いまや多くのコンビニやスーパーで、レンジでチンするだけでアツアツの美味しいスパゲッティが作れる「冷凍パスタ」が販売されている。たとえばセブンイレブンなら198円だし、イオンやトップバリュが販売しているものなんて148円だ。しかもバリエーション豊富で味もいいのだから、一人暮らしにはとてもありがたい。
だが、そんな便利な冷凍パスタの陰でヒッソリと売られ続けているのが、「レトルトパスタソース」である。だいたいが1個200円以上の値段で冷凍パスタより高い。非常時はレトルトカレーのほうが使えるし、1人前の分量なので悲しいことに「これって存在価値あるの?」と首をかしげる人もきっと少なくないと思う。
いや、それでも売られ続けているということは、きっとかなり美味しいに違いない! 今回はそんな疑問を解決するべく、スーパーでよく見かけるパスタ用ミートソース4種類をメーカー別に試食。果たして冷凍パスタより美味しいのか調べてみることにしたぞ!
1.大人むけのパスタ 仔牛ときのこのボロネーゼ(ハインツ)
存在価値:アリ
コメント:美味しくて有名なケチャップメーカー『ハインツ』が作るソースなだけに、トマト感の強いものかな? と思ったが、良い意味で期待を大きく裏切られた。口にすると、まずたっぷりと赤ワインを使用したということが分かるぐらい、ワインの香りとコクを感じることができる。
お酒の味が苦手という人はダメかもしれないが、「大人向け」というコンセプトをガッツリと感じられるウマさだ。また、キノコと仔牛肉も具材をしっかり感じられるぐらい入っており申し分ない。好きな人はとことん好き。そんな味である。
2.予約でいっぱいの店のボロネーゼ(S&B)
存在価値:無し
コメント:結論から言うと、「予約でいっぱいの店のボロネーゼ」という名前に完全に味が負けている。正直この味で予約がいっぱいになるわけがないでしょ……落合シェフ監修なのに残念! と思ってしまった。だが、けっしてマズいわけではない。美味しいか美味しくないかで言えば、確実に美味しいのだが……。
なんというか、「無個性」なのである。牛肉のみ使用したり別添でパルメザンチーズが入っているというこだわりは分かるのだが、残念なことに冷凍パスタのソースと比べても味自体は大差無い。250円という値段を考えると、存在価値は残念ながら無いといっていいだろう。
3.青の洞窟 ボロネーゼ(日清フーズ)
存在価値:MAXアリ!
コメント:コレは正直、一口食べてかなりビックリした。冷凍パスタはおろかファミレスのパスタと比べてもバツグンに美味しいのである。まず感じるのは、「入っている肉の量がムチャクチャ多い!」ということだ。冷凍パスタのミートソースと比べると2倍以上は絶対に入っているのではないだろうか? おそらく誰が食べても美味しさに驚くと思う。
そしてそのボリューミーな肉をアシストするのが、ガーリックなどのハーブやスパイス、野菜ダシ(ブロード)がガツンと効いたソース。たっぷりの肉がしつこく感じなくなるほど食欲を増進させる香りとコクはまさにパーフェクト! ホントかよと思う人は、ぜひ一回食べてみて欲しい。そんな味である。美味しゅうございました。
4.MCC ボロニア風ミートソース(MCC食品)
存在価値:無し
コメント:これも「予約でいっぱいの店のボロネーゼ」と同じく、美味しいのだが残念なことに無個性なのである。美味しいのは当たり前。それ以上の付加価値が無いと売れないという過酷な競争をしなければならない時代に、ハインツのようにぐんと大人な味にしたり、青の洞窟のように比類なき美味しさにするということは必要不可欠なのだ。
4つ試食したうち2つ存在価値が無いと言ったが、それでも「普通に美味しい」ソースだ。しかし4つ食べて2つが脱落したことを考えると、「普通に美味しい」以上のものをこの値段で提供するのは、一流のメーカーでもかなり難しいのかもしれない。それを考えると青の洞窟とハインツはスゴいと思います。
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