ココナッツミルクと卵、砂糖で作る「カヤジャム」をご存知でしょうか? カヤジャムとは、ココナッツミルク(カヤ)で作ったジャムのことで、シンガポールやマレーシアなど東南アジアの地域で広く親しまれています。現地のコーヒーショップ(喫茶店)では、トーストしたパンにカヤジャムとバターをサンドしたものと甘いコーヒー、そして半熟卵のセットが朝食の定番メニューとなっています。
緑色の見た目が体に悪そうな気もしますが、緑色の正体はパンダンリーフという食用の葉。パンダンリーフは香りや色付け用として、東南アジアではお菓子作りやココナッツミルク入りご飯を炊く際に利用されています。カヤジャムを作る際にはパンダンを入れないこともあり、その場合は茶色い見た目になります。
カヤジャムはシンガポールで暮らす日本人にも人気のアイテムで、帰国する際にはお土産として持って帰る人も少なくありません。コーヒーショップを始め、コンビニやスーパー、ホテルに菓子店など様々なところで販売されています。店によって味が微妙に違うため、現地に行く機会があれば色々試して好みの味を見つけてみたいところ。ちなみに記者のオススメは「ヤクン・カヤ・トースト」と、スーパーで2シンガポールドル(130円)程度で手に入る「Glory」というメーカーのカヤジャムです。
カヤトーストは、現地へ足を運ばずとも東京の「豊洲ららぽーと」で本場の味を気軽に味わうことができます。こちらにはシンガポール生まれのコーヒーショップ・チェーン店「ヤクン・カヤ・トースト」の支店があり、本場のカヤトーストを280円で味わうことができるのです。炭火でサクッと焼き上げたトーストにたっぷりのカヤジャムと、多めのバターがサンドされたタイプのカヤトーストは、毎日でも食べたくなる味。
ヤクンはシンガポールでも人気の高い店で、現在はインドネシアや韓国、台湾、フィリピンなどでもチェーン展開しているそうです。ちなみにシンガポールのヤクンには、炭火焼トーストにアイスクリームをサンドしたトーストがあり、こちらもカヤトーストに負けず劣らず美味。
カヤジャムにはフルーツのコンフィチュールやジャムにはない食感のため、初めは違和感があるかもしれませんが、食べたらきっと病みつきになりますよ!
(執筆・写真/横山ローズ)