網、博山ba(中国語)
執筆:沢井メグ
Photo:Rocketnews24