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【闇の大人たち】第10回:激安海外旅行のウラ 場末の格安ターミナルで

2011年1月9日

羽田空港から片道5000円でマレーシアへ! 激安価格で名を上げた格安航空「エアアジア」。実際は保険料だの空港税だの機内食だの荷物料金だの、オプションをつけるうち、いつの間にか片道1万円をオーバーしてしまうカラクリなのだが、それでも激安であることには変りない。

もちろん、安いぶん歯を食いしばらなきゃならないことも沢山ある。

深夜に羽田を飛んだ飛行機は早朝、マレーシア・クアラルンプール(KL)郊外に着陸。降ろされるのはLCCTと呼ばれる格安航空専用のターミナルで、ここは国際空港のターミナルから車でぶっ飛ばして20分ほどの僻地。

滑走路をだらだら歩かされ、階段を上り、長蛇の列に混じって入国審査。

居並ぶ人々を観察すると、エアアジアのキャッチフレーズ ”Now everyone can fly”が示す通り、中国で言う民工風の人が多く、この人たちがまた、列の先頭で書類不備やビザ無しを指摘され、モメにモメまくる!

そのたび作業がストップするため、待ち人数が同じでも列によって進むスピードに数倍の差が生まれることも。列を選ぶ際は慎重に。

LCCTからKL市内までは、東京都心〜成田空港間と同程度の距離があり、エアポートバスで約一時間半といったところ。七時間も飛行機に乗った後で思わずうんざりだが、バス料金が9リンギット(約270円)と安いのが救いである。

乗り場は国内線到着口の脇にあり、チケットは出発直前に姿を現す、愛想のかけらもないインド系の兄ちゃん(或いは姉ちゃん)から車内で購入。半券は降車時に回収されるのでくれぐれも捨てないように!

このバス、先着順の自由席で、時刻表では30分おきの発車となっているが、実際は8割がた席が埋まらないと出発しない。なので席を選ぶ余裕などない……が、ここだけの話、何気に座った運転手真後ろの窓側席はすごかった。深々と腰掛け、何気に瞼を開けば、運転席頭上に設置された大型バックミラーごしに、通路側の最前列席がローアングルで映しだされている。

その「通路側最前列」だが、発車時間ギリギリに駆け込み乗車するエアアジア関係者。特に市内に戻るスチュワーデスが結構な確率で座るというわけで──ご存じのようにエアアジアのスチュワーデスは化粧も派手なら真っ赤な制服はピッチピチのパッツンパッツン。ミニスカートも親の敵みたいにパツパツ、である。

終着駅のKLセントラル駅まで約1時間半の退屈なドライブとかけて、おおよそ69パーセントの確率で居眠り状態に入ってしまうスッチーと解く、その心は?

運転席のバックミラーに映ったもの。あえて申しませんが、お茶の間で和やかな一家団欒の真っ最中、突如テレビで「続・エマニエル夫人」の再放送が始まってしまったかのような、そんな気まずさを感じたのでした。♪メロディー・ダムール・シャンテ・ル・コー・デマニエ……
(取材・文・写真=クーロン黒沢

▼飛行機を降りて延々歩く


▼マレーシア入国は直進。乗り換えは左へ


▼SIMフリーの携帯があればカード入手可


▼荷物をピックアップしてバス停へ


▼エアアジアグッズの直売店


▼KLセントラル行きバス停


▼チケットは車内で購入


▼定価9リンギット(約270円)半券は捨てないこと!

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