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Twitterに投稿された1枚の画像が紡ぎだした心温まる物語 / 亡き妻の面影と食事をする老人

2014年11月5日

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何気ない日常には、思いも寄らないドラマが隠されている。見慣れた景色によく目を凝らしてみると、意外な発見や心を揺り動かされるような感動が潜んでいるかもしれない。

・亡き妻の面影

2014年10月のある日のことだ。海外のネットユーザーがファストフード店で発見したある日常のドラマを、Twitterに投稿し大きな話題となった。彼女が投稿した画像には、1人の老人の姿がある。彼が食事をするテーブルの上には1枚の古い写真。彼は亡き妻の面影を見ながら食事していたのである。

・妻とともに

老人の姿を発見したTwitterユーザー Madi Bash(@Maaadina)さんは、驚きとともに彼が亡き妻と食事をしていることをすぐに悟り、そのことをTwitterに画像つきで投稿した。そうしたところ瞬く間にネット上で話題となり、拡散される事態となった。

・話しかけられなかった

しかし彼女は老人に話かけることができなかったそうだ。妻の面影と静かに対話するその様子を割って入るのが忍びなく、近づくことさえもできなかったという。彼女と同席した友人は話しかけることを望んでいたようなのだが、結局断念したのである。

・17歳で出会い戦争で離れ離れに

実は画像共有サービス「imgur」のユーザーが、老人に話しかけており、彼と妻の物語について詳細に紹介している。その内容によると、ふたりが初めて出会ったのはお互いが17歳の時だった。

出会った頃、何度かのデートを重ねていたそうだが、戦争によりふたりは離れ離れになってしまう。彼は出征し、彼女は家族とともに引っ越しを余儀なくされ、ふたりのつながりは完全に断たれてしまったのだ。

・10年の歳月

そして彼は戦地から帰ってくることとなる。しかし彼女と再び会う術は何もなかった。それから彼女を探す決意をして、10年もの歳月が過ぎていく。恋人を作ることなく、結婚をしようとしない彼のことを、周りは「おかしなヤツだ」と話していたそうだ。そういわれる度に彼は自らを、「恋に落ちてる」と説明したという。

・カリフォルニアの床屋で奇跡

終わりの見えない捜索の時間が続くなか、カリフォルニアに旅に出かけた時に、思わぬ事態が起きる。とある床屋で、10年の歳月をかけて生き別れた女性を探していると主人に話したところ、その主人は電話で娘を呼び出したのである。

呼び出された娘こそ、彼が探していた人物であった。こうしてふたりは再会をはたした。実は彼女も彼のことを探し続けており、その間に新たな出会いを求めることもなかったそうだ。

・誕生日、記念日、おやすみのキス

それから55年もの間ふたりは連れ添い生きてきた。その彼女を5年前に亡くして、彼はどこに行くのにも妻の写真を携えているという。彼はいまだに妻の誕生日とふたりの記念日をお祝いし続けているそうだ。おやすみのキスも欠かしていない。この画像を紹介した投稿者は、老人の言葉を次のように紹介している。

・老人の言葉

「私はとても豊かな人生を送った。お金ではなく、豊かな愛情を育んだ」
「私は妻と一度も口論をしたことがない。しかし数多くの意見をかわした」
「人々はロウソクのようだ。いつ何時でも、微風によってかき消されてしまう。だからその灯火がある間に、光をいつくしむんだ」
「奥さんには、毎日『愛している』と伝えるべきだ。そして奥さんに『最近愛してるって言ったかな?』と尋ねなさい」

・話をしよう

老人の言葉を伝えた投稿者は、最後にこうアドバイスをして結んでいる「高齢者と話をしよう、特に見知らぬ人と。話をすることで彼らの重ねてきた月日に光をもたらすことができると考えるかもしれない。しかし実際は、話をすることによって自分の人生に輝かしいものがあると気づき、驚かされるだろう」。

何気ない日常から切り取られた1枚の画像は、多くの人の心を揺り動かすエピソードを紡ぎだした。見慣れた景色のなかに、いくつものドラマが潜んでいる。そのことを実感させる心温まる物語である。

参照元:ODDITYCENTRALTODAY.com、Twitter @MaaadinaImgur(英語)
執筆:佐藤英典

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