「氣志團(きしだん)」の曲で『One Night Carnival』(ワンナイトカーニバル)しか思い出せない人は多いのではないだろうか? いわゆる “一発屋” だと思っている人もいるはずだ。しかし2014年9月には5万人規模の野外フェス「氣志團万博2014」を3日間開催するなど、ブレイクから10年以上経った今でも精力的に活動している。
一体なぜ、こんなに人気があるのだろう? ということで、つい先日の5月下旬に赤坂ブリッツで行われた「サンボマスター」との対バンライブ開始前のファンたちに氣志團の魅力を聞いてから、その後実際にライブに参加してみたぞ!
・ファンを魅了する “漢(おとこ)っぷり” はロック魂を揺さぶるのか!?
さっそく話を聞いてみると、さすがにファンなだけあって熱い! 「かっこいい」「可愛い」「カリスマがある」「MCが面白い」などの意見の最後に、多くの人が「漢(おとこ)なんですよ、漢」と口にしていた。なるほど、どうやらその漢っぷりに惚れぬいているということか。
そしてあるファンが「コミックバンドっぽく見えるかもしれないけどロックなんです!」と言っていたのがとても気になった。よし、ライブで確かめてみようじゃないか……! ゴリゴリの熱いロック好きであるサンボマスターファンの私(筆者)に、彼らの “ロック魂” は響くのか!?
・抜群のMCセンス! おもてなしの気持ちが溢れていた!!
いざライブが始まり感じたのは、女性ファンの多さである。会場の外ではわからなかったが、黄色い声援が会場を飛び交っている。そしていわゆる “激しい系” ロックにありがちなモッシュなどはなく、思い思いに曲の振り付けに合わせて踊っている。かつて流行したパラパラを思い出させる光景だ。
そして、MCに割く時間が尋常じゃないくらい長い! それが面白い!! 今までフェスやライブなどで多くのロックバンドを見てきた私だが、ここまで頭の回転の早さを感じさせるMCはそういない。内容もヤンキー系ファッションからは想像出来ないほど低姿勢でわかりやすく “サービス精神とおもてなしの気持ち” が溢れていた! だがしかし……!!
・まさにロック! ロックである!!
肝心の “ロック魂” をイマイチ感じ取れずにライブは終盤へ突入。しかし、代表曲『One Night Carnival』が始まった時に謎は解けた……! 曲の途中にもかかわらず、音楽が止まりMCに突入。ボーカルの綾小路翔(あやのこうじしょう)さんが、こう言った。
「俺たちには『One Night Carnival』しかありません! だから歌って下さい!」と……!
世間から一発屋と見られていることを承知した上で、それを逆にさらけ出す。それはまるで、“傷口を鍛え上げ逆に武器とする昭和の空手家” のようではないか! コンプレックスがない人間などいない。しかしそれを受け入れるだけではなく武器にする姿は、まさにロック! ロックなのである!!
・一見さんにも親切だった。
冒頭で説明した「氣志團万博2014」はフェスなので氣志團単体の集客力ではないが、ざっと15万人を集客するのも納得だ。核になっている彼ら自身に魅力があるからこそ、この規模のイベントを開催できるのであろう。
今回の体験を通して私が感じたのは、氣志團とは「ロック魂を持ちながらサービス精神溢れるおもてなしをするバンド」ということだ。一見さんである私にも、とても親切な夜だった。
参考リンク:氣志團万博2014
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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▼クラブ ワンナイトカーニバルのみなさん。
▼カップルで来ていたお二人。
▼両サイドが氣志團ファン、真ん中がサンボマスターファンのグループ。
▼お姉さんと妹さん。みなさんありがとうございました!