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【始発で酒を飲みに行く!?】1946年創業の超有名酒場「宇ち多゛」に初潜入したら、酒場というよりテーマパークだった

約1時間前

みなさん、「宇ち多゛(うちだ)」という店をご存じだろうか。

京成立石にある1946年創業の老舗中の老舗。もつ焼きと煮込みを看板に掲げる超有名大衆酒場で、酒好きなら一度は耳にしたことがあるであろう聖地だ。

一方で、「初心者にはハードルが高い店」としても知られている。

実はこの「宇ち多゛」、以前「女ひとり飲み」で読者の方からリクエストをいただいていた店だったが、さすがに初回から一人で突撃する勇気はなかった。

どうしたもんか……と頭を抱えていたところ、ちょうど飲み友達から「宇ち多゛行かない?」と誘われた。渡りに船とはこのことだ。

というわけで今回は、友人たちと初潜入してきたので、その様子をレポートしたい。

・宇ち多゛とは

宇ち多゛は東京都葛飾区・京成立石にある老舗もつ焼き店だ。2026年現在で創業80年を迎え、全国から酒好きが集まるもつ焼きの聖地として知られている。

人気の理由は鮮度の良いもつ料理だけではない。

昔ながらの酒場文化を今も色濃く残す営業スタイルや、独特の注文方法、そして効率を重視したルールも含めて「宇ち多゛」なのである。だからこそ、一度訪れると「また行きたい」とハマる人が後を絶たない。


・宇ち多゛の特殊すぎるルール

一方で、その独自ルールの多さから「初心者にはハードルが高い店」としても有名だ。

例えば、

・他店舗で飲酒した状態での入店禁止
・店内での撮影禁止(料理のみ可)
・可能な限り私語は控える
・机の上に携帯を置かない
・肘をついて食べない
・リュックやカバンは前に抱える
・滞在時間は約1時間
・受付は人数がそろってから

などなど。

酒を飲みに行くだけなのに、守ることが多すぎる。


さらに初心者最大の難関が注文方法である。

ここには一般的なメニュー表がなく、もつ焼きは「部位」「味付け」「焼き加減」を組み合わせて注文する。

部位はレバー・シロ・ガツ・アブラ・ハツ・ナンコツ・カシラ・ツルの全8種類。どれを選んでも1皿2本・税込250円で、味付けはタレ・塩・みそ・素焼き、焼き加減は普通・わか焼き・よく焼きから選ぶ。

例えば、

「シロ・タレ・よく焼き」

「ハツ・塩・わか焼き」

という具合だ。二郎系ラーメンかよ。


一方、「生(ゆで)」は注文方法が少し違う。

ここでいう「生」とは、生肉ではなく、さっと茹でたメニューのこと。ちなみに読み方は「ナマ」となる。

生はレバー・シロ・アブラ・ハツ・ナンコツ・テッポウ・コブクロ・タンの全8種類で、こちらも基本1皿250円。焼きと違って1本ずつ注文でき、別の部位と組み合わせることも可能だ。

注文は「部位」「生」「味付け」の順番。

味付けは、醤油(指定不要)・お酢・塩・甘いの(タレ)から選ぶ。

例えば、

「ガツ・生」ならガツの醤油味。

「シロ・生・甘いの」ならシロをタレで。

さらに、生レバーだけは「ボイル」と呼ぶので「生」をつける必要はない。つまり、レバーとハツを1本ずつお酢で食べたいなら、「ボイル・ハツ・1本ずつお酢」と注文するらしい。そんなんわかるか〜!


・始発で酒を飲みに行く世界

今回訪れたのは土曜日。営業時間は10時から12時。なんと土日は朝しか営業していない。

更に事前に宇ち多゛有識者へ話を聞くと、

「土曜日は始発くらいで行かないと入店できませんよ」

と言われた。

始発!? 酒を飲みに行くために!? 朝活にもほどがあるだろ。

最初は「10時前に着けば十分でしょ」と思っていたのだが、とんでもねえ。有識者の言葉を信じ、当日はほぼ始発の電車に乗って京成立石へ向かった。


そして駅へ着いたのは朝7時。


駅を降りると、どこからともなく香ばしい匂いが漂ってくる。おそらく宇ち多゛からだろう。この時間なのに、街全体がもう酒場モードである。


店へ向かうと、当然ながらシャッターは閉まっている。……が、店の前には誰もいない。


本当にここで合ってるのかと一瞬不安になり裏手へ回ってみると、そこには店員さんの姿が。どうやら受付は店の正面ではなく裏手で行うらしい。

初見だとかなり分かりづらいので、これから行く人はまず裏手へ向かうことを覚えておくといい。

また、宇ち多゛には整理券がなく、自分の番号を覚えたまま、指定された時間に再集合するシステムだ。我々は9時20分頃に再び店の前へ来るよう案内された。

ちなみに我々は朝7時到着で30番台。店員さん曰く、一番早い人で5時台から来てる人がいるそう。ガチすぎんだろ!

酒を飲むために5時起き。もはや健康なのか不健康なのかよくわからんが、これで無事に入店権は確保。


……なのだが、新たな問題が発生する。


早朝すぎて時間を潰す場所がない。


周辺を散策してみたものの、開いている店は駅前の松屋くらい。


ということで、結局松屋で時間を潰しながら、

「シロ・タレ・よく焼き!」

「ボイル・ハツ・1本ずつお酢!」

などと、友人と注文の予習をすることになった。

酒場へ行く前にコールの練習をする人生になるとは思わなかった。


・もはや受刑者の点呼である

気付けば時刻は9時20分。

再び店の前へ戻ると、人で溢れかえっていた。すると店員さんが、

「30番!」
「31番!」
「32番!」

と番号を呼び始める。

呼ばれた人から順番に店の前へ並んでいく。もはや受刑者の点呼である。

その後、第一陣が店内へ。我々第二陣は店の外から、窓越しに先輩たちの様子を眺めながら待機する。この光景、なんだか部活のベンチからレギュラーを見守っているような気持ちである。


そして待つこと30分ほど。ようやく我々も店内へ案内された。

酒飲むのに店へ入るだけでここまで苦労した酒場は人生初だ。


・独特な空気に飲まれる

店内へ入ると、まず飲み物の注文を聞かれる。

ちなみに店員さんがこちらへ注文を取りに来てくれるのは、このタイミングだけ。追加注文は、自分から声を掛けるスタイルだ。

今回は

・ビール小(税込500円)
・もつ煮(税込250円)
・タン・生・お酢(税込250円)

を注文した。

店内は昔ながらの大衆酒場そのもの。年季の入ったカウンター、焼き場から立ちのぼる煙、威勢よく飛び交う店員さんの声。

一方で、お客さんは驚くほど静かだ。談笑している人はほとんどおらず、皆ひたすら酒ともつに集中している。

初めは友人と「料理シェアしようか」なんて話していたのだが、そんな空気ではない。自然と全員、自分の皿と酒だけに向き合うことになった。これも宇ち多゛の文化なのだろう。


・とにかくもつがうまい

まずは名物の「もつ煮」。

見た目は素朴だが、一口食べると印象が変わる。

味噌の甘さでごまかすタイプではなく、もつの旨味をしっかり味わえる昔ながらの味付け。朝からでも不思議と箸が止まらない。


続いて「タン・生・お酢」。

コリッとした歯応えが心地よく、お酢でさっぱり食べられる。

「生」と聞くとクセがありそうなイメージだったが、臭みはほとんど感じない。人気なのも納得だ。


すると途中、近くのお客さんが小声で

カシラ、早く頼まないと無くなっちゃうよ」と教えてくれた。なんて優しい人なんだ。


慌てて「カシラ・塩・わか焼き(税込250円)」を注文。

これが個人的にこの日ナンバーワンだった。わか焼きのおかげで驚くほど柔らかく、噛むほど肉の旨味が広がる。人気なのも納得である。


さらに「シロ・タレ・よく焼き(税込250円)」も追加。

表面は香ばしく、中はしっかり弾力があり、甘辛いタレが実によく合う。


朝からもつばかり食べているとさすがに重くなってきたので、「お新香(税込250円)」も追加。これが大正解。

口の中をさっぱりリセットしてくれるため、またもつが食べたくなる。


・名物「梅割り」が想像以上だった

ビールを飲み終え、続いて注文したのは宇ち多゛名物「梅割り(税込250円)」。


宝焼酎に梅シロップを少し加えたシンプルなお酒なのだが……一口飲んで思わず固まった。とんでもなく濃い。

しかもこの梅割り、氷は入っておらず、ほぼストレートで飲むスタイル。そのためアルコールのパンチがすさまじい。

以前、一軒め酒場で似たようなお酒を飲んだことがあったが、完全に別物だった。

隣にいた友人は、一口飲んだ瞬間、鉄砲玉を食らった鳩みたいな顔をしていた。


しかし店内を見渡すと、ほぼ全員が梅割りを飲んでいる。さすが名物。ちなみに梅割りは、新規客は3杯まで。泥酔防止のためらしい。

実際、隣のお姉さんが3杯目を頼もうとしたところ、「今日は2杯まででやめときな」と店員さんに止められていた。

店側から酒量を管理される光景を初めて見た。


最後は「蜂ぶどう酒(税込300円)」を注文。

甘口ワインのようなお酒で、梅割りのあとだと驚くほど飲みやすい。あっという間に飲みほし、お開きとなった。


・酒場というよりテーマパークだった

実際に来る前は、「始発で並んでまで行く価値、本当にあるの?」と半信半疑だった。

しかし体験してみると、その考えはすっかり変わった。料理がおいしい。もちろんそれもある。だが、それ以上にこの店は空間そのものが面白い。


早朝から集まる酒好きたち。


独特すぎる注文文化。


効率を極めた接客。


緊張感のある店内。


途中、箸の置き方で店員さんに注意されているおじさんも見かけた。厳しい。

でも嫌な感じはしない。全員がルールを守るからこそ、この唯一無二の空間が成り立っているのだと感じた。


そして更に驚いたのは店を出たあとだった。

同じタイミングで宇ち多゛にいたお客さんから「さっき店内にいましたよね?」と声を掛けられ、そのまま意気投合。なんと一緒にもう一軒ハシゴ酒をすることになったのである。

あの独特な空間を共有すると、妙な仲間意識が芽生えるらしい。


初回は友人と来て正解だったが、一度流れを覚えてしまえば、次は一人でも来られる気がする。


・声出してこ!

最後に、これから初めて宇ち多゛へ行く人へアドバイスを2つ。

まず1つ目。メニューと注文方法は必ず予習しておくべし!

宇ち多゛には独特の注文ルールがあるため、何も知らずに行くと間違いなく焦る。せめて注文の流れだけでも頭に入れておくと、かなり気持ちに余裕が生まれるはずだ。

そして2つ目。遠慮せず、しっかり声を出して注文すべし!

店員さんは「誰が何を頼んだか」ではなく、「どんな注文が入ったか」を見ている。そのため、店員さんが近くに来るまで待っていたり、「今声をかけていいのかな……」と遠慮していたりすると、いつまで経っても注文できないなんてことも。

もちろん接客中は避けるべきだが、手が空いているタイミングなら、店員さんが前を向いていようが後ろを向いていようが、臆せず大きな声で注文するのが宇ち多゛流だ。

宇ち多゛では、声がでかい奴が勝つ!


・今回ご紹介した店舗の詳細
店名 宇ち多゛(うちだ)
住所 東京都葛飾区立石1丁目18-8
営業時間 平日14:00〜19:00 土曜日、祝日10:00〜12:00
定休日 日曜日

※今回紹介しているルールや注文方法は、有識者の方から教えていただいた内容と実際に体験した内容をもとにまとめています。

宇ち多゛は注文方法がめちゃくちゃ奥深く、この記事に載せきれていない注文方法やメニューもまだまだあると思われるので、「その注文もあるぞ!」「そこ違う!」という点があっても、宇ち多゛マスターの先輩方、どうか石は投げずに優しく教えてください!


執筆:大島あさ未
Photo:RocketNews24.
画像:ChatGPT

▼梅割りの梅シロップ入れる瞬間。早すぎて俺じゃなきゃ見逃しちゃうかも。

▼宇ち多゛監修の梅割りがお隣のヨークマートで販売されている。実店舗の梅割りとは正直別物でかなり飲みやすい代物になっていた。

▼お店の外は順番待ちの客で溢れかえっていた

▼帽子やTシャツも店頭で販売されているので、欲しい人はお会計の時にお願いするといいだろう。私もしっかりゲットしてしまった。

▼TTIS(タテイシ) 価格は税込4000円

▼近くの公園にはキャプテン翼がいた

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