ある価値観の人にとっては「命より大切なこと」でも、別の価値観の人にとっては「1ミリも役に立たない」。この人間社会においてよくあることだ。
だが、その価値観の違いが悲劇を生んだと話題になっている。それは、節約マニアのおばあちゃんが「水道代や水がもったいないから」と、孫が飼っていた観賞魚を食べてしまったというのである。
・魚好きの孫と節約マニアのおばあちゃん
事件が起きたのは、雲南省昆明である。王さんの趣味は魚の飼育。家にはたくさんの水槽の中に、これまたたくさんの魚が飼われていた。かなり大きく成長したものもあったそうだ。
王さんはそれで幸せだったのだろう。しかし、節約大好きな彼の祖母はそうではなかった。数日に一度水を替えなければいけない魚を見て、「もったいない」と常々感じていたという。
・孫が海外へ → その隙に煮魚に
とはいえ、孫が可愛くてしょうがないおばあちゃんは、観賞魚問題に手出しができなかったようだ。だがしかし!! 転機は訪れた。孫が外国に、さらに孫の父親、つまり息子も出張に行くことに。ダブルで留守になるという機会が訪れたのだ。
かねてから「魚を飼うのは水の無駄遣い」と感じていたおばあちゃんは、2人がいない間に、なんと観賞魚を煮魚にして食べてしまったのである!!
・おばあちゃん「魚は食感が良く美味」
それに気づいたのは、つまり王さんの父親、おばあちゃんの息子である。彼が出張から戻ると息子が大切にしていた魚がいない。そこでおばあちゃんに聞いたところ……食べてしまったことを告白したのだ!
しかも、「身は少し硬かったが、食感がよく美味」さらに「環境を守らないといけないからね」という旨を話したというのである。
・息子がメディアに助けを求めてニュースに
よく美しい虫や魚には毒があると言われている。観賞用の魚も鮮やかな色と模様のものが多い。
「観賞用の魚にも毒があるかもしれない」、そう心配した彼はメディアのホットラインに「母が観賞用の魚を煮て食べてしまいました。有毒ではないでしょうか」と助けを求めたそうだ。そしてニュースにまでなってしまったという。
・食べちゃった魚は「紅龍」?
幸い、おばあちゃんは中毒症状などを起こすことはなかったもよう。食べた魚についてインターネットの掲示板では「紅龍(こうりゅう)」という赤い魚ではないか、とささやかれている。日本語だと「アジアアロワナ」。中国では色も縁起が良く、龍に姿が似ているとされているため、愛好家が多いそうだ。
参照元:liba.com、雲南網(中国語)
執筆:沢井メグ
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