
道の駅900駅以上を制覇したマニアとしてYouTubeをやっている私(スーザン。)。実は本業はお笑い芸人なんだけど、何を隠そう、全く売れていない。
ライブに出てもチケットは売れず、バイトに明け暮れ、「俺たちこのままで大丈夫なのか……?」と売れない芸人仲間のだんぺい君*と頭を抱える日々。2人でYouTubeチャンネル『拝啓、道の駅から』を始めたのは、事故のような現実からの逃避も含んでいたわけだ。
2026年9月、そんな我々の人生においてとんでもない事件が起きた。あの旅行ガイドブックの絶対王者「るるぶ」から、「一緒に道の駅の特集をやりませんか?」と声がかかり、誌面&動画での大々的なコラボが決定したのだ! 売れたァァァアアア!!
・苦節約10年、何者でもなかった僕ら
現在でも『リンク』というコンビで東京演芸協会のライブを中心に舞台に出演している私。現在では月に1~2本ほどしかライブには出ていないのだが、芸人を始めて数年は某事務所にも所属して、月に20本近くの舞台に立たせてもらっていた。
しかし、一向に何かが変わる気配がなかった。今では売れっ子の芸人さんとも同じライブに立たせてもらったこともあるが、何も爪痕を残せたことがない。これが俗にいう「一握りの人間しか勝ち残れない」というやつなのか。
賞レースでもまったくと言っていいほど評価されず、芸人内の評価も無に等しい。小さい頃から憧れたお笑い芸人は本当に厳しい世界だった。
そんな時、声をかけてくれたのが元『ルーカス・アンダーソン』のだんぺい君*だ。彼も鳴かず飛ばずの芸人生活が続いていたのだが、一旗をあげたいという気持ちで「YouTubeチャンネルを一緒にやらないか?」と誘ってきたのである。
これが今から5年前。ネタで売れるだけが芸人ではないと、世間の風も少し変わってきた時期だった。
しかし、YouTubeチャンネルを開設するにあたって、ただ有名YouTuberの真似事をしても何も意味がない。そこで道の駅巡りが趣味だった私は次のように提案した。「だったら一緒に道の駅を軸としたYouTubeをやろう!」と。
まだ、今ほど道の駅が世間に注目されていなかった時期。だんぺい君*は「さすがにちょっと待ってくれ」と言った。それもそうだ。こんなニッチで攻めたチャンネルなんか見たことない。しかし後日、だんぺい君*はこう答えた。
「光が見えた。そのコンセプトで行こう」と。
彼もまた冒険家だったのだ。
・YouTubeチャンネル「拝啓、道の駅から」の誕生
こんな流れから『拝啓、道の駅から』が誕生した。全国1200以上ある道の駅の魅力を取り上げるチャンネルとして、関東の道の駅を訪れたり、「〇〇な道の駅5選」などの動画をアップしていくことに。
レンタカーを借りて貧乏ながらも自費で行けるところはとにかく行って、新たにオープンする道の駅には真っ先に向かう。とにかく頭と体をフル回転させて駆け抜けていく毎日が始まったのだ。
チャンネルを立ち上げた当初は「マニアックすぎる」「それで成功するわけない」と言われてきたが、動画の反響などで意外と道の駅好きがたくさんいるのだと感じたことを覚えている。そのおかげか、チャンネル登録者1000人は割と早めに達成できた。
道の駅界隈でも名前や顔が少しずつ広まっていき、道の駅関係者とのつながりもできるようになってくると、イベント出演や動画撮影の依頼も増えてきた。
お笑い芸人の我々よりも『拝啓、道の駅から』としての我々を求められることが増えてきたのだ。
しかし、生活が何か変わるわけではない。
とにかく僕らは車とともに走り続けた。
気づいたら車で都内から和歌山県へ行ったり、ロケットニュース24でお世話になっている中澤アニキと徳之島の道の駅へ行ったりしていた。
一歩一歩進んでいくと色んなお話も頂けるようになり、チャンネル登録者1.5万人も達成。気づいたらこのロケットニュース24でライターをさせてもらうことも叶ったのだ。
しかし「誰にも評価されないかもしれない」という不安と戦いながら、YouTube『拝啓、道の駅から』で泥臭く発信を続ける日々は続いていた。
・突然届いた「るるぶ」からのメールに衝撃
そんなある日、一通の問い合わせメールが届く。「JTBパブリッシングの編集担当です」という文字を見て、「絶対詐欺だろ……」と思いながら開いてみたら……
なんと、あのみんなが知っている観光雑誌「るるぶ」から「お二人と一緒に仕事をしたい」という内容だった。
全国1200以上ある道の駅の中から、るるぶ編集部と僕らの情熱をぶつけ合って厳選した「絶対に行くべき7つの道の駅」を紹介してもらえないか? という、願ってもないオファーが舞い込んだのだ。
ただ、ここまでいろんな話に巻き込まれてきた私は、すぐに鵜呑みにしてはいけないと警戒した。大体は机上の空論か、途中で断念するような話になるからだ。
「こんなハッピーなことなんか起こるはずない」と疑いつつ、指定された都内の立派なビルへ向かう。
ガチじゃねーか!!!!
今まで書店で見てきたあの「るるぶ」の雑誌が勢ぞろいしているのだ。
もしかすると、もしかするかもしれない。そんな淡い期待を抱きながら会議室に通された。
数分後。
編集担当さんをはじめ編集長まで現れて名刺を渡された瞬間、「マジで本物のJTBパブリッシングじゃねえか!!!」と心の中で叫んだ。
・いざ会議!
そして私と、編集部の方々3人の集団面接のような形で話が始まった。
話を聞くと、自分たちのYouTube動画をめちゃくちゃ見てくれていて、「たくさんの道の駅を巡った専門性」を心から評価してくれていたとのこと。泣きそうになった。「こんな一介のYouTuberを起用するなんて攻めてるなぁ」と思ったその時!
るるぶ編集部「お二人には巻頭4ページで特集を組みたいと考えています」
なんというお言葉! いや、こういうのってみんなが知っているタレントさんが飾るものじゃないの!?
るるぶ編集部「ガイドブックの表紙にも登場していただきたいと考えています」
JTBパブリッシングさんの勢いはとどまることを知らない。そして、その表紙がこれだ。
これはつい手に取りたくなること間違いなし! こんな素敵な表紙に登場できるのは、本当に光栄でしかない!
厳選された「絶対に行くべき7つの道の駅」と熱すぎるコラボ
こうして、「るるぶ」とのコラボが正式に決定したのだ。誌面では、全国1200以上の中から編集部と僕らの情熱をぶつけ合って選んだ7駅を自信をもって紹介している。
他のメディアではなかなかお目にかかれない、マニアックながらも道の駅界隈では人気の高い、芸人で言うところの「ネクストブレイク」的な立ち位置の道の駅をピックアップした。
これが巻頭に載るのかと思うだけでニヤニヤしてしまう。マニアゆえのこだわりや見どころを、ぜひ皆様にも見てほしい。
さらに『拝啓、道の駅から』でもこれに連動した動画を作成することになり、「ただのガイドブックじゃない、動画と連動したまったく新しい試み」になったという手応えも感じられた。
2026年9月、いよいよ完成した雑誌が手元に届いた。
それがこれだ!
ページを開くと、あの「るるぶ」の紙面に「拝啓、道の駅から」の名前と写真がドカンと載っている。
ライブでスベって下北沢でエンディングに出ず二人で話した日、甘い話に騙された日、あと一歩で大きな仕事がなくなった日。 「全部無駄じゃなかったんだ」と胸が熱くなった。
売れない芸人の逆襲はここからだ! 我々が掲載されている『るるぶ 全国道の駅&SA・PA完全版 スタンプ帳付き』は、2026年9月9日に全国の書店・ネットで一斉発売されるぞ!
売れない芸人だった我々が、道の駅を愛し続けてついにここまで来ました。ぜひ書店で手にとってみてほしい。何か一つのものを愛し続けたら、成果を成し遂げるときが来るのだ。
これをきっかけに我々は飛躍してアルバイトを辞めるのが目標であるが、もし生活が変わっていなければ、「こんな記事も書いていたな」と更新されていく記事を見ながら笑ってほしい。
全国のテレビ局・ラジオ局・道の駅関係者の皆様、お仕事オファーお待ちしております!!(切実) 僕たちは何でもやります!
そして皆様、ぜひ僕たちの晴れ舞台をチェックしてください!
参考リンク:YouTube「拝啓、道の駅から」
執筆:スーザン。
Photo:Rocketnews24.
▼YouTubeチャンネル『拝啓、道の駅から』をやっています。日本全国の道の駅の魅力や見どころを紹介しているので気になった方はチェックしていただけると幸いです。皆の力で僕らを売れさせれてほしい!
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