
あてもなく街を歩く。行き先を決めず、ネットでも調べず、ただただ景色を見ながら歩くのが好きだ。普段からネットやSNSの情報に頼りすぎてしまって、自分で物事を発見する機会が少なくなったことに気づいてから、私(佐藤)はフラリとお店に入るように心がけている。
そうすると身近でも意外な場所に意外なお店があることに気づく。先日もホームである東京・高円寺を歩いていたところ、こんなところに!? と思うような場所にネパール料理屋を発見した。
とても入りにくいお店だったのだが、利用したところ、初めての本格ネパール料理を味わうことができた。ポン菓子を使う料理があるなんて知らなかったな~。
・こんなところにネパール料理屋!?
この界隈で暮らすようになって、10年以上が経過している。居住する以前から馴染みのある街なので、いまさら発見することなんかあるかな? だが、何でもわかった気になるのは、ただの思い込みと驕(おご)りじゃないのか?
見つける気があれば、ささやかな日常の中にもたくさんの発見が潜んでいるはず。この日はそんな風に考えながら、馴染みの景色を歩いた。
そうしたところ、小さな路地の向こうに黄色い看板が目に入った。あれはお店かな? こんなところに店があったなんて。よく見ると、その向こうにペナント型の旗が見える。あれはネパールの国旗では?
近づくと一見普通の民家だが、ネパール料理を提供する「スンコシー」というお店だとわかった。OPENと書いてあって、中で料理をしている気配はある。だが、ちょっと入りにくいかな~……。
戸惑っていると扉が開き、ネパール人と思われる男性が元気に「いらっしゃいませ」と挨拶してくれた。日本語が堪能っぽくてひと安心したので入ってみることに。1階は厨房で、客席は2階。平日昼間だったが、お客さんはほかにいない。
後から知ったが、ここはデリバリーがメインらしい。とはいえ、2階はちゃんと客席として機能しており、テーブル席2つで10人程度は利用できる。
・未知なる味に挑む
メニューを見ると、ランチは「カナ」が3種類。カナとはネパールで定食を意味する言葉だ。チキン・ポーク・マトン、それぞれワンプレートにカレー・ダール・ライスなどがのっている。
ランチでもいいかなと思ったが、通常メニューの方に気になるものがいくつもあった。
バトマスサデコ? アルジラ? ムスタンアル? どれも初めて目にする料理。一体どんな味なんだろう。
なかでも1番気になったのは「ミックスチャトパッテ」(税込600円)だ。これはネパール風のポン菓子といわれる「ブジャ」のベーシックサラダと書いてある。う~ん、味が全然イメージできない。それならば食べてたしかめるしかないだろう。
それと羊ホルモンの炒めもの「ブータン」(税込750円)、それからネパールの蒸し餃子「モモ」(税込600円)も頼んだ。メニューのラインナップもさることながら、1品1品の値段が安いのにも驚かされる。
さて、最初に出てきたのがチャトパッテだ。ポン菓子にまざってインスタント麺や、きゅうり・トマト・紫玉ねぎが混じっている。サラダというより、おやつみたいだ。
実際、これはネパールのストリートフードで小腹が空いたときに食べるものらしい。
私は見た瞬間に、チャーハンをイメージしてしまったため、ひと口食べて温かくないことに面食らってしまった。ポン菓子は甘くなく、たっぷりのスパイスでカレー味に仕上がっている。アクセントに唐辛子が入っていて、それがかなり辛かった。
サクサクの食感といい、ほどよい辛味といい、ビールのお供にちょうど良さそうだ。
・ブータンとモモ
チャトパッテを半分くらい食べていたところで、ブータンとモモが運ばれてきた。3皿並んだところでふと思う。この食い合わせは、ネパールの人にとってどう映るのか? 妙な食べ方をする人だと思われてなきゃいいけど、どれがどんな味なのかわからないから仕方ない。
メニューの言葉と写真で、勝手に良いイメージを持っていたブータン。見るからに美味そうだが、味は果たして……。
羊ホルモンは、意外と肉質が硬い。煮物ではなく炒め物なので、ホルモン特有の硬さがそのまま残っている。コリコリとした歯ざわりは良いのだが、部位によってはなかなか噛みきれない……。
少量口に入れてじっくり噛む。また少量入れて噛む。それを繰り返しているうちに、満腹中枢が刺激されて何だかお腹いっぱいになった気がしてきた……。これもまたカレー風味でスパイシーな味つけだ。
モモは今までにも何度か食べたことはある。今回唯一、食べる前から味のわかる料理なので、安心して食べることができた。
先のブータンとは真逆でふっくらやわやわ。出来立てはアツアツで、慌てて食べて口の中をヤケドしそうになった。
最後にデザート代わりに「マンゴーラッシー」(税込300円)を頂いて、ほのかな甘さに癒され未知のネパール料理によるランチは終了した。
今回は初めての訪問で、ちょっと勝手がわからなかったので、また次回訪ねたときに、今回味わえなかった未知なるネパール料理に挑んでみたいと思う。高円寺を訪ねる機会があれば、ぜひ利用して頂きたい。少し入りづらいけど、扉の向こうには本格的なネパール料理が待ってるぞ。
・今回訪問した店舗の情報
店名 ネパールアジアンダイニング スンコシー
住所 東京都杉並区高円寺北2丁目38-15
時間 11:00~22:30
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24