先日、地震予知の研究者が近畿圏で9月6日前後に巨大地震が起きる可能性があると話していると報じられた。マグニチュード7.9以上の地震が起きるかもしれないという前兆を観測したというのである。

だが、直前にならないと、地震が起きるのかどうか判断しづらいとのことだった。続報が待たれるなか、その研究者が観測を続けた結果、今月下旬以前の発生の可能性はないと結論づけたそうだ。

9月6日前後に近畿圏で巨大地震が起きるかもしれないと警告していたのは、山梨県にある­­­­­八ヶ岳南麓天文台・台長の串田嘉男氏だ。串田氏はこれまでに彗星や50個以上の小惑星を発見したアマチュア天文家であり、FM放送の電波を利用した地震予知研究で知られている。

同氏は、8月30日の時点では近畿圏に巨大地震発生の可能性があるとしていた。観測された前兆が9月3日に消滅すれば9月6日前後に地震が起きるという見解を示していたのである。しかし、前兆の消滅・継続は直前にならないと判断が難しいとしており、続報が待たれていた。

その後、9月2日の夕刻の観測結果から、串田氏は9月5~6日前後は地震発生期ではなく、「少なくとも今月下旬以前発生の可能性はない」と判断したというのだ。なお、万が一、状況が変わった場合は、緊急発表をするとしている。

この結果に、ホっと胸をなでおろした人も多いかもしれない。しかし、地震予報の技術が確立されていない以上、地震がいつ起こるかわからない脅威であることに変わりはない。今回、串田氏はこのように判断したが、やはり油断せず、引き続き有事のための備えを十分にしておく必要はあるだろう。

参照元:PHP新書「地震予知」フォローページ (続報No,040、No,041)
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