大阪のソウルフードである「たこ焼き」。おいしく手軽に食べられるため、海外でもよく知られる「日本料理」のひとつでもある。
台湾では現地発祥のたこ焼き屋『日船(Japan boat)』が、たこやき界を席巻しているらしい。しかも、香港、中国大陸にも出店。さらにマレーシアやアメリカにも店を出し、世界的に展開しているというのだ。
そうなると大阪人である記者(私)には気になることがあった。大阪以外のたこ焼きは、たこ焼きではないというケースがあるからだ。台湾のたこ焼きも全く別物で、しかも海外で「これが日本のたこ焼き」と勘違いされているかもしれない。不安になったので早速行ってみた。
・台中発祥のたこ焼き店『日船章魚小丸子』
『日船』は、台湾中部の台中発祥のたこ焼きチェーン店。6個入りで40台湾ドル(約130円)とリーズナブル。近くに高校があるということもあり、行列ができていた。台湾人によると、わりとどこの店舗でも行列ができているそうだ。現地では人気チェーンのようである。
・たっぷりのワサビがかかっている
しばらく並んで手にしたものを見てみると、ソースのほかに緑色のものがたっぷりとかかっていた。なんとこれはワサビ! たこ焼きの上にワサビが力いっぱいかけられているのである。こんなの見たことないよ……。ちなみに、練乳っぽい白濁色のものもかかっていたが、これは台湾式の甘いマヨネーズだった。
・生地が固くて中にキャベツが入っていた「お好み焼きやん!」
ワサビにはビビったが、日本の醤油味や塩味のたこ焼きの延長線だと思えば何てことはない。肝心なのは生地! あのたこ焼きの特徴である「外はカリカリ、中はトロトロ」であるかどうかが問題なのだ。
食べてみたところ……、何これ、キャベツ入ってるやん! しかも生地めっちゃ固いし!焼きすぎで固くなったんやなくて、元々の液がドロドロなんや。これはたこ焼きとちゃう! たこ焼きの顔をしたお好み焼きやん!!
・結論「美味しいけど、これはたこ焼きではありません」
『日船』のたこ焼き、食べ歩き用のお好み焼きだと思えば美味しかった。しかし、残念ながら大阪のたこ焼きの「外はカリカリ、中はトロトロ」が再現されていないため、個人的にはたこ焼きとは認めたくない。
しかし、現地ではどこの店舗でも行列ができる人気店だ。きっと台湾人の口には合うものなのだろう。しかし「これが日本のたこ焼き」と勘違いされているかと思うと辛い。もう一度言う、「たこ焼き」ではない「台湾式たこ焼き」なのである。
Report:沢井メグ
▼国立台中第一高中の近くの繁華街
▼『日船』はこの日も大盛況!
▼ソース、台湾式の甘いマヨネーズ、そしてワサビ
▼結構大きい!
▼ウマかったです、「食べ歩き用のお好み焼き」という感じです