強盗被害が相次ぐ牛丼チェーン「すき家」の運営を行っている株式会社ゼンショーは、2011年10月12日警察庁から指導を受けた。翌13日、読売新聞はこのことについて紙面で報じた。それによると同社の広報担当者は「経営を度外視してまで防犯に取り組む必要があるのか考えたい」と発言したという。

ところが同日、ゼンショーの広報室長はTwitterで、そのような発言はしていないと投稿している。両社の意見は食い違っているのだが、どちらの言い分が正しいのだろうか? それぞれに問い合わせて確認してみた。まず、読売新聞社に問い合わせたところ、問い合わせはFAXのみで受け付けているというので、次のように質問した。

「ゼンショー広報室長のTwitterで「発言はしておりません」との投稿がありますが、御社の掲載された内容は間違いのないものだったのでしょうか? 広報室長との意見の食い違いについて、どのようにお考えでしょうか?」すると、約2時間後に次のような内容の返信を受け取ることができた。
 
【 読売新聞東京支社からの回答 】
「お問い合わせの件について、下記の通り回答します。当該記事に何ら間違いはありません。以上 回答者は「読売新聞東京本社広報部です」」(FAX回答より)
 
……と、ゼンショー広報室長のTwitter発言を否定した。ついでゼンショーに問い合わせてみたところ、電話で「本日、弊社のホームページにリリースを掲載しましたので、そちらをご確認ください」とのことだった。ホームページにアクセスしてみたところ「読売新聞の記事中の当社発言内容について」として、次のような内容が掲載されていたのである。
 
【 ゼンショーからの発表内容 】
「読売新聞の2011年10月13日付夕刊、および翌14日朝刊紙上の当社(ゼンショー)に関する記事中、当社広報担当者が「経営を度外視してまで防犯に取り組み必要があるのか」と発言したとの記述がありました。当社からこのような発言はしておりません。読売新聞社には厳重に抗議の意を表明します」(10月14日ゼンショーHP、企業ニュースより)
 
……と発表すると共に、2012年3月末までに全店舗を目標に、深夜の時間帯の複数勤務体制を確立するとしている。現在(2011年10月14日18時)のところ、双方の意見は食い違っており、対立しているようにさえ見える。果たして、読売新聞に掲載されていた内容は正しいのか? それとも間違っているのか? 両社の今後の動向が気になるところだ。

写真:Rocketnews24
参照元:読売新聞 ゼンショー広報室長Twitter ゼンショー企業ニュース(PDF)

▼ ゼンショーが10月14日発表した読売新聞への抗議文