人口の約97パーセントがイスラム教徒のパキスタンでは、豚を食べない。その代わりという訳ではないが、同国では食材として羊を使う頻度が高い。しかも、ありとあらゆる部位を食べるのだ。肉はもちろん、内蔵や性器、脳みそまで食べるという。
実は日本のパキスタン料理店でも、羊の肉以外の部位を提供しているレストランがある。東京・池袋の「マルハバ」には、羊の脳みそカレーというものが提供されている。羊の脳みそとは、一体どんな味がするのだろうか? 実際に食べてみたところ、ウニや白子のようなふんわりとした食感で、羊特有の臭さがまったくなかった。
お店は池袋駅の西口を出て、徒歩5分。中華・韓国・インド料理など、多国籍料理店の立ち並ぶエリアの一角にある。記者(私)が訪ねたのは、昼食には少し遅い14時半頃のこと。ひとりで入店したのだが、席に着くのが一瞬ためらわれた。というのも、日本人は記者だけだったからだ。珍しいことではないのだが、店内の客が一斉にこちらを見たので、ちょっと困った。
とにかく席に着き、メニューに目を通すと「これは!」と思うものを発見した。それは羊の脳みそカレーだ。しかも説明文に「当店にしかないと思います」と、控えめながら、上等な売り文句が書いている。これを頼むしかないッ! ということでオーダーした。
ランチ終了間際に入ったのだが、お店はやや込み合っていて、料理が出てくるのには結構時間がかかった。店内はウルドゥー語が飛び交っている。お店のテレビもどうやら現地のものらしく、何を伝えているのかはわからない。しかしパキスタンを訪れているような気分に浸ることができ、異国情緒を味わうことができた。
約20分待った後に、ようやく料理が運ばれてきた。パッと見た感じでは、脳みそかどうかはよくわからない。ひき肉の炒めものといった雰囲気か。羊肉は独特の獣臭さを持っているのだが、匂ってみても臭さはない。トマトのほのかな酸味が食欲をそそる。
実際に食べてみると、ウニのようなふわりとした食感があり、わずかではあるが肉の風味を感じとることができる。鶏肉のように淡白ではなく、かといって牛肉のように濃厚ではない。豚肉に近いが、豚と比べるとやや濃い目の味であった。記者が想像したよりも、羊の脳みそはさっぱりしていて、食感を楽しむものではないかと感じた次第である。
ちなみにお店では「当店にしかないと思います」と説明しているが、全国には提供しているレストランもあるようだ。食べてみようと思う方は、ウニや白子のような食感を楽しんで頂きたい。
レポート:フードクイーン・佐藤
Photo:Rocketnews24
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▼ 羊の脳みそカレー
▼ 所々に見える白いのが脳みそ
▼ 一緒にひき肉を織り込んだ、キーマナンを頂いた
▼ 扉を開けると、そこはパキスタンの雰囲気
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