私はこれまで一度もバスツアーに参加したことがない。
集合場所と時間にさえ間に合えば、あとはバスに乗っているだけ。行き先も回る順番もすべて決まっている旅とは、一体どんな感じなのだろう。
自分で予定を立てる旅とは、きっと違う発見があるはず。ということで今回は、山梨行きのバスツアーに初参加してきたので、その様子をお届けしたい。
・はとバスとは何が違うの?
バスツアーと聞いて「はとバス」を思い浮かべる人もいるだろう。だが、はとバスはバスツアー全体の呼び名ではなく、株式会社はとバスが運行・販売しているツアーのブランド名。バスツアーが旅行の形式で、はとバスはそれを扱う会社のひとつというわけだ。
今回私が参加したのは、はとバスではなく「トラベルロード」が開催するバスツアー。その名も「ぶっとびツアー」。どんな名前だ。
選んだプランは「【新宿発】ひまわり&もも狩り&桔梗信玄餅詰め放題&ハイジの村」。もはや名前だけで遠足数回分くらいの情報が詰まっている。
本当にこれを1日で全部やるのか。若干の不安を抱きつつ、まずは出発地の新宿へ。
新宿発のバスと聞くとバスタ新宿を思い浮かべがちだが、今回の集合場所は新宿駅西口側にある「都庁大型バス専用駐車場」だった。
集合時刻は朝7時25分。詰め込みツアーの朝は早い。
集合場所ではバスガイドさんが受付をしており、参加者には「ぶっとびツアー」のシールが渡された。どうやら、これがツアー参加者の証らしい。
余談だが、この日の参加者は50人弱。予定では7時40分出発だったが、全員が早めに集まったため7時35分には出発した。みんな優秀である。
8時40分には談合坂サービスエリアに到着し、20分ほどトイレ休憩。
しかし、ここで待ち受けていたのは数々の食べ物の誘惑。サービスエリアって、どうしてこうも食欲を刺激してくるのだろう。
かなりそそられたものの、このあとは桃が待っている。開始早々、サービスエリアで満腹になるわけにはいかない。ここはグッと我慢して、再び山梨方面へ向かった。
・思ってたんと違う桃狩り
9時35分、最初の目的地である「渡辺農園」に到着した。
私は「桃狩り」と聞いて、木から好きな桃を取り、その場で食べるものを想像していた。
ところが、まず案内されたのは桃の食べ放題会場。
トレーに用意された桃を、自分でカットして食べるスタイルだった。
普段は桃のみとのことだが、この日は特別にプラムも用意されていた。ラッキー。
桃の食べ放題は約30分。参加者がそろって一心不乱に桃を切り、食べ続ける光景はなんだかシュールだ。
そして食べ放題が終わるとバスに戻り、5分ほど移動。今度こそ桃狩り会場へ向かう。
少し歩いた先には桃の木が並んでおり、ここで各自が好きな桃を1個収穫する仕組みだった。
正直「思ってたんと違う」感は否めないが、桃をたっぷり食べたあとに、自分で選んだ1個を収穫して持ち帰れる。これはこれで楽しい。
初参加にして早くも、バスツアーでは言葉のイメージだけで行程を決めつけてはいけないと学んだ。
・桔梗信玄餅詰め放題で欲が出る
次に向かったのは、桔梗信玄餅で知られる「桔梗信玄餅テーマパーク」。ここでは桔梗信玄餅の詰め放題を体験した。
バスガイドさんいわく、コツは袋をよく伸ばすこと。そして、桔梗信玄餅が多少つぶれることを恐れないことらしい。
ただし、袋は最後にきちんと結ばなければならない。破れていたり、うまく結べなかったりするとやり直しになる。
最初に渡されたのは、桔梗信玄餅8個が入った箱と小さな袋。
また、詰め放題の桔梗信玄餅はアウトレット品で、賞味期限は翌日までとのこと。
さすがにそんなに食えないな……と、必要な分だけにしておこうと思ったのだが、最初に配られた8個はすべて袋に入れるのがルール。入りきらなかった場合は、1個100円で買い取らなければならないという。そんな無茶な!
賞味期限は短い。8個でも十分多い。頭では分かっている。
それなら8個だけ詰めればいいか……と思いつつ、いざ袋を伸ばし始めると欲が出る。詰め放題とは、人の理性を静かに壊すのかもしれない。
そんなこんなで無心で詰めた結果は……
10個。
欲を出した割にはショボい結果となった。
ちなみに10個でも、袋を結ぶところまで含めると普通に難しい。会場の掲示には22個を詰めた例まで載っていた。どうやって入れてんだ。
また、以前当サイトのまろ記者は整理券を入手できず、詰め放題に参加できなかったそうだ。
個人で訪れても参加できないことがあると考えると、桔梗信玄餅詰め放題が行程に含まれているだけでも、このツアーの価値は高いと思う。
詰め放題のあとはしっかり工場見学も楽しみ、桔梗信玄餅テーマパークを後にした。
・突然のハイジ
さらにバスを走らせ、13時ごろ「ハイジの村」に到着。桃と桔梗信玄餅でだいぶ山梨らしくなってきたところに、突然のハイジである。
この日は工事中の場所もあったが、かわいらしい外観を見るとやはり心が躍る。
そして、お待ちかねのランチタイム。今回はこの「ハイジの村」のビュッフェ会場にて食事をとるようだ。
ビュッフェにはスイス料理のほか、山梨名物のほうとうなども並んでいた。
正直、ビュッフェの料理にはそこまで期待していなかった。ところが実際に食べてみると、どの料理も忖度抜きにおいしくて驚いた。
なかでも個人的に一番おいしかったのは唐揚げ。ハイジも山梨も関係ねえ。
でも外はカリカリ、中はジューシーで本当に美味しかったんです、すいません!
・最後は一面のひまわり
14時からは自由行動。ハイジの村を散策したあと、近くにあるひまわり畑へ向かった。
そして目の前に現れたのが……
一面に広がるひまわり畑!
これにはただただ「感動」の一言。
圧巻の景色をたっぷり堪能し、ひまわり畑を後にする。
そして15時にはバスへ戻り、新宿へ向けて出発。途中で再び談合坂サービスエリアに立ち寄り、新宿へ到着したのは17時50分だった。
こうして、初めてのバスツアーは無事終了。朝から夕方まで、実によく遊んだ1日であった。
・めちゃめちゃ楽しかった!
朝7時25分から夕方まで、桃の食べ放題と収穫、桔梗信玄餅詰め放題、工場見学、ランチビュッフェ、ハイジの村、ひまわり畑。改めて並べてみても、やっぱり詰め込み方がおかしい。
それでも移動や時間配分はすべてお任せで、料金は8290円。交通費や施設利用料、飲食代を考えると、かなりお得に感じた。
何より、自分では組み合わせないような場所を1日で巡れるのが面白い。桃狩りの「思ってたんと違う」も、欲を出した桔梗信玄餅10個も、唐揚げが一番だったランチも、終わってみれば全部いい思い出だ。
初参加にして、私はすっかりバスツアーにハマってしまった。
ちなみにツアー内容や料金は時期によって変わるため、予約前に公式サイトで最新情報を確認してほしい。
私のように一度も参加したことがない人こそ、気になるツアーを見つけたら飛び込んでみるといいだろう。
参考リンク:トラベルロード「日帰りバスツアー」、渡辺農園Instagram、桔梗信玄餅テーマパーク、ハイジの村
執筆:大島あさ未
Photo:RocketNews24.
▼「ハイジの村」にはヤギもいた
▼あの名シーンも
▼ひまわりは背の丈以上。本当に綺麗だった
▼ミツバチも嬉しそうだったが、虫が苦手な人は要注意スポットかも