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ドコモと大日本印刷が電子出版ビジネスで提携した理由

2010年8月5日

iPhoneやXperiaに代表されるスマートフォンやiPad、Kindleなどの登場による電子出版コンテンツの急速な普及は、新しい読者を惹きつける新たな出版メディアとして、出版市場の活性化につながるものと期待されている。そうした出版市場に対して、ドコモが動き出した。

ドコモと大日本印刷(DNP)は2010年8月4日、携帯端末向け電子出版ビジネスにおける業務提携に向けて基本合意に至ったことを明らかにした。
基本合意の主な内容は、以下のとおり。

1. ドコモユーザーを核とした利用者層向け電子出版プラットホームの共同構築
2. 書籍やコミック、雑誌、新聞など10万点を超える電子出版コンテンツの収集・電子化・販売
3. ドコモの携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、電子書籍専用端末など、様々なデバイスに対応した電子書店サービスの運営
4. DNPグループであるリアル書店(丸善・ジュンク堂・文教堂)やオンライン書店(bk1)と電子書店との連携
5. 5600万人のドコモユーザーとDNPグループのリアル書店を利用するユーザーに向けた新たな読書マーケットの創出

ドコモは、モバイルブロードバンド化により、通信の高速化に取り組み、ユーザーに対し様々なリッチコンテンツを提供する環境を整備してきた。その中でも電子出版コンテンツは音楽や動画に続くキラーコンテンツと位置づけており、電子出版ビジネスにおいてもユーザーのニーズに応えられるよう様々なデバイスの拡充を図るとともに、さらなるビジネス拡充を目指していくとしている。

一方、DNPは、パソコンや携帯電話向け電子書籍販売サイトの運営など電子出版コンテンツの配信事業を展開してきた。今秋には約10万点の電子出版コンテンツを揃えた国内最大規模の電子書店をオープンするとともに、DNPのグループ会社である図書館流通センターが運営するオンライン書店『bk1』と連携し、紙の書籍と電子書籍を提供するハイブリッド型書店の開設に向けた準備を進めている。さらに、同じDNPのグループ会社である丸善、ジュンク堂書店、文教堂などのリアル書店とも連携することで『読みたい本に必ず出会える』『読みたい本を読みたい形で読める』サービスの実現を目指している。DNPグループで運営する、このハイブリッド型書店は、電子出版コンテンツ販売におけるオープンなプラットホームであることを目指して構築を進めてきた。

今後の展開だが、ドコモとDNPは、ドコモが持つ情報配信システムや決済システムと、DNPが計画しているハイブリッド型書店のシステムとを連携させ、ドコモユーザーおよびDNPのリアル書店などのユーザーを核とした利用者層向けに、電子出版プラットホームを構築し、新たな電子書店を開設することを目指す構えだ。ドコモの携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、電子書籍専用端末などの様々なデバイスに対応した電子出版コンテンツの配信サービスを行うとともに、それら複数のデバイスを利用シーンに応じて使い分ける読書スタイルを提案していくとしている。

ドコモとDNPは、お互いの強みを活かし、新しいユーザー層を開拓しようというわけだ。電子出版コンテンツの配信サービスについては、ソニー、凸版印刷、KDDI、朝日新聞社の4社が7月に新会社を設立し、年内の配信サービス開始を目指してすでに動いている。電子出版ビジネスは、これからが正念場と言えるだろう。

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