
地方で暮らす人間にとって、自動車は必要不可欠な存在。関西地方のとある町に住む私(高木)にとっても例外ではなく、夫婦2人+1歳児で暮らす我が家では現在3台の車を所有している。
……いやいや、3台って多いだろ! そう思った皆さん、正解です。というのも、3台のうち1台はほとんど仕事でしか使わない軽トラックなのだ。
この記事では約4年間 軽トラックを所有した私が、軽トラックの良いところ・悪いところを正直にレポートさせてもらう。まぁ、一種のノロケだと思って聞いてほしい。
・私が軽トラックを買った理由
レポートの前に、まずは なぜ私が軽トラックを購入したのかということをお話しよう。
──と言っても、非常にシンプルな話。ただたくさん荷物を積みたかっただけである。
我が家では車だけじゃなくバイクも所有しており、そのうち2台は私の愛車である原付2種バイク『クロスカブ110』と『スーパーカブ90』。
小排気量ではあるが、カブはとても優秀。バイク系ライターという仕事柄1週間近くロングツーリングへ行くこともあるが、快適で扱いやすく、小回りが利くため気軽に寄り道もできちゃう愉快な乗り物なのだ。
しかし、たったひとつ「自動車専用道路を走れない」という弱点を持っている。
通常のツーリングを楽しむ分には むしろのんびりできて良いのだが、仕事や取材が絡むと話は別。時には急いで移動をしたり、短時間で遠方へ行く必要があったりするのだ。
そこで「バイクを積んで自動車道を走るための車を買おう」と思ったのが、軽トラックを買ったきっかけ。
ぶっちゃけバンタイプの方が使い勝手はよいのだが、そこはノリと勢い。「軽トラックって楽しそうじゃん?」というテンションで選んだことは否めない。
──とまぁ、購入した経緯はそんな感じ。ここからはいよいよメリット・デメリットに触れていこう。
・メリット①とにかく荷物を積みやすい
実際に乗ってみると、ハイゼットトラックは想像以上に荷物が積みやすかった。そう書くと「軽トラなんだから当たり前だろ」と思うかもしれないが、なにも荷台だけの話じゃない。
私が購入した『ハイゼットトラック ジャンボ』は、従来の軽トラとはちょっと形状が違う。
具体的にはキャビンが270mm拡大され、シート後部にスペースが設けられている。
これにより、従来であれば究極に簡素化されていた座席が、一般的な乗用車と同等の機能を持つリクライニングシートへと進化。
背面には175mmの荷物置き場を確保しながらも、実は荷台も十分な広さというハイテクニックな設計なのだ。
この背面スペースの荷物置き場は、想像以上に便利。
ストッパーの役目を果たすシートと平らな底面のおかげで、荷物が落ちたり崩れたりしない。試したことはないが、やわらかいケーキだって無傷で運べるんじゃないだろうか。
おまけに積載容量も多く、スーパーのビニール袋であればLサイズ4袋は余裕。1週間分の荷物を詰めたザックや、冬の車内泊用の寝袋、撮影用の大量のキャンプギア、バイクのヘルメットやウエア類まで、とにかく何でも積み込める安心感がある。
軽トラとは別にスズキ スペーシアギアも所有しているが、車内における荷物の置きやすさと安定感に関しては、軽トラックの圧勝だと感じているほどだ。
・メリット②小回りがとっても利く
軽トラックの魅力を語る上で外せないのが、小回りの良さだ。
なんていったって最小回転半径は3.6m。つまりハンドルを最大まで切れば、3.6mの円を描いてグルグルと回ることができる。これほど小回りが利く車は、特殊なミニカーを除けばほぼ軽トラックだけだろう。
これまで都内の裏道、神戸の住宅地、大阪の商店街、古い規格の立体駐車場、山奥の林道などあらゆる狭い道を走ってきたが、一度たりとも運転が難しいと感じたことはない。
それほどまでに「小回り」という武器は強力なのだ。
・デメリット①坂道を登れない非力さ
突出したメリットがある分、軽トラックにはデメリットも多い。その代表格とも言えるのがパワーの弱さである。
ここで言う「坂道が登れない」とは、ローギアでの話ではない。つまり「山の斜面に作られた農道を登れない」という意味ではなく、「上り坂の自動車道でスピードが出ない」という話。
私が軽トラックを購入した目的は、原付バイクを積んで自動車道を走ること。残念ながら、非力さの悪影響をモロに感じているのだ。
2車線道ならおとなしく左車線を走るだけでいいが、1車線道となるとプレッシャーが大きい。上り坂の前にエンジンの回転数を上げ、「ブラジルまで届け!」という気持ちでアクセルを踏み続けなければいけない。
大抵はもっと遅い大型トラックに追いついてホッとするのだが、稀に車列の先頭で坂道を走り続けるときは、心を戦闘モードへ切り替えている。先頭だけに。なんちゃって。(もちろん法定速度は守っています!)
・デメリット②チャイルドシート(ISOFIX)非対応
軽トラックに乗っていて一番困ったのが、子どもが生まれた時。というのも、チャイルドシートを固定するための『ISOFIX(アイソフィックス)』に対応していないのだ。
代わりに使えるのはシートベルト固定式のチャイルドシートだが、コレがなかなか使いにくい。
ISOFIX式ならワンタッチで誰でも簡単・正確に取り付けられるところ、シートベルト式は固定に手間がかかる上にコツが必要。
さらに言うと、そもそも軽トラックは構造上 一般乗用車よりも事故・衝突時のダメージが大きい。
私が乗る分には自己責任だが、子どもを付き合わせるのは申し訳ない。そんなワケで軽トラックに子どもを乗せるのは避け、結果としてもう1台軽自動車を買う羽目になった。
・万人には勧められない可愛い相棒
本当はまだまだ語りたいのだが、キリがないのでこれぐらいにとどめておこう。
まとめると、軽トラックは荷物をたくさん載せることに特化した車なので、それ以外の用途においては当然欠点が多い。しかし、買ってしまったが最後。その欠点すらも可愛く見えてくるのだから「愛車」ってやつは不思議だ。
非力な車を思い通りに走らせる操作感も楽しく、万人には勧められないが「ハマる人には沼のようにハマる」車。キャンプやアウトドアが好きな方にとっては、きっと最高の相棒となることだろう。
ちょっぴり使いにくいけど、結果的にもう1台車を買うことになってしまったけど、それ以上に可愛くて手放せない相棒ハイゼットトラック。私はこれからも、コイツと一緒に走っていきたい。
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.
▼驚くべきことに、新車で買ったのにエアコンがオートではない。やや平成を感じるコントロールパネルだ