安全・安心・経済的な手作り食のニーズが高まる一方、主婦の調理にかける時間は減少しており、時間があるときに作り置きや下ごしらえ、またホームフリージングをするなど、時間を有効に使うことへのニーズが増加している。そうしたニーズに対し、家電の大手メーカーであるパナソニックが新しい商品を投入する。
パナソニックは2010年7月5日、業界初の『凍ったままグリル』 機能搭載で、ホームフリージングした食品を、解凍の手間を省いて一気に焼き上げるスチームオーブンレンジ『3つ星ビストロ』NE-Rシリーズ2機種を9月1日より発売すると発表した。価格は、オープンプライス。
新製品の最大の特長は、マイクロ波を放出する3Dアンテナの制御と新形状のグリル皿により、ホームフリージングをした食品を解凍しながら一気に焼き上げることができる点だ。
新ビストログリル皿はマイクロ波を通過させやすいように、皿の前後にスリットを4つ設けた。グリル皿の新形状と、3Dアンテナを前後方向に停止させることで、食品にあたるマイクロ波量を約20%増やすことができる。さらに、3Dアンテナを左右方向に停止させることで、グリル皿の発熱性が高まり、食品底面を効率よく加熱する。さらに、食品上面は高火力の『光ヒーター』でこんがり焼き上げる。これにより、冷凍から一気に焼き上げるので、調理時間が短縮できるというわけだ。
同社の資料によると、冷凍した食品を一度解凍してから焼く場合に比べ、約30%の時間短縮ができるので、解凍の手間も省くことができるという。この時間短縮の測定は、『鶏の照り焼き』の調理時間が元となっている。従来品(NE-R3200)は解凍してから調理(焼き)するので、約31分かかった。それに対し、新製品は凍ったままグリルするので、約20分で済むというのだ。
新商品には、もうひとつ特長がある。それは『合わせ技セット』のメニューの充実だ。従来品から好評の『合わせ技セット』メニューに、『パスタセット』『おこわセット』を新搭載し、おかず同士の組み合わせに加え、主食とおかずのセットメニューを充実させた。
たとえば、『パスタセット』は、パスタの下ゆでが不要で、肉・魚・野菜の『おかず』と同時に調理でき、『おこわセット』は、『おこわ』と『おかず』を調理することができる。どちらのセットも、約20分で仕上がるのだ。
このように、パナソニックは新商品で時間を有効活用できる新たな調理スタイルを提案しているわけだ。同社は、新家電で忙しい主婦のハートをつかむことができるだろうか。
Photo by Rocket News24 Staff / 本誌記者撮影