
今から約10年前のこと、当時ライターとして活躍していたK.ナガハシは、その頃まだ世に知られていなかった「日清どん兵衛」の食べ方を紹介して、ある種の革命を起こした。それはどん兵衛にお湯を注ぎレンチンするというもの。
これは後に「レンチンどん兵衛」と名付けられ、日清のお墨付きを頂くことになる。
その製法をそのままカップでできる商品が存在することを発見した。それはあの韓国発の「辛ラーメン」のカップである。この商品は通常の即席めんのようにお湯を注いで仕上げることもできるし、レンチンもできるというちょっと変わったカップ麺なのである。
・韓国で人気の「トゥーンバ」に豪州人困惑?
この商品の正式名称は「辛ラーメン トゥーンバ カップ」。今年2月からコンビニエンスストアでの取り扱いが始まり、私(佐藤)も最寄りのセブンイレブンで最近になって見かけた。2024年で韓国で爆発的にヒットし、日本でも着々と人気を集めているそうだ。
ちなみに昨年3月に当サイトの亀沢が袋麺をレビューしている。それによると、袋麺はフライパン調理だった。その当時はまだ限られたコンビニでしかカップは売っていなかったかもしれない。
ところでこの「トゥーンバ」という名前を調べたところ、実に興味深い形で韓国で市民権を得たことがわかった。
そもそもトゥーンバは、アメリカ・オーストラリアを経て韓国に入った経緯がある。この言葉は豪州クイーンズランドの都市名(Toowoomba)だ。1980年代にアメリカで豪州ブームがあったときに、「アウトバック・ステーキハウス」がエビとマッシュルームのピリ辛クリームパスタを「トゥーンバ・パスタ」と名付けた。当の豪州にそんな名前のパスタはない。流行りに乗ってその名になったようだ。
時を経て1997年にアウトバックが韓国に上陸すると、このトゥーンバ・パスタが大人気となり、以降、「ピリ辛濃厚クリームパスタ=トゥーンバ」として定着して、コンビニやカフェのメニューとして浸透する。
さらに時を経て、2018年頃からSNSが若い世代を中心に利用が拡大すると、辛ラーメンの裏技やアレンジが続々と投稿される。その中に「汁を少なくして、牛乳やチーズ、エビを入れてトゥーンバ風にして食うと激ウマ!」といった具合のものが流行し、メーカーの農心(ノンシム)が商品化したというわけだ。
米・豪・韓を経て、現在日本でも知られるようになったのである。
・カップ麺をレンチン
さて、ずいぶん前置きが長くなった。話を戻そう。この商品は最初に述べたようにレンチンと熱湯、どちらでも調理できる。株式会社農心ジャパンのニュースリリースによると、韓国ではカップ麺をレンチンするのが一般的なのだとか。
そのためメーカーはカップをレンチン専用の耐熱容器を採用している。農心も取り扱っているのに、今までなかったのが不思議なくらいだ。レンチンでの食感が気になるので、実際に作ってみよう。熱湯調理の説明は省くので、その点、ご了承ください。
まずはカップのフタを全部取る。
カップの内側を見ると線があることがわかる。この線のところまでお湯を注ぐ。
粉末スープは2種類あり、スープ1を入れて熱湯を注ぐ。スープ2は食べる直前に使用する。
スープ1を麺の上にあけてお湯を線まで注ぎ……。
そのままレンジへ。とくにラップをかける等の記載がなかったので、そのまま入れた。
500ワットのレンジで3分20秒。600ワットの場合は2分50秒加熱する。
時間になって取り出してみると、汁の少ないラーメンかな? といった感じだ。
そこにスープ2をあける。
よくかき混ぜて完成。混ぜているうちに次第に麺とスープが絡み、パスタっぽくなってきたかも。チーズの香りがやたらと食欲をそそって美味そうだ。
食べると、麺はモッチリ! レンチンどん兵衛を彷彿とさせる、歯ざわりと粘り。そして辛ラーメンを象徴する刺激的な辛さと、それを引き立てるクリーミーなスープ。なるほど、これは人気が出るのもうなづける。
これはラーメンのようでラーメンではなく、パスタのようでパスタでもない。
両方の良いところをとった欲張りな即席麺だ。ぜひ1度食べて、レンチン麺の美味しさを味わって頂きたい。1個税込300円で少々高いが、他の商品にはない魅力があるのではないだろうか。
参考リンク:PRTIMES、The Gurdian、Time Out Australia
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24