日本の漫画やアニメは世界中で大人気。もちろん東南アジアでも日本アニメの影響力はすさまじく、タイなどではコスプレも盛んであるらしい。が、タイの隣の国ラオスではどうなのか。そもそもラオスにコスプレイヤーは存在するのか。
それを確かめるべく、2012年11月17日、ラオスの首都ビエンチャンで開催された「第40回コミックパーティー in ビエンチャン(Comic Party in Vientiane!)」に行ってみた。そしてそこには、筆者(私)の想像をはるかに超えるコスプレイヤーたちが集合していたのである!
・ラオス日本大使館も主催するちゃんとしたイベントだ!
ちなみにこのイベントはコスプレだけではなく、ドラえもんショー、ドラえもんクイズ、アニメソングコンテストなどもある “日本まんが祭り” 的なもの。主催はラオス日本大使館と、日本POPカルチャーのイベントをアジアで手がける「ねぎぼうずタイランド」だ。
イベント会場はメコン川のほとりにあるチャオ・アヌウォン公園。開場時間の午後3時を過ぎると、チラホラとコスプレイヤーが集まってきた! さっそく『海賊戦隊ゴーカイジャー』のキャプテン・マーベラスのコスプレをしている男性(31)に話しかけてみると「タイから来た」との返事。タ、タイから!?
・タイから来たコスプレイヤーも多かった……が!
なんでも彼はタイの北部ウドーンターニー県に住んでおり、「ビエンチャンでコスプレイベントがあるとのことで、友好橋を渡ってやって来ました。私は日本のアニメも好きですが、スーパー戦隊シリーズは特に大好き! ネットで動画をダウンロードしてシリーズ全部見ましたよ!」とのことである。
ほかにもタイからやって来たコスプレイヤーは数多く、ラオスとの国境の街であるノーンカーイ県から来た人や、はるばるバンコクから来たという気合の入った者もいる。また、イベントでステージパフォーマンスをする数名のコスプレイヤーもタイから来たカリスマレイヤー。ラオス人はいないのか……と思ったその時!
・続々とラオス人コスプレイヤーが集まってきた!!
街の中からぞろぞろと、手作り感満載のコスプレイヤーが続々と集合し始めたではないか! 会場内には更衣ルームも設置されていたが、彼らはそれを使わずビエンチャンの街をコスプレ衣装のまま闊歩して会場までやってきたのだ。なんという情熱!
さっそく彼らに話を聞いてみると、ほとんど全員ラオス人! 会場内にいるコスプレイヤーの比率的には、ラオス人が8、タイ人が2といった具合である。そんなラオスのコスプレイヤーたちからは、皆一様に「日本が大好き!」「日本のアニメは面白い!」「日本のアニメ情報はネットで得ています」との答えが返ってきた。
・『初音ミク』もいた! 2人もいた!
ラオス人コスプレイヤーの中には、学校で日本語を勉強している集団もおり、日本語でのインタビューにも応答できるレベル。会場内でひときわ目立っていた初音ミクもそのひとり。なんと彼女は15歳!
ニックネームはナナちゃんで、好きな作品は『ヨスガノソラ』と『Angel Beats!(エンジェル ビーツ)』、そして『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ』であるという。なかなかマニアックだ。少なくとも筆者よりは今の日本アニメ事情に詳しい。
また、他のラオス人コスプレイヤーに聞いてみても『アマガミSS』、『インフィニット・ストラトス』、『D.Gray-man(ディーグレイマン)』などのタイトルがポンポンと出てくる。もちろん『NARUTO』や『ワンピース』、『銀魂』、『ワンパンマン』なども大人気。ちなみに初音ミクのコスプレイヤーは2人いた。
・夕日輝くメコン川のほとりがコスプレ撮影会場に!
イベントは夜の8時過ぎまで行われたが、コスプレイヤーたちは会場の横にある広場で撮影会。夕日輝くメコン川をバックに、それぞれ思い思いに記念撮影。普段はあまり親睦のないラオスのコスプレイヤー同士も、この場で友達になったりもしており、さながらコミケのコスプレ会場的な雰囲気である。
イベントの最後には、コスプレイヤーひとりひとりがステージ上でポージング。特に順位は決めていなかったが、筆者(私)が思うグランプリは15歳の初音ミクことナナちゃんだ。そして準グランプリはタイからやってきたキャプテンマーベラスの彼である。
なお、ラオスでのコスプレイベントは今回が2回目。イベントプロデューサーいわく、「第一回目よりもコスプレイヤーの人数も、そしてレベルもあがっている」とのこと。まだまだ発展途上中だが、第3回目の開催にも期待したい。コプチャイ・ライライ(どうもありがとう)。
参考リンク:ねぎぼうずタイランド、在ラオス日本大使館
Report:GO羽鳥