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【闇の大人たち】第28回:マレーシアの裏日本租界?

2011年5月29日

マレーシアの首都・クアラルンプールきっての繁華街、ブキッ・ビンタン。西洋の高級ブランド店が林立するこのエリアに、日本のマンガやオタグッズ店を散りばめた、孤高のショッピングモールがあると伝え聞いた。

その名は「スンガイワン・プラザ」──涼みに行ってガラス越しに商品を眺めるだけだった高級モールと比べ、価格の安い庶民的な店が集まるスンガイワン・プラザは地元民から熱い支持を集めている。

モノレール駅に隣接するだだっ広い建物は、様々なテナントに細切れ賃貸され、ジャンル分けすらされていない。狭い通路はダンジョンさながらに入り組み、まさにカオス。それでもめげず広大なフロアをさまよううち、ようやく「それらしい」店の発見に成功した!

たどり着いたのは、店頭にガシャポンマシンを配した典型的マニアショップ。

店内にはマレー語に翻訳された日本産人気マンガのほか、フィギュアやお宝グッズ、日本の最新雑誌もズラリ陳列され──と思いきや! あれれっ? 手に取ってみれば、そのほとんどが台湾の雑誌……。

がっくり肩を落とし、興ざめしかけた私だが、冷静に考えればマレーシア人の実に三割が中華系。読めもしない日本の雑誌を無理して買わずとも、萌え文化の権威である台湾同胞が咀嚼し、消化したものを読みふけったほうが合理的かつ胃にも優しい。

ついさっき同じフロアで見かけた、エントランス脇に鉄兜を陳列したハラルマーク付きの妙ちくりんな鉄板焼き屋もしかり、

まともな日本人が見たら死ぬ程うさん臭い店だが「昼飯は中華で」と言いつつ、中華街の高級店で満漢全席をオーダーするのではなく、近所の中華屋に冷やし中華とギョーザを食いに行くような、肩の凝らない、丁度いい湯加減なのだろう。
(取材・文=クーロン黒沢

▼高級ショッピング街の一等地を占拠するスンガイワン・プラザ

▼いかしたジャパニーズ・レストランも……

▼雑居ビルの奥の奥に、見慣れたオタ向けショップが!

▼マレー語に翻訳された人気マンガがぎっしり

▼こんな店が各階に点在しています

▼日本の雑誌かと思いきや、雑誌コーナーのメインは台湾誌だった

▼マレーシアでもライダーベルトが人気のようでした

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