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ポールダンスを10年続けてついに個別で案件を頂いた / 私に「意味がわからん」といったあの人へ

59分前

2016年の12月にポールダンスを習い始めて、気づけば今年で10年目に突入している。まさかこんなにまで長く続けられるとは、私(佐藤)自身、思ってもみなかった。なぜなら、折に触れてお伝えしているのだが、私は運動嫌いだったからだ。

ここまで続けてきたから運動好きになったかというと、そうでもない。運動全般が好きになった気はしないけど、「ポールダンスは好き」とハッキリ言える。いまだに練習が楽しくて仕方がないから好きだ、大好きだ。

始めた当初、間違いなく誰にも期待されていなかった。それが10年を経て、最近個人でダンス用品のPR案件を頂くに至ったのだ。こんな日が来るとは、まさしく夢にも思わなかったよ。

・好きになる方がどうかしてる

何度もお伝えしているかもしれないが、改めて運動嫌いだった理由をお伝えさせて頂きたい。その理由は至ってシンプルで、運動オンチだったからだ。走ってもダメ、飛んでもダメ、投げても蹴ってもダメ、試合だとか競争だとかは大抵負けるので、何をやっても面白くなかった。

身体を動かすことで褒められたことがないから、嫌いになるのも自然。「運動 = つまらないもの」と私の中での認識が固まり、それは年齢を重ねるにつれて強化されていく。体育の授業の苦痛だったこと。あんなに挫折と敗北を味わい続けて、好きになる方がどうかしてるとさえ、今になって思う。


・謎解きゲーム

それが10年前に読者の方に声をかけて頂いたことをきっかけに、現在に至るまでどっぷりだ。

続けられた要因はいくつかあって、そのひとつが「運動には学び方がある」と知ったことが大きい。勝ち負けが運動のすべてではない。40代になって今さら競う気もないし、自分なりにやればいいとわかってから、ようやく向き合い方がわかった。

それからポールダンスの技の習得も私に向いていた。というのは、技を習得するプロセスはまるでゲーム。原因を解明して必要な動きを理解する、その過程は謎解きゲームの感覚に近かった。

「これはゲームだ」、そう捉えてたら課題はすべて“ミッション”や“クエスト”になり、難しいほど遣り甲斐を覚え、いつしかハマり込んでいたというわけ。

1年と待たずに夢中になり、今では週3回の練習が日課である。


・意味がわからない

そうして勝手に夢中になった後に、何度か快くないことを言われたこともあった。我ながら「おっさんのポールダンスなんて需要ない」とは思っていたけど、「(私が)ポールダンスをやる意味がわからない」と直に言われたのは気分が悪かった。

今にして思えば、あれは“やっかみ”だったのかもしれない。私に関心を払わなければ、気にならないはず。勝手にやってることだし「見てくれ」といった覚えもない。私がポールダンスをしていることが、何か気に障ったのだろう。

それでもその言葉は私の心の奥で、ずいぶん長い間引っかかっていた。どうせ期待されていないんだからと自ら言い聞かせても、どこかで「期待されたい」という気持ちがあったのかもしれない。反面、その引っかかりを糧に気持ちを入れて練習したこともあったな。


・希望はないかも

幸い、10年目を迎えることができたけど、実はコロナ禍がはじまった2020年、つまり4年目に右肩に水がたまり「右肩関節周囲炎」と診断されたことがあった。

5カ月の通院によるリハビリで、今ではあの時のような痛みを感じることはなくなったけど、当時はもう続けられなくなると思っていた

その頃にYouTubeで初心者向けのチャンネルを開始していたので、動画で「練習がんばろう!」とか言いながら「俺はもうがんばれない」と感じていたことがとてもツラかった。人には希望を口にしながら、自分のがんばりには希望がないかもしれない。前向きは言葉を伝えてはいたけど、心の中に暗い塊を抱える気分だった。


通院しリハビリを重ねた甲斐あって、いつしか肩の調子も不安も解消していた。地道な電気治療と小さな筋トレを続けた成果。何より病院の先生たちの治療のおかげである。これもきっと習慣による支えだろう。


・地道に更新

ありがたいことにYouTubeチャンネルは、ポールダンスの初心者の方に多く見て頂いている。チャンネルでは自分が初期につまずいたことや、習い始めたときに欲しかった情報をお伝えしていて、コメントでご質問やご相談を頂くこともある。

ときにはロケットニュースのことは知らないけど、私のチャンネルは知っているという人に出会うこともしばしば。

開設当初は登録者も再生数も少なく、これも「やってる意味あるのか?」なんて感じることもあったが、続けることの大切さは、ポールダンスから学んでいる。週1回の地道な更新を続けて6年目、いまだにちゃんと続けている。


・意味はない

そうして、今年に入って広告案件を頂いた。SNSのダイレクトメッセージに問い合わせを頂いたのだ。最初は「詐欺かな?」と真剣に思った。だって、SNSのフォロワーもYouTubeのチャンネル登録者もめちゃくちゃ多いわけではない。

ポールダンスをやってるとはいっても、50代のおじさんに案件? なんで!? と正直に思い、失礼ながら妙な質問を投げかけてしまった。しかし「ご事情はわかります」と丁寧なお返事を頂いて、心底ホッとした。

ショート動画を作って商品(ポール用滑り止め)を紹介するというシンプルなもので、報酬もお小遣い程度のささやかな額だった。けど、私はそんなことよりも、自分を信頼してお声がけ頂けたことがとてもうれしかった。正直なところ、私よりも上手い人も有名な人も若い人も大勢いる。なのに私に依頼して頂いたのだから、その要望には全力で応えたかった。


そしてスムーズに仕事を終えることができた。契約の段階で事前に聞いてはいたのだが、その商品の通販サイトに、私の制作した動画を使って頂いている。実際にそのページを見て、自らの動画を確認したときに、思わず涙が出た


始めた頃には想像もできないほど遠くまで来れた

何度か挫折しそうになったけど

あの時に折れなくてよかった



「意味がわからない」といったあの人に私は言いたい。意味はない。ただ夢中になって、ただ目の前の取り組みたい技や課題に向き合ってきただけだ。好きという気持ちだけでも、十分に意味があるんじゃないだろうか。それでもあの人には「意味はない」と答えたい。

やった人間にしか、その意味はわからない。だからあの人が何か好きなことに夢中になることを、陰ながらに応援したい。あなたにしかわからない意味を見つけてほしい。


執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

▼最初(2016年12月)にレッスンを受けた日の様子


▼最近(2026年3月)の練習の様子


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